各名門ブランドピンボール・リスト

WILLIAMS/1997 ジャンク・ヤード
原題	JUNK YARD
製作年度	1997
ブランド名	ウィリアムス
メーカー	ＷＭＳインダストリーズ／ウィリアムス
スタッフ	デザイン：ドワイト・サリヴァン、バリー・オースラー、カート・ゴーベル、アダム・リーネ、ピート・ピオトロウスキー、ソフィア・ライアン、ブライアン・モリス、パット・マクマホン、ポール・バーカー、ブラッド・カーネル、グラハム・ウェスト、ビル・サムソン
標準リプレイ点数	20,000,000点
備考	国内発売：タイトー（'97年４月）


▲これがクレーン鉄球だ！通常のボールをぶつけて周りの廃車ターゲットへ空中クラーッシュ！因みに写真はクレーンが上がって奥のレーンでマルチスタートがリーチ状態のとき。	▲バックグラス。風呂桶やら金魚鉢やらハト時計やらで装甲車を構築、武装したメガネのメカフェチ青年が主人公!? 尚ビデオモードでも登場する右下の入浴美女が何なのかは未だに謎。

▲バックグラスにはちょっとしたくじびきフィーチャーも。フリーゲームやライトEX.がデカいけど、中には“トキシックウェイスト”というスカ０点も有り。	▲フィールド右上部をサイドビューで。なんとなくバリー・オースラーの「ファイヤー！」を思い出しますが。

― COMMENTS ―
●「Ｊ・Ｍ」「ダーティー・ハリー」「コンゴ」とあまりにも闇雲で不毛な映画ライセンス品の濫造が続いていたウィリアムスから、やっと発表された「ジャンク・ヤード」は純正なオリジナル作品で、尚且つ斬新なギミックアイデアに重きを置いた佳作となっていました。フィーチャー構築に多かれ少なかれ粗はあったものの、従来のピンボールらしい魅力を取り戻したそのゲーム性は、機運の滅入っていた当時のピンボールファンから大いなる歓迎を受けることになったのです。　お話が楽しいです。　―――メカ好き青年が番人を勤めるスクラップ置き場に、ある日侵略者クレージーボブが闖入、愛すべきジャンクヤードが彼に占領されてしまった！しかし負けじと青年はありったけのガラクタを寄せ集めてはトースター銃やフライングマシーンなる新発明を繰り出し、クレイジーボブとそのペットの犬のスパイクに応戦。果たして彼はジャンクヤードに平和を取り戻すことが出来るのか!?――― 　……というが本作のストーリーライン。この作劇をギミックやトイフィギュア、ドットアニメやミニゲームへの役揃えにより劇的に描出。ガラクタアイテムGET＆それらのアッセンブルにより全ての武器を完成させれば、ボール無制限の時間制マルチによるボブとの最終決戦へと突入します！　プレイフィールドを覗いてみましょう。目玉はクレーンからぶら下がった鉄球。単にボールの振り子を吊るしただけであるように見えるものの、これに通常のボールを思いっきりぶつけ、周辺で弧を描くように並んだ廃車型ターゲットへ間接的にどっかんどっかん空中クラッシュさせるという豪快なギミック！この大見得仕掛けがマルチスタートやジャックポットの鍵となっているのは勿論、ミニゲームやハリーアップでもいかんなく活躍、その過激なボールアクションがゲーム性の向上に大いに貢献しています。　因みに、ジャックポット＆スーパージャックポットはこのクレーン鉄球すぐ背後で奥まっている極細レーン。普段はぶら下がったままの鉄球がとおせんぼして狙えないという按配もよろしい。　他、ミニチュア便器内でボールが渦を描くトイレットランプレーン、ライトフラッシュで走り回るバックグラスの５項目ボーナスをボースフリッパー操作でストップさせるくじびきフィーチャーウィンドウショッピングなどなど、各レーン各ポイントにそれぞれ魅力的なイベントが用意されているのだけど、問題は最終ゲームをクリアした後。ふつーゲームつーもんは、ラスボス倒せば段階リセットされて２週目が楽しめますよね。ところがどっこい、なんとこのゲーム２週目がないのですよ。一応ミニゲーム⇒最終ビッグゲームのループは繰り返せますが、メインストリームであるジャンクアイテムの取り進めが、１ゲーム中二度と楽しめないのです。　何周もクリアして台を占領するような迷惑なマニアのタワゴトと言えばそうなのですが、しかしゲーム性は豪傑なのにフィーチャー後半の帳尻あわせが苦手、というドワイト・サリヴァンの弱点は、次回作「ザ・チャンピオン・パブ」では殊更露呈してしまうことになったのでした。　それと、プレイ中に深夜０時に差し掛かると、ゲーム展開に関係なく唐突に鐘の音が鳴り響いて隠しフィーチャーが始まるというざれごとが潜ませてありましたが、当時まだ風営法がうるさかった日本では、時刻設定が狂っている店の台ぐらいでしか体験できなかったため、どんな内容だったかもう覚えてません。


▲冷蔵庫型ＶＵＫなんかもあったりなんかして、ここからキックアウトされたボールが左フリッパーへリターン。	▲バスはあるし犬小屋はあるし。中のお犬さんは吼えるし。あ、本文で書き忘れましたがスピナーの回転ごとに項目が決まるスキルショットもかなり面白いんですよ！	▲プレイフィールド下部左側をサイドビューで。

▲プレイフィールド下部左側。下部全体に記された設計図風イラストは、獲得したジャンクアイテムのライト表示になってます。	▲２本とも通しにくい！でもそこが面白いトイレットランプとマジックバスランプ。特に便器に入るとじょろじょろ～～とお手洗いサウンドが響いて心爽やか!?	▲プランジャー及びシューターゲージ。よく見ると魚の骨がめもりになってて可愛らしい！

（2006年３月28日）