DataEast Pinball/1992フック | ||
原題 | Hook | |
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製作年度 | 1992年 | |
ブランド名 | データイースト・ピンボール | |
メーカー | データイースト・ピンボール・インコーポレイテッド | |
スタッフ | デザイン:ティム・セッケル/音楽:ブライアン・シュミット/ソフトウェア:ネイル・ファルコナー/美術:ポール・ファリス | |
標準リプレイ点数 | 不明(確か七千万か八千万だった記憶……) | |
備考 | 製造台数:6,705台/ようつべに動画あるよ!⇒GO! |
▲プレイフィールド上部。ブラウンとゴールドが重心のゴージャスな色使い | ▲バックグラス。相変わらずポールファリスの重厚アートが素晴らしい。精緻な描きこみも細かい! |
▲ランプレーン上部を左側面から撮った写真 | ▲フィールド下部。こちらもアートがまばゆいばかり |
▲バックボックストップにロゴのポップ有り | ▲フック船長の腕がミニヴァリュー項目に |
●1つのバックボックスに2つプレイフィールドがついた、上から見て逆Y字型ピンボール「トータルリコール」の渾身の企画が没になり(そりゃそうだ)、不遇の時節を過ごしていたティム・セッケルでしたが、彼がユニバーサルスタジオテーマパークのピンボールとして永らく温めていたホワイトウッドが、ここに来てスピルバーグ映画のコピライト案として急浮上。 ようやく彼のプレイフィールドデザインによる初製品化となった「フック」は、データイーストピンボールにとって7千台に迫る高セールスを記録するスマッシュヒットに。 勢いのついたデータイーストは、またもや映画セレブリティ台の次回作「リーサルウェポン3」で遂に1万ユニット製造の大台を突破。 ウィリアムスを脅かす大手メーカーとなったゲイリーたちは、'90年代半ば頃まで良くも悪くもピンボール市場を荒らしてゆくこととなります。 日本では明らかにこの「フック」からデコ台の出荷数が目に見えてのし上がっており、デコピンボール一大ブームの嚆矢となった1作としてとても印象深いマシンです。 【スキルショット】各ボールプランジの際のスキルショットは、シューターランプレーンの途中に開く、段差ごとの3つのホール。プランジャー加減でその[1][2][3]ホールのうちライト点滅箇所に落とすと、スキルショットヴァリュー獲得。内容はミリオンプラスかエキストラボール。 【ボールロック】マルチBへのボールロックは左奥トップホールにかかる。点け方は、中央ガイコツの両端に3バンクずつ、上部左に3バンク、計9枚あるスポットターゲットの全完成。 尚、トップホールへ1回入れるだけでもターゲットリットのADV.がある。 【マルチボール】トップホールで1個目のボールロックを行うと、2個目3個目のアナザーボールはそのままプランジャースキルショットでボールロックできる。スキルの2連続成功で1千万点獲得とともに3ボールマルチスタート! 尚スキルロックを2回とも失敗すると1千万もなし、3マルチも2マルチとなる憂き目に。 【ジャックポット】マルチ中は左右ランプレーン交互にジャックポットボーナスが掛かる。JPヴァリュー初期値は左右1回ずつ500万点で、以後1,000万、1,500万とヴァリューは上昇。 これら初期値とは別にスポットターゲットヒットでも100万の上昇有り。 【左ランプレーン/ミリオン】通常の左ランプではミリオンプラスが稼げる。1回目25万、2連続シュートで50万、3連取75万、4連取からミリオンプラスに突入。 尚ヴァリュー消滅はアザースイッチではなく毎連取後の時間制。 【右ランプレーン/クロッククロック】時間制で500万点が取り放題の[クロッククロック]なるフィーチャーが右ランプにかかる。やり方は右ランプに2回通すだけ。これでほんの10秒程度だが右ランプと左奥トップホールで500万が連取できる。 【ミニヴァリュー/ガイコツ&スクープ】フィールド下部右端のキックアウトスクープにミニヴァリュー有り。内容はボーナス10X、ガイコツ時間制二千万、ファスト(フレンジーのこと)、右ランプカウントダウンボーナス、スコア500万、バンパー時間制50万、の6項目。 再点灯は、普段はミステリースコアを担っている中央ガイコツホールでOK。 尚、コンプリート後は時間制ウィザードモードとして、3000万点+ガイコツ&右ランプ500万点がシングルボールで取り放題となる。 【ドロップターゲット/パイレートタウン】普段は大した役割の無い中部左端4バンクドロップターゲットが、脈絡なく突然リセット!時間内にどれか1枚でも倒せば掲示されているフィーチャー獲得。 内容は1000万、Ex.、スペシャルの3項目が、無作為で定められる。 【キックバック】左アウトレーンにキックバック有り。再点灯はフィールド下部右下ターゲット。スクープの影になってて見えにくい。 トップレーンの存在意義が乏しい、クロッククロックなどのボーナス点に偏重がある、ミニヴァリューの内容が薄い上にマルチとの噛み合いが皆無…… 等々、フィーチャー編成に疑念はいくらか残るものの、マルチボールの勢いだけで最後まで押して押して押し切ってしまうその豪放さには脱帽。兎にも角にもゲーム全体のスピード感と疾走感の何と爽快なこと。 叩き込んでは射出、叩き込んでは射出してはスピーディーにライトロックを勝ち取るトップホール。さらに追い打ちをかけるように連続プランジスキルボールロックを強いるたたみかけっぷり、そして完成後の“BANGERAAAANG!!”の絶叫と共に爆発的に炸裂するマルチボール。 フィールド内を豪胆に回るランプレーンによる強烈なジャックポットも極めて簡明且つ快調で、ボールロックとマルチとJPを延々ローテーションするだけで、プレイヤーは飽きることなく燃焼してしまいます。 むしろ、一般のプレイヤーとマニアが共に楽しむならこれぐらいの単純さが丁度いいでしょう。 名匠ジョン・ウィリアムズによる映画のサウンドトラックスコアとオリジナル曲をないまぜたブライアン・シュミットの音楽も最高の出来。 シングル時BGM、マルチリーチ、雄叫びヴォイス、SE、ボーナスカウントとファンファーレまで、その勇躍なミュージックと音響にはわくわくと血沸き肉躍るよう! デコ台乱造期の映画ネタとは言え、うまく時勢に乗った快作として今でもコレクターに愛されているピンボールです。 しかし残念だったのは、やはり状態の悪さ。 特にフリッパーの脆弱化が顕著で、ピンボールのバブル期だった'92年に大量入荷されたロケーションの中にはメンテナンスを知らない店も多く、たちまち機能が落ちてプレイヤーに一挙興ざめされた同機種が店頭から消えるのは、恐ろしく早いことでした。 |
▲豪快に渦巻く左ランプレーン入口。JPの他アンリミテッドミリオンも取れる | ▲筐体のフロント。スピーカーの絵にはニヤリ | ▲プレイフィールド右奥。ランプが複雑過ぎてトップレーンに通ずる右レーンが見えない |
▲スキルショットの123ホール。Ex.が点いた時はお見逃しなく | ▲プレイフィールド全景。複雑なのに狭苦しく感じないし、どこを狙っても楽しそうな雰囲気が醸せている | ▲右ランプレーン。実はここのクロッククロックが一番の稼ぎ所 |