各名門ブランド ピンボール・リスト

SEGA/1998

GODZILLA/ゴジラ

原題GODZILLA
製作年度1998
ブランド名セガ・ピンボール
メーカーセガ・ピンボール・インク
スタッフジョン・ノリス/ジョー・カミンコウ/ロニー・ロップ/ネイル・ファルコナー/オリン・デイ
標準リプレイ点数
備考日本国内未発売/ようつべに動画あるよ!⇒GO!
▲巨大ゴジラトイのたもとで優雅に描くなカーブが小粋なTAXIターゲット。なんとなくゴットリーブの「フレディー」「ライツ・カメラ・アクション!」を彷彿。さてはジョン・ノリスの仕業だな ▲バックグラス。俳優陣の肖像はスリングカバーへまわし、堂々と主演を張るハリウッド・ゴジラ大先生。
▲フィールド下部。左右端にはヘリコプターターゲットと3連ベビーゴジラターゲットが一対で装備。 ▲フィールド上部を低いアングルでパチリ。中央部分は広いのはいいけど上部は結構並行的にギュウギュウ詰めなので狙いにくいっす

― COMMENTS ―
●'80年代の創立時から'90年代にかけて、ひたすら他社のメガヒット作の模倣品に大作映画版権ネタをあてがえては消耗的な新機種を繰り出していたデータイースト/セガピンボール。彼らは時として「ジュラシック・パーク」「フランケンシュタイン」のような壮絶な失敗作をもピンボール業界に抱えこませてきた訳ですが、かといってその路線が必ずしもつまらないという訳ではなし。今作「GODZILLA/ゴジラ」も、インデペンデンスデイのローランド・エメリッヒ監督作の映画ライセンスを再び購入するという懲りない愚行をしでかしたように見えたものの、出来上がったモノはなかなかの好機種に仕上がっておりました。
 それもそのはず、ウィリアムスの大ヒット作「メディーヴァル・マッドネス」の重複一括スタート式マルチボールを、そのまんまイタダイてしまっているんです。
 しかし「ハイ・スピード」を真似た「レーザー・ウォー」「シークレット・サービス」が面白かったように、元のアイデアが非常に優れているならば、よっぽどプレイフィールドデザインなどでヘマをしなければ、必然的にゲーム性の高さには恵まれる訳です。
 ……因みに「アダムス・ファミリー」のコピーキャットがクズばっかだったのは、ボールロックもエキストラもスキルショットもハンドくんのボーナスもクイックマルチも、四散する各フィーチャーをプランジャーショット一発で全部取得させてしまう、あの秀逸なボールフローデザインを見習うのではなく、飽くまで奥行きを持たせるためのダシに過ぎなかった煩雑ミニゲームの偏重だけを誇張して模倣してしまったものばかりだったため(その証拠にアダムスのフィールドを真似てもミニゲームの形式は改善したベイウォッチが意外な快作だったでしょう!)。

 さてさて、何はともあれ面白いのは前述の5種類あるマルチボールの絶妙な編成。キャプティヴボールが主役のソナーマルチ、[T][A][X][I]のタクシーターゲットがビッグポイントとなるタクシーマルチ、ベビーゴジラターゲットが活躍するベビーゴジラマルチ、等々スタートさせる役の完成及びジャックポットが各ポイントにバランス良く役割配分、しかもそれらはいちいち単独で開始させるモノではなく、左奥のマグネットレーンで全て一括取り重複スタートが可能。おまけに重ねれば重なるほどヴァリューはのし上がりまくりなもんだから、貯めに貯めまくって一挙にマルチボール全種決壊!なんて一度体験したらもうやめられないでせう。その代わりあと一歩で逃した時の悔しみたるや悶絶もの。でもこの天国地獄の紙一重加減も、まさにピンボールの醍醐味といえましょう。

 他に気にとまったこととして、マグネットディヴァーターの多用や、後方に横向きランプ入り口が待ち構えるループレーンなどの構成は、「シアター・オブ・マジック」からのトレンドか。あと球質が異常に軽く感じられ、ターゲット直撃ボールなどは激しく跳ねっ返って危なっかしいのに、ランプレーンやループのカーブ摩擦へは途端に脆弱で、ヘナヘナと上げにくいには困りもの。ボールガイドが悪いのかそれともフリッパーコイルの問題?あとサウンド&ドットアニメの粗さにも疑問あり。

▲重要な左ループレーンと、もっと重要な隣接マグネットレーン(入れにくい!)。う〜むむむ賑やかしたいのは分かるがトイゴジラのおててでが邪魔で見にくいんだけど ▲プレイフィールド全景。下部・中部での配置は控えて広々作ってあるので、重複マルチはとても打ち甲斐有り! ▲右ランプも綺麗だけど注目はキャプティヴ。左右に1コずつあるのをおはじき当てして、さらに奥にあるもう1コを右に左にホースシューターンさせる仕組みなんだよー。
▲トイゴジラさん正面。だから手が邪魔だってば ▲よく見ると右ランプ奥にはミニチュアビル郡踏み壊しゴジラ足があったんだな。 ▲左ループ経由のくねるランプレーン。こういう工夫好き。

(2006年2月14日)