各名門ブランド ピンボール・リスト

Gottlieb Pinball/1974

ビッグ・インディアン

原題Big Indian
製作年度1974年
ブランド名ゴットリーブ
メーカーD.ゴットリーブ&カンパニー
スタッフデザイン:エド・クリンスキ/美術:ゴードン・モリソン
標準リプレイ点数
備考製造台数:8,030台

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●発売当時8千台ものセールスを誇った、ゴットリーブらしい堅調なフィーチャーが楽しめる秀作。

 トップレーン及びそのプランジャースキルショットが重要で、B-I-G完成でバンパーが100点と化し、リエントリーラインのロールオーバーボタン3個の点灯も連動。
 BIG完成後の5枚ドロップバンクにはスペシャルが灯るし、最高5千点のヴァリターゲットも、フリッパースキルショットの腕が鳴る。
 最高額19,000×2で、最高額38,000の、'70年代らしいアウトホールボーナスも魅力的。チャイムと共にドラムスコアがガチガチ捲られるカウントもいい気分だ。
 これなら上級者にとって桁越えバックグラス10万ライト点灯なんか当ったり前、これを2周3周させないとピンボーラーの名が廃るというもの。

 またこの時代らしく、「ビッグ・インディアン」が4人用版、「ビッグ・ブレイヴ」が2人用版、そしてイタリア版アドアボール機「ビッグ・セイケム」……とあれこれヴァージョン違い造られている。
 但し、データベースによるとイタリア製ビッグセイケムにアドアボール機能があるかどうかは裏が取れていないそうだ。


 制作時の逸話を一つ。

 当初この4人用マシンは「ビッグ・インジュン」なる機種名だった。
 プロトタイプが完成し、各地でロケテストが開始されたところ、ゴットリーブ社サウスダコタ州のファクトリーで配線,アッセンブル担当として働くネイティヴアメリカンの工員が、ゴットリーブ本社に勇敢にも抗議を表明した。Big-Injunは蔑称で不適切であると。
 その意味合いは、“腐れインディアン”。

 [ビッグインジュン]なる用語は、かつて量産されていた西部劇で気安く汎用されていた言葉だった。そこから自然と引用されたものだったのだろう。

 ゴットリーブ側は抗議を真摯に受け止め、これに対応。タイトルをBig Indianに変更し、バックグラスを差し替えた
 幸いプレイフィールドにおいてInjunなる語は記されていなかった為、バックグラスを差し替えるだけで済んだが、それでも発売は当初より3ヵ月遅れとなった。

 その後発表された2人用同機種のタイトルは、「ビッグ・ブレイヴ」
 サウスダコタ支部の一工員に過ぎない身でありながら、会社に物怖じせず異議を唱えたネイティヴアメリカンの、彼の勇敢さを称えるような機種名ではないか。



(年月日)