PINBALL LIST〜名門各ブランド ピン・リスト

★ピンボールの本場アメリカはイリノイ州シカゴシティにおける、各メーカー75年以上の歴史をたった数行で強引に語っちまえ。てい。

ゴットリーブ(1931〜1996)
◇灰皿の製造販売事業の失敗であえいでいたデヴィッド・ゴットリーブに、あるスロット業者が新機軸のバガテルテーブル生産の仕事をもちかけたのがはじまり。商品は好評だったが、業者側がいい加減な二重契約で甘い汁を吸おうとした為これにキレたデヴィッドが、性能・ゲーム性・デザインなど全て独自で大幅にブラッシュアップ、完成した「バッフル・ボール」はピンボールブームの火付け役となる。その後も一貫してピンボールを中心としたコインオペ事業を頑迷に続け、フリッパーやティルトセンサーなど重要な発明を繰り出すが、やはり激動の'80年代には身売りされ、'90年代にはとうとう息絶えてしまう。
バリー(1931〜1999)
◇賭博場の管理人からスタートしたレイモンド・モロニーが自販機やカウンターゲーム、スロットマシンのビジネスを経て1931年に創立。デヴィッド・ゴットリーブと「バッフル・ボール」の販売契約内容が折り合わずコインマシンショー会場での大喧嘩の果て、既に請けたオーダーに応えるため一念発起して「バリー・フー」を開発、結果バッフルボールをも上回るセールス記録を樹立、ピンボールビジネスの工業化に成功する。ビンゴマシンブーム時などにはPIN事業からは一旦遠のくが、'60年代以降は押しも押されぬピンボールメーカーの名門へと返り咲く。しかし'80年代にはゲーム性のトレンドについていけず、ウィリアムスに吸収される形で'99年までブランド名が残る。
ウィリアムス(1943〜1999)
◇映画セットの建築技師だったハリー・ウィリアムスがパシフィック社、ロックオラ社、バリー社を経て1943年に創設。サム・スターンとの共同経営やジュークボックス製品で名を馳せるシーバーグ社との合併などをふまえながら低迷期を脱し、'80年代から'90年代にかけて怒涛の黄金期を迎える。しかし複雑でマニアックなゲーム性の袋小路に煮詰まり、新機軸PINBALL2000を開発するが収益には実らず、1999年に撤退。一時期ボウリングマシン、ベースボールマシン、ビデオゲームでのヒット作にも恵まれた。
データイースト/セガ/スターン(1987〜)
◇かつてウィリアムスやシカゴコインの経営で辣腕をふるったピンボール業界屈指の資産家サム・スターンの息子、ゲイリー・スターンが創立。既に傾いていたPINメーカー、ゲームプラン社のエンジニアであったジョー・カミンコウをチーフデザイナーに迎え、データイーストのアメリカ法人としてスタート。U.S.A.セガの傘下になった時期もあるが、ゲイリーは会社を買い戻し、他社が倒れた後も“スターン社”としてピンボール産業を継続。氷河期2000年代を耐えて孤塁を守り抜き、コレクター向け個人需要が伸び始めた現在では業界の牽引役として最大手の名を冠している。
シカゴコイン/旧スターン(1932〜1984)
◇実の兄達が経営するゲンコ社に籍を置いていたサム・ゲンズバーグが、行商の才に長けていた義理の弟のサム・ウォルバーグと共に'32年に独立発起。トレンドとテクノロジーを盛んに取り入れるというより、他社のヒットを模倣して安価で大量に捌け…という逞しい経営哲学はゲンコ譲り。製造の主力をエレメカに移しつつも'70年代半ば頃までピンボールマシンの安定した供給を続ける。テクノロジー変遷期である'77年にサム・スターンが同社を買い取って旧スターン社となるが、'84年に解体。尚現スターンと会社的繋がりは無いが支配人は子息である。
21世紀の新鋭達(2013〜)
◇2010年代に入ってピンボールの存在価値と需要が再評価され始め、アメリカ各地・その他各国で未来に向かって新たな覇を唱える新規メーカーが続々と参入。ニュージャージー州のジャージージャック社、ウィスコンシン州のスプーキー社がその急先鋒。他、ジョン・ポパデューク自身が投資を募ったジッドウェア社、テキサス州のマルチモーフィック社、イリノイ州のアメリカンピンボール社、イギリスのハイウェイピンボール社、オランダのダッチピンボール社などなど。但しコンスタントに商品化・プラント量産出来ているのは今のところジャージャジージャックとスプーキーだけである。
その他
◇名門ではないのだけど、一時的に脚光を浴びたもののすぐに姿を消したメーカーなどのリストはこちらにまとめておこっと。アルヴィンG社やカプコンピンボールなど。

■1931年〜'47年のノンフリッパーモデルのものは、ほとんどオリジナル撮影写真が無いため、フリッパー台以降のものをリストアップ対象としました。
■マシンの邦題は原則として原題のカタカナ表記としてあります。また非常に長いタイトルの場合は一般的な略称を記してあります。
■出来る限り、映画版権モノのように一般的な知れ渡ったタイトルがある場合、違和感なければその邦題で呼びたいと思います。(例:The Flintstonesは“ザ・フリンツトーンズ”ではなく「フリントストーン」、The Phantom of the Operaは“オペラ座の怪人”ではなく「ザ・ファントム・オブ・ジ・オペラ」)
■マシン国内発売時に実際に登録された商品名とは異なる場合があります。また、商標が分かっている場合はソレに従いたいところですが、「ザ・ゲット・アウェイ」「シアトル・オブ・マジック」「バック・ツー・ザ・フューチャー・ザ・ピンボール」のように明らかに違和感のある題の場合、シカトすることもあり。