Williams/1987F−14 トムキャット | ||
原題 | F-14 TOMCAT | |
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製作年度 | 1987年 | |
ブランド名 | ウィリアムス | |
メーカー | ウィリアムス・エレクトロニクス・ゲームズ | |
スタッフ | 原案:スティーヴ・リッチー/デザイン:スティーヴ・リッチー/ソフトウェア:ユージーン・ジャーヴィス、エド・ブーン/メカニクス:クレイグ・フィットポールド/美術:ダグ・ワトソン/音楽:ビル・パロッド、クリス・グランナー、スティーヴ・リッチー/バックグラス画:ダグ・ワトソン | |
標準リプレイ点数 | 140万点 | |
備考 | ようつべに動画あるよ!⇒GO! |
▲プレイフィールド上部。シューターからのプランジボールがワイヤーレーンに乗ってディヴァートされるボールフローが素晴らしい! | ▲バックボックス。前作から仕様が変わってスマートなバックグラスに。スコアもクレジットもデジタルディスプレイで一貫表示。スムースなアルファニューメリックデモの質も向上 |
▲下部左端[T][O][M]3連スタンダップ | ▲中央ロックポケットのアップ。ロック済みボールと入れ替えるプランジボールのテンポの良い処理も快活 |
▲フィールド下部。センタードレインよりもアウトレーンが怖い台だった | ▲下部右端[C][A][T]スタンダップ。こういう低い位置のターゲットはあまりダイレクトに狙いたくないんだけどな |
▲バックグラス。やっぱり人物を描いて欲しかった | ▲上部[T][O][M][C][A][T]スタンダップ。左右アッパーフリッパーで狙うのだ |
●1986年当時はハリウッド映画「トップガン」の一大ブームが巷を席巻しており、ゴットリーブはソレにあやかって米軍戦闘機の空中ミサイル戦をテーマとしたピンボール「ゴールドウィングス」を発表。 同社自慢のケレンな実写バックグラスアートや複雑なミニフィールド構成、本物空気圧サイレンなどを搭載し、かつての名門としてピンボールシェアの奪還に挑みましたが、結果はウィリアムスの放ったブロックバスター作「F−14トムキャット」の圧勝。 明確な役の組み立て方、鮮烈なストロボフラッシュを伴う音楽やサウンドの演出、目の覚めるようなスピード感溢れるボールフロー、テーマコンセプトと非常に相性良く親和したゲーム性、連続プランジボールロックが痛快な4ボールマルチ、バックボックスの上部に乗せられた3つの回転灯、はたまたロシア民謡で合いの手を打つシニカルでシャレの効いたBGMの一発ギャグに至るまで。 これら圧倒的な密度を誇るゲーム内容により1万4千台以上もの製造ユニットを記録。パワフルで雄々しいゲーム性はさすが壮年期のスティーヴ・リッチーと言ったところ。 当時の日本のロケーションでも全国規模で大変良く出回っており、学生向けの小さな50円ゲーセンでも新品のトムキャットが大型体感筐体に混じって無理やり置かれていた光景を思い起こします。 それから四半世紀ほどの時が流れてピンボールの市場が完全に失われ、トムキャットのことなども永らく忘れられていたハズの今、意外なことに東京の専門店やピンボール博物館でトムキャットが再評価されています。 私も東京の《ネバーランド》で何度かプレイしましたが、エキストラもキックバック復活も殆ど取らせてくれない凶悪にシビアな設定に煩悶しながらも、これほどホットな台がまたプレイできる僥倖に感謝しきりでした。 【ボールロック/ラーンチホール】ロックホールは右奥角にあるVUKトップホール。たもとの緑のロックライトが点滅してればボールロックOK。ロック時はワイヤーレーンに打ち上げられて3箇所に分けられたポケットにスイスイ運ばれる快活なボールフローが見もの。 ボールロックの条件はT-O-M-C-A-Tのスポットターゲットをボールヒットで完成させる。尚TOMCATレターはロックホールへのシュートだけでも進捗させられる。 【マルチボール】4コ目のボールロック成功により、まばゆい閃光と激しいサウンドと共に4マルチスタート。勇ましいBGMが素晴らしい。 【ジャックポット】マルチ中は同じくロックホールへのシュートで繰り返しジャックポット獲得可能。1回目15万、2回目25万、3回目70万+α。4回目以降は15万点に戻る。獲得時に流れる行進曲も爽快。 【スペシャル】マルチボールの最中、上部T-O-M-C-A-Tと下部T-O-M-C-A-T、さらに中央付近の1-2-3-4-5-6のスポットT全てにヒットすると、左右アウトレーンにスペシャル点灯。 【リップオフ】フィールド中部左、黒ランプレーンの陰になって見えない位置のレーン突き当たりにはリップオフキッカーが潜んでいる。ボールが奥に触れると閃光と共に凄まじい勢いで蹴り出される(かっけー!)。 ここは通常KILLボーナスが得られる他、たもとにはEX.ライトも有り。またマルチリーチ時には前述のロックホール以外のマルチスタート兼用ポイントとしても活躍。 【ボーナスX】上部ホースシュー左右の[BONUSX]点滅時にシュートすればアウトホールボーナス倍率が上昇。MAXは8倍(EX.リットの賞与有り)。ボーナスX点滅方法は連続ホースシューシュートか対角リターンレーン。 【KILLボーナス】敵機撃墜ボーナス。リップオフキッカー稼動で得られる他、中央KILLスポットターゲットでも獲得可能(要リターンレーンコンボ)。全7機撃墜でEx.点灯! 【キックバック】左アウトレーンにキックバック有り。再点灯は中央スポットターゲット(時間ライト点滅移動)。 【ボールセーヴ】当時としては珍しいボールセーヴ機能がある他、3ボール目終了時で著しく戦績が悪い場合、お情けでもう1ボールエクステンドしてくれることがある。 ところでコレ、意外や発売当時のマニア評価は散々だったそうです。 要は歴史的金字塔となったSリッチー氏の前作「ハイスピード」とどうしても比べられてしまう訳で、 「ゲーム性にハイスピード程の奥行きが無い」 「ハイスピと比べて故障が多い」 「ハイスピと比べてスペシャルが取りにくい」 ……等々。 状態が良くなかったことは否定できず、同機種が“Adjust Failure”なるアラートをディスプレイに表示したまま稼動が止まってしまい、そのままロケーションから消えていった姿を何度か目の当たりにしたのも事実。 また、ミニゲームやウィザードモード路線が主流となった'90年代半ば頃には全く振り返られることがなく、むしろトムキャットを“あれッさー、今打ってみるとすっげーツマンネwwww”などと調子こいて鼻っから馬鹿にしてた不埒なマニアプレイヤーすら見かけたほど。 しかし前述のように今の時代になってから永らく倉庫で眠っていた同機種がメンテナンスされてロケに引っ張り出されてみると、非常に熱いピンボールだったことを改めて実感できます。 中学生だった'87年当時、皆が50円ゲーセンで「R−Type」とか「ダブルドラゴン」とか「1943」に夢中だったのに、自分はトムキャットでキャーキャー言いながら手動プランジで連続ボールロックしては、ラーンチリリースのマルチボールで異常に興奮してゲーセン仲間の友人達をしらけさせていたことを、25年後の今になって懐かしく思い出します。 |
▲左アウトレーンキックバックボール専用レーン。あんまし意味ないと思うけど | ▲フィールド全景。ジョーカーズやポパイもそうだけど、センターに大きな遮蔽物があると球がアウトレーンへ落ちやすくなるのだ | ▲フィールドじゅうにたくさん点在するフラッシュストロボ! |
▲左リターンレーン近辺。 | ▲右リターン付近。 | ▲上部ホースシュー右入口にはスピナーがある。ラーンチホール手前に付けた方が良かったのでは |
▲真っ黒なランプレーン上ではディヴァーターが稼働、3箇所のロックポケットへボールを振り分けてくれる | ▲ロックホールであるラーンチホールたもとのアローライト群 | ▲KILLボーナスやキックバック復活が関連する中央ターゲット。ダイレクトに狙うと跳ね返りが怖い |