各名門ブランド ピンボール・リスト

Stern Pinball/2022

ジェームズ・ボンド ドクター・ノオ(Pro版)

原題James Bond Dr.No(Pro)
製作年度2022年
ブランド名スターン・ピンボール
メーカースターン・ピンボール・インコーポレイテッド
スタッフプレイフィールドデザインチーフ:ジョージ・ゴメス/ソフトウェアチーフ:ロニー.D.ロップ/ゲームデザイン:マイク・ヴィニコー/美術班チーフ:ケヴィン・マッカーシー
標準リプレイ点数
備考

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【取り急ぎ1st.インプレッション】

●スターンピンボール「ジェームズ・ボンド〜ドクター・ノオ」は2022年12月28日に大阪心斎橋ビッグステップ3F《The Silver Ball Planet》に入荷している。

●第一印象としては、何よりも先ず球が落ちにくい。センターもアウトレーンも十分過ぎる程狭まっているので初心者や中級者には評判がいいようだが、上級者にとってはヌルく感じた。ボールセーヴリットも甘すぎる。

●バージョンのコード配布が遅れている。SBP入荷直後にプレイしたがウィザードが何一つ入っておらず、すぐ堂々巡りとなって退屈し始めてしまった。2023年夏現在でも未だver.0.96でファイナルウィザードなどが入っていない。
 但し大方改善されてきており、豊富なスキルショットコレクト、ヴィランや殺し屋とのシングルボールバトル、時間制限の厳格なプレウィザード……等々、大分楽しめるものになっている。しかしまだ未完成の感触があり、未だ真贋の判定が下せない。ことによると、予定しているライセンシングが未だ全部取得しきれておらず、コーディングなどが大いに遅れているらしい。

●ジェームズボンドのスターンピンボール開発の噂は2019年から既にあったが、当初のデザインチーフはスティーヴ・リッチー。しかし彼が翻意してジャージージャック社に移籍した為、怒ったデザイン部長のジョージ・ゴメスはスティーヴのプレイフィールドホワイトウッドを、007以外の2枚も含めて破棄。彼がライセンシングを取り直して制作に取り掛かった。

●発売直前の2022年9月8日にイギリス女王エリザベス2世が崩御された為、スターンピンボール社は喪に服し、発売を延期するという姿勢で本国に敬意を表している。その後、同機種1000台限定のリミテッドイディションは無事完売となった。

●本機種3バージョンとは別のシングルレベルフィールドデザインによる「ジェームズ・ボンド」60周年記念イディションも発売されている。歴代ボンド全員の肖像権をクリアしたシングルレベルフィールドで'60年代風リールドラムスコアユニット機構搭載、お値段なんと、19,999$。こちらも完売となった。因みにデザインはキース・エルウィン。

●今作の007ピンボールは現行世代に最も馴染みのあるジェームズボンド6代目ダニエル・クレイグではなく、初代ショーン・コネリーにわざわざライセンシングが定められている。私ですら親世代としか目せないオールドボンドだ。
 Sコネリーは2020年に亡くなったが、映画誌追悼記事などで振り返られているエピソードが凄まじい。wikipediaに載ってないような事柄も多かったので書き留めておきたい。

・早くも21歳の若さでめでたく完パゲを果たし、ボンド役は終始ヅラで演じてふさふさを装い観客をだまし続けたという、正に世界一のスパイだった。

・「北北西に進路を取れ」でジェームズボンドのイメージそのままの役柄に扮したケイリー・グラントが演じるはずだったが、グラントがシリーズ化に難色を示したため1作目ボンド役がコネリーにまわった。製作側がカメラテストを手配しようとしたら『俺はカメラテストを受ける段階を過ぎた俳優だ。俺を雇いたいならテストは無しだ』と、テーブルに拳を叩きつけて言い放った。

・ドイツの若い女性記者が取材に来ていると知り、わざと湯上りタオル1枚の姿で取材を受け、脳天は不毛のクセに自慢の剛毛ムナ毛をモジャモジャとご披露した。

・奥さんを殴っていることを暴露されたが反省するどころか、『引っぱたいたが悪いとは思っていない。相手の言動によっては今も叩く用意はしている』と傲然と返答。彼からの暴力を告白していた元妻ダイアン・シレントもイギリスで活躍した女優(脇役ながら「ウィッカーマン」が極めて有名!)だったがは2011年に亡くなっている。

・「小説家をみつけたら」で、カミングアウト済みのガス・ヴァン・サント監督はコネリーの役柄にゲイの設定を加味しようとしたがコネリーは断固として拒絶した。

・「リーグ・オブ・レジェンド」でコネリーは俊英スティーヴン・ノリントン監督と演出や編集で激しく衝突。ノリントンが登壇をボイコットしたプレミア上映で監督の居場所を訊かれるとコネリーは『精神病院にでもいるのではないのかね』などと放言。“違うだろこのハゲ!全部お前のせいだろ!!”と、もし私がノリントン監督の立場ならそれぐらいの悪罵は吐きたいような話だが、この件ではコネリーも傷心したらしく、以降彼はセミリタイアへと入った―――。

●現在のスターンピンボールの商品開発はジェームズボンドのみならず「バットマン66」「ビートルズ」「マンスターズ」「レッド・ツェッペリン」等々、'60s時代への懐古趣味路線が濃厚だ。おまけにアメリカンピンボール社からは「ギャラクティックタンクフォース」といった'50年代SF映画へのオマージュ全開の機種が発売されている。良くも悪くも、現在のピンボール商品開発は老練ゲーマーを客層にしていることを象徴するようなラインナップだ。但し、どれもゲームの出来は非常に良い。







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