各名門ブランド ピンボール・リスト

SEGA/1997

X−ファイル

原題The X-FILES
製作年度1998
ブランド名セガ・ピンボール
メーカーセガ・ピンボール・インク
スタッフデザイン:ロブ・ハータード/ソフトウェア:ロニー・D・ロップ,オリン・デイ/音楽:ブライアン・シュミット/美術:モーガン・ウェイストリング
標準リプレイ点数
備考日本国内未発売/ようつべに動画あるよ!⇒GO!
▲モルダー&スカリーは勿論、スキナー副長官やスモーキングマン、クライチェックも登場。やっぱり俳優さんがたの肖像権も全部クリアで堂々描かれてるのが嬉しいですねぇ! ▲フィールド上部。入れにくそうなランプやループがギュウギュウ詰めだけど、そのボールフローは大変魅力的。こーゆー細っこい左右ランプに神経すりへるほど連続シュートしてみた〜い♪
▲ギミックやランプレーンの影になってほとんど見えない位置にあるトップレーン&バンパー。 ▲フィールド下部のアートもなかなか。インストカードの上には“全てを否定せよ”“誰も信じるな”っていうおなじみモルダーの口癖が打たれてるし。

― COMMENTS ―
●スターンのピンボールプラントはセガピン傘下時代に、当時日本でも大変人気の高かったアメリカのTVシリーズ「X−ファイル」のピンボールを発表していました。が、運悪くデータイーストのディストリ撤退期と重なってしまい、日本でこの台の魅力が敷衍されることはありませんでした。
 X−ファイルっていやぁそれより前のブームの「ツインピークス」や最近の「24」よりももっと熱狂度の高かったTVシリーズで、SFホラー好きのわたくしめも当時ハマった口。『スカリー絶体絶命!モルダー瀕死の重傷!!X−ファイル課、危うし―――!!!……来週につづく』とかなんとかなる度に“またソレか〜!”とビデオデッキの前で悶えたことも今となっては懐かしいです。

 プレイフィールドを覗いてみたマニアの中には“フィールドが(昨年度作の)インデペンデンスデイの使いまわしってのバーレバレ〜♪”などとやたら嬉しそうに揶揄する輩もおりましたが、本当は製作に入ったのX−ファイルの方が先なんですね。大急ぎで映画の公開に間に合わせる必要のあったインデペンデンスと違って、TVシリーズとしてファースト・セカンド・サードと人気が持続していたX−ファイルの場合は制作期間にかなり余裕があったようです。
 どちらかというと、そのゲーム性からして当時の他社ヒット作品「シアター・オブ・マジック」に対する臆面のないコピーキャット台といったところ。例えば「シアター〜」では90度ごとの回転によってマグネット面やホールが現れたりして多彩に変化を見せる立方体トランクのギミックがありましたが、ここでは“モルダーのファイルキャビネット”という仕掛けへとイタダキがされています。これにボールヒットする度に手前盤面下のマグネットが作動したり、キャビネットが上下にニョキニョキ動いてくれたり。このキャビネットの最上段がホールになっていて、そこへのシュートがマルチボールスタートやスーパージャックポットの鍵となっています。マルチ中にマグネットにつかまったボールを別のボールで弾き飛ばしてキャビネットへ叩き込む魅力的なアクションも登場。
 また、「シアター〜」では右ランプレーンを通すとすぐ手前のトラップドアが突如開いてミステリーのホールとなるフィーチャーがありましたがそれも強く意識しており、ここではFBIのレターライトのあるフィールド地下へのホールがぱかっと開いてそれがミニゲームのスタート箇所となっています。ミニゲの内容はTV本編場面の再現ドットアニメに合わせて時間制ライト点滅をシングルボールで追いまわす、という定番的なもの。

   ……と聞くととてもつまらない台だと思われるかも知れませんが、実はそういったギミックやフィールドが安易なフィーチャー内容を十分補っており、マルチのやさしさも手伝って誰でも楽しめる佳作に仕上がっています。同じくシアターのコピーキャットでもパクリ具合が中途半端だった「007ゴールデンアイ」よりも格段とゲーム性が完成している感。蒼色をベースとした落ち着いたアートがとても綺麗、且つTVのオリジナルスコアを元にしたブライアン・シュミットの音楽も神秘的で、マシン全体の雰囲気はかなりカッコイイです。個人的にも是非もう一度どこかで出逢ってプレイにまみえたい作品!

▲左ランプレーン入口付近。 ▲プレイフィールド全景。上部は込み合っているが中央から下部にかけては広々。 ▲あ、ファーストシーズンに出てきたヤツですねこいつ。
▲この左奥の遺体保存カプセルの宇宙人はファーストシーズン衝撃の最終回に登場。でもゲーム上のアクションとしての活躍はなし。 ▲右ランプレーン入り口付近。円形のトラップホールがあるの、判ります? ▲フィールド右側をややサイドビューで。
▲フィールド下部左側。よく見るとスカリーの他にもミスターXやスカリーの愛犬クイックエイグもいますね。 ▲ファイルキャビネットが最下段まで下がった状態。これマルチボールへのリーチ状態で、こん中に叩き込めばマルチスタート! ▲フィールド下部右側。よく見るとボールガイドにあの怪光人喰い虫も描かれていてキモイでしゅ

(2006年3月24日)