各名門ブランド ピンボール・リスト

Spooky Pinball/2017

ドミノズ

原題Domino's
製作年度2017年
ブランド名スプーキー・ピンボール
メーカースプーキー・ピンボール・LLC
スタッフプレイフィールドデザイン:非公表
標準リプレイ点数
備考

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【1st.インプレッション&雑感】

 ウィスコンシン州に拠点を置くスプーキーピンボール社の商品化3作目。
 野心的なプロトタイプを作ってもなかなかファクトリーに乗せられないカンパニーが多い中、次々と製品化をかなえる同社の伸びしろと地熱には感服。
 ジャージージャックより供給サイクルが早く、そのファクトリー力は傾注に値しそう。

 スプーキー台と言えば既に大阪SBPでは「ロブ・ゾンビーズ・スクープショー」がお目見えしていたが、スターン新作各機種の豪壮さに圧倒されてついつい後回しに。
 今回のピザチェーンのピンボールという「ドミノズ」の斬新さに煽られ、ようやく同社マシンをプレイ。

 今やスターンの独壇場となったピンボール市場によくぞ楔を打ち込んでくれた!……と満点を付けて差し上げたい気分だが、正直申して5点満点で言うと2点ぐらい。決して完成度は高くないし、新参者で仕方ないとはいえ、全体的に練磨されていない仕上がり。

 一番気になったのが、プレイフィールドアートワークの教示の分かりにくさと不親切さ。
 生起するフィーチャーなどを色々と主張して描かれるべき各レーンのアートワークが寂しいし、アローライトへのシュートで何が起こるのかも全く分からない。Ex.ライトもJPライトも、リットしても全然目立たない。何より、ハリーアップとかミステリーとか、ワンショット・ワンショット毎にもっと色々巻き起こって欲しいのだ。

 スクープ2か所にシュートした時も休む間もなく即キックアウトされ、ディスプレイでのデモや説明が乏しい。加えるにモノクロと比べてカラーDMDの見辛さの方も気になった。

 他、トップレーンとバンパーが活躍不足どころかランプレーンなどの影に隠れてプレイヤーに見えない、ドローブリッヂ及びマグネットの仕掛けが思ったより盛り上がらない、ステイタスレポートがない……等々。フィールドもソフトウェアも荒削りな印象は拭えない。

 ただジャージーJやスターン台の半額近い廉価での販売でもあり、気軽にコイン投入できるカジュアルさは有り。
 かつてのプリミア社のストリートレベルシリーズの様な路線にシフトするなら、スプーキーからも良作が期待できるかも。
 殺伐としないアート、軽妙で清涼感のある音楽、陽気でのどかなテーマ性など、他社に無い作風は決して悪くない。
 どうやらマルチボールルールがたくさんあり、それらを重ね取りしてヴァリューを伸し上げるタイプのルールのようなので、やりこめばどんどん面白くなるかもしれない。


 それにしても、高名飲食チェーンのピンボールゲーム化というコンセプトは非常に画期的!

 この調子で他社も追従してマックやらスタバやら出してくれたら面白そうだが、企業イメージがデリケートな飲食産業ゆえ、あまり過激なフィーチャーはライセンス元から反対されかねず、色々難しそう。

 巨乳ウェイトレスとかスーパーヒーロー店長とか大胆なキャラは相談なく勝手に作りにくいし、まさかMove Your Car!みたいに客の車をブチ壊すフィーチャーなんて出来ないだろう。映画ライセンス以上に制約が厳しそうである。


 本機種はU.S.A国内ドミノピザ店舗のロケーション設置前提で企画された提携台。
 限定生産品の為、オーダーもスプーキー社直通のみの扱いで2016年12月末で早々に予約が締め切られたはずが、なぜか大阪SBP店頭にドカッと入ったのだから、嬉しいやら驚くやら。

 このマシンの存在について日本国内ドミノピザ本社へ、「こんなドミノピザのゲームマシンがあるそうですが御社では設置や取扱いをなさってますか」と白々しく韜晦気味に問い合わせてみたところ、

 “アメリカのドミノピザと当社とは別法人なので詳細は分かりかねます”

 ……と困惑なさったご返答。そりゃそうですよね失礼しました。 

(2017年9月17日)




(年月日)