DataEast Pinball/1991チェックポイント | ||
原題 | Checkpoint | |
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製作年度 | 1991年 | |
ブランド名 | データイースト・ピンボール | |
メーカー | データイースト・ピンボール・インコーポレイテッド | |
スタッフ | デザイン“ドライバー”:ジョー・カミンコウ/デザイン“ピットチーフ”:エド・セブラ/“メカニクス”:サラー・バグノリア/“ハーネス”:ニック・ウェイド/“タイマー”:ジョン・ルンド/“スポンサー”:T.フクダ(当時日デコ社長福田哲夫氏)/“スペアタイヤ”:ナンシー・ハース、ジム・ゴーマン、ティム・セッケル、ジョン・ボーグ、ジョー・バルサー/“ジャックMGR”:ピート・ガスターソン、アーニー・ハーステイド/美術:ポール・ファリス、トッド・ファリス/ソフトウェア:リーマン・マーシャント、クリスチーナ・ドンフォリオ/音楽:ブライアン・シュミット/バックグラス画:ポール・ファリス ※プレイフィールドのスタッフクレジット表記から |
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標準リプレイ点数 | 不明(確か二千万点ぐらい) | |
備考 | 製造台数:3,500台/ようつべに動画あるよ!⇒GO! |
▲デジタルディスプレイから初のドットマトリクスディスプレイへ。現行より高さも短く、濃淡の段階も少なかったが、ゲーム上の役割は十二分に果たしていた | ▲フィールド上部右側。分かりにくいがランプレーン通過途中にスピードガン的装置がある |
▲ドロップターゲットで突然始まるブルーライトスペシャルが面白かった。サウンドとフラッシュにハラハラさせられる | ▲フィールド下部。タコメーターを8000RPMまで上げるとインスタントマルチ開始! |
▲フィールド上部全体。いっそ左端はスピナーの通しやすさを優先してデッドスペースにした潔さが大正解 | ▲バックグラスアップ。実は全然目立たないし目視したことは無いが“O”のモーターが回るらしい |
●データイースト・ピンボールこそその開拓者であり、'91年2月発表の「チェックポイント」はピンボール史上初のドットマトトリクスディスプレイ仕様搭載マシンである……とするのがピンボール史の定説ですが、 “アレは元々WMSで開発研究されていたもので、データイースト社の発売が早かっただけ” という一説を支持する声もあります。 ウィリアムス初のドット台は'91年7月発表の「ターミネーター2」、バリーネーム初のドット台「ギリガンズアイランド」の発表は同年5月。 デコの仕事の拙速さ、WMSの製作期間の長さを考えると、それも考えられないことも無い話ですが、現行サイズとは高さが異なるとはいえ、最も早く実現化・商品化して世に出したのは紛れもなくデータイースト社であるため、ドッドディスプレイ真のパイオニアWMS説はデコに反感を抱くアンチによる放言で、それ程信憑性は感じられない…と筆者は踏んでいます。 さて本作のテーマはモータースポーツ。あらゆるデザイナー達が好んで用いるテーマ性ですがデコ台では初。 しかも、ボールロック不要のオートシューターによるインスタントマルチ、球速を測るスピードガンの搭載、メーター制マルチボール、全スイッチが同額高得点となるFAST、4種BGMのセレクト……等々、ディスプレイ仕様だけで慢心せぬ新機軸フィーチャーが満載。現在の退嬰的なスターンの運営姿勢からは考えられないくらい画期性に溢れた秀作です。 【マルチボールタコメーター/R.P.M.】本機種のマルチボールはメーター制。おおよそ1000刻みでカウントアップ。8000RPMに達するとインスタントマルチ。ドロップターゲットやトップレーンの完成、バンバーヒットなどで上昇。 【スキルショット】各ボールスタート時にはフリッパースキルショットが課せられる。左リターンしてくるボールを対角ランプレーンに通すと獲得。ヴァリューはボール数×25万+RPMメーター進捗。 【スピードガン/レーザーマティックスピード】右ランプレーンにボールの球速を測るスピードガンが搭載。規定値以上のマイル数を出すとRPM進捗。球速最高記録を出すとネーム入力も出来る。 【ランプレーンミリオン&一千万】右ランプレーンシュートでたもとの8ヶ国国旗を全部点けると同ランプレーンに100万点のビッグポイントがかかる。但し時間制。 また、8ヶ国の国旗をアザースイッチに触れずストレートで完成させるとヴァリューは1000万点となる。 【スピナー/Spin&Win】左レーンにあるスピナーを通すと、5項目のうち無作為風に点滅するものが得られる。内容はミリオン点灯、ホットニトロ点灯(バンパーヴァリュー上昇等)、ボーナス点、エキストラ点灯、RPM進捗。スピナーの回転とSpinWinの止まる項目は関係なし。 【ドロップターゲット/ブルーライトスペシャル】フィールド中央付近に7枚(4バンク+3バンク)あるドロップTを全部を倒すとRPM進捗の利点があるが、残り2or3枚になった時、なぜか突然気まぐれに[ブルーライトスペシャル]が発動してカウントダウンが開始されることがある。この時時間切れ前に残りドロップを倒すとブルーライトヴァリュー獲得。 内容はインスタントマルチボール、Ex.獲得、キャッチアップ、ダブルユアスコア……と、デカいものばかり。 【マルチボール】RPM数を8000まであげると“Red,Lahhhhhhine!!”のおたけびと共に3ボールマルチがスタート。オートシューターの稼働により、勝手にシューターレーンからアナザーボールがプレイフィールドに射出される。 尚、6000RPM,7000RPMの時点でも右奥チェックポイントホールなどで不完全ながら2ボールマルチにすることは可能。 【ジャックポット】JPヴァリューは200万〜400万。マルチ時にランプレーン前を通せんぼするようにせりあがるチェック柄1枚ドロップを倒し、それからランプレーンに通す(但し時間制で、タイムアウトになると通せんぼドロップ復活)。ヴァリューはドロップTなどで上昇。 さらにドロップを倒した後で右奥チェックポイントホールに入れてからランプに通した場合、ダブルジャックポット獲得。 【ファスト】F-A-S-Tレターを完成させると右奥チェックポイントホールにファストが掛かる。ファストタイム中は全スイッチ五万五千点。 尚FASTレターはトップレーンの完成で進捗。トップホールでもADV.有り。 はっきり言って、筆者はコレを傑作と叫びたい!面白い、面白い。タイムマシンやレーザーウォーよりも良く出来てるんじゃないかと。 実はメーター制マルチとFASTはウィリアムス1万台出荷の大ヒット作「ファンハウス」の時計とフレンジーからのイタダキなのだけど、本機種「チェックポイント」ではモータースポーツのテーマ性として上手に換骨奪胎、全く違和感なく、むしろドットディスプレイやオートシューターの新機軸と絶妙に絡め、ほとんどオリジナルといって良い斬新さを生み出しています。 特にFASTでスピナーを猛回転させた後にバンパー連打させる快感はクセになりそう。ゾクゾクするような音楽とヴォイスで緊迫感満点のRPM上昇。そしてその沸点越えでインスタントマルチを爆裂させる猛進ハイテンションは、元祖ファンハウスよりもスピード感が有るくらい。 他にも一千万点ランプレーンや棚ボタなブルースペシャル、リプレイ獲得後にランプ100万点ボーナスが掛かるヴィクトリーラップ、複数人数プレイ時のハイスコアラーにボーナスゲームが与えられるウィナーズサークルなどなど、作り手もプレイヤーも意欲みなぎる魅力的なフィーチャーがのべつ幕なしに盛りだくさん! 更に、スイッチやコイルなどの故障の放置が感知されると筐体のプランジャーの下にあるシグナルに赤信号が灯るという、オペレーターには不評そうなアイディアまで! ドットマトリクスの1点で論ぜられがちなマシンですが、アートワークも音楽も含めて着目すべきゲーム性は極めて高水準。 屏風と商売は曲がらにゃ立たぬと、粗悪なコピライト台を僅か1か月で荒っぽく仕上げて売りさばく悪業も目立った同社ですが、オリジナルネタの今作ではプレイフィールドもフィーチャーも、十分煮詰められてから世に出されていることが伺えます。これが彼らの本来の実力なのでしょう。 各社がブロックバスター映画ネタミニゲーム路線へと迷走する前の、あらゆるピンボールの可能性を潜ませる隠れた名作として、当時も今ももっと評価されるべき、頼もしい1作でした。 |
▲スピナー“スピン&ウィン”が面白い。リターン逆パスして繰り返し通し続けるだけでも全然飽きなかった | ▲ジャックポット獲得を遮るチェック柄通せんぼドロップターゲット。 | ▲フィールド右奥めがけて斜辺ショットで1枚。見えにくいがチェックポイントホールも重要なポイントのひとつ |
▲スピン&ウィン5項目のアップ | ▲今回スキャンした写真は、名古屋市本山駅前の店のピエロで当時撮ったものと、新小岩オモロンで'99年頃撮ったものがないまぜ | ▲フツーのスポットターゲットの上っちょにミニカーつけただけのニトロターゲット。でもたまに狙って面白がっていた |