各名門ブランド ピンボール・リスト

GOTTLIEB/1987

モンテカルロ

原題MONTE CARLO
製作年度1987年
ブランド名ゴットリーブ
メーカープリミア・テクノロジー
スタッフデザイン:ジョン・トルデオー/美術:ラリー・デイ、ドン・マーシャル
標準リプレイ点数340万点
備考製造台数4,315台/ようつべに動画あるよ!⇒GO!
▲'70年代カジノものピンボールのアートワークをそのまんま実写化したようなバックグラス。諸君、今宵のハイローラーたちに乾杯しよう ▲この右ランプレーン、通過時は激しいストロボフラッシュでインパクトを出していたが、1千万という当時としては法外なビッグポイントがゲーム性を完全破壊
▲フィールド下部リアルルーレット。しかしこちらのロケーションの台では段差が出てきてボールスタックが起きたようで、調整に苦心の痕跡がみえる ▲写真の状態が悪くて恐縮でございます。セレブというより成金オヤジたちのせっかくのほくそえみ笑顔が台無し

― COMMENTS ―
●プリミアの実写バックグラスシリーズ第6弾。テーマはモンテカルロでのカジノルーレットで、美女をたずさえた実業家風の青年と成金たちがグラス片手に賭けに興じるその姿。我々には一生手の届かぬような享楽の香りが紛々。なんだか刑事コロンボとかでてきそうな雰囲気。

 メインのフィーチャーはフィールド下部、しかも盤面下に埋め込まれた本物ルーレットロックホールに入れるとルーレットが稼動、玉の止まった数字と同じ番号のドロップターゲットをあらかじめ倒していたら、バックボックス上部の[WINNER!]のイルミネーションが華々しくフラッシュ!サイレンも鳴って賑やかしいこと。因みにルーレットで0が出るとライトEXで、00がでるとライトSP
 ルーレットで勝つと左レーンのスロープが降り、この時シュートが決まるとボーナスコレクト。このボールフローもボーナスカウントの小気味良さも、実に快調。

 …とここまではいいものの、あとは首をかしげるフィーチャーばかり。ルーレットスピンも兼ねたボールロック3個完了で待望のマルチボールがスタートするものの、なんとマルチ中にはジャックポットもビッグポイントも、一切なし!プレイヤーは行動原理を失ってしまいます。ランプにワンミリオンぐらいかけてくれればいいのに。
 もっとひどいのが、右ランプレーンの1千万点ボーナス。フィールド各スイッチ反応一定数達成毎に、他のフィーチャーと何の関連もなく突如右ランプのフラッシュと1千万リーチのアラーム音が鳴り響くので、この時そこへシュートが決まると、はい一千万獲得。なんて唐突。
 ……あの〜〜リプレイは340万点なんですが?何て他愛無いのやら。今までのルーレットのボーナスはなんだったの。
 4本のトップレーンも作戦の組み立てようがなくて。せわしなくせかせかとタイマーライトチェンジで4本間の移動を続けるライトが点灯してる瞬間のレーンに通すとポップバンパーのヴァリューが1万に上がる……と言われても狙いようがないし。
 シューターからボールをプランジした時にはトップレーンかランプレーンに飛んで行って欲しいのに、なんとリターンレーンにぺっと吐き出されるボールフローも疑問。もちろんフリッパースキルショットとか何もないですよ?

 盤面にライト表示ではなく、リアルのルーレットをしつらえて、中で生の玉が転がせる趣向だけは秀逸だったんですがね。中途半端な印象のプリミアピンボールでした。
 因みにこのルーレットの仕掛けはその後同社「ティード・オフ('93)」で流用されました。

▲降りた状態の左スロープ。見た目より通しやすい。問題は上がった状態の左レーン経由で狙うトップホール。入れにくい! ▲写真の状態が(略)フリッパーレーン逆走で狙うスポットターゲット。ヒットが決まると右アウトのボールセーバーが開く ▲今回の写真は'93年頃、名古屋市“本山中央”なるタイトー系のお店で撮影

(2010年1月15日)
※写真撮影追加(2015年5月15日)