各名門ブランド ピンボール・リスト

GOTTLIEB/1987

ヴィクトリー

原題VICTORY
製作年度1987年
ブランド名ゴットリーブ
メーカープリミア・テクノロジー
スタッフデザイン:ジョン・トルデオー/美術:コンスタンティーノ・ミッチェル/音楽:デイヴ・ザブリスキー
標準リプレイ点数不明
備考製造台数3,315台/ようつべに動画あるよ!⇒GO!
▲バックグラス。どうもこの機種のアートはプレイヤーの心に響かない。それは主人公・主役の人物がいないから ▲フィールド下部。[1X],[2X],[4X],[8X]のボーナス倍率ライトを全部点けると足し算で15倍!っつーのはプリミア独特の表示法。

― COMMENTS ―
●これ、どーもぱっとしないピンボール。プリミアらしい都会的ファッション性もないし、初めは地味に役をこつこつ揃えて後でドカッ!みたいな、味わい深いゴットリーブらしさもありまへん。
 加えるに、夾雑且つ圧迫的なフィールドデザインは致命的で、ミニフィールドもバイレベルもランプフローもみんな裏目に出てる感じ。この暑苦しさは何だかバリーの「ジャッジ・ドレッド」を彷彿。

 フィーチャーも非常に退屈。マルチボールを排し、シングルボールに徹したルール構成。それは構わないのですが、テーマであるカーレースにちなんで、数字のふられた各チェックポイントを、カウントダウンを気にしながら通過する……というのがメイン。
 そのためフィーチャーの組み立てが完全に固定されてしまい、役の組み合わせや作戦構築の楽しみを喪失しています。
 何だか“次はココ!次はココ!”と単調な特訓のようなフィーチャー構成だったカプコンの「ピンボール・マジック」を彷彿。

 ピンボールマジックのフィーチャーの稚拙さと、ジャッジドレッドの猥雑感を足したような…そう例えれば言いえて妙かしら。20年経とうが振り返る価値は少ないマシンですわ。

 尚、撮影したお店は1993年の頃の名古屋駅西《ゲームコーナー三共》。エスカ地下街から地上に出る途中の踊り場半B1みたいな角スペースで営業していた小さな無人のお店。
 '90年代後半に閉店して以降、取り壊されることもなければ新たなテナントが入ることもなく、今も“三共薬局”という、ゲーセンに鞍替えする前の看板すら残し、薄汚れた冷たいシャッターが固く降りたままになっています。

▲ランプレーンを多様、凝ったボールフローによるフイールドは初め目を引くが、フィーチャーが薄弱なので魅力がさっぱり出てこない ▲プレイフィールド全景。因みにプランジャーから打ったボールはフィールド中央を横切って左レーンスピナーに向かう。 ▲バイレベル上段のミニフィールド。このドロップターゲットも面白みに欠けるんだな

(2010年1月31日)