Williams/1977ランチョ | ||
原題 | Rancho | |
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製作年度 | 1977年 | |
ブランド名 | ウィリアムス | |
メーカー | ウィリアムス・エレクトロニクス・インコーポレイテッド | |
スタッフ | デザイン:ハリー・ウィリアムス、クリス・オーティス | |
標準リプレイ点数 | 不明 | |
備考 | 製造台数:1,229台/ようつべに動画あるよ!⇒GO!/各写真は吾妻社の店舗ネバーランドの許可を得て撮影 |
▲バックグラス。一瞬ゴットリーブかと思ったらウィリアムス台。同社がオールドファッションな西部劇テーマとは珍しい | ▲もうこの時代になると蓄えの効くアウトホールボーナスが当たり前に。満タンにして一挙倍額を狙え! |
▲上部バンパーやスポットターゲット付近。バンパーヒットでトップレーン往復も狙おう | ▲フロントキャビネットはこんなん。これは木製だけどスチール製バージョンも存在。後年錆びついて痛ましい姿になったみたいだけど |
▲フィールド下部。リターンレーンの無い構成のスリングショットとアウトレーンはプレイヤーにとって厳しい | ▲ドロップターゲット3枚。Ex.や2Xも絡んでて重要だけど狙い打ちは難攻。確か「ビッグベン('75)」でも同じ構成で苦労した記憶が |
▲フィールド上部。やはり攻略ポイントは左スピナー&トップホールと、右端キックアウトポケット。 | ▲'50年代に3ケタ(+上げ底表示)でスタートしたリールドラムユニットも、この時には6ケタに。しかも2人用。フィーチャーも複雑化してきてるし、エレメカドラムも潮時だった |
●「リバティーベル」「ビッグディール」そして今作の「ランチョ」と、当時ウィリアムス台のセールスは深刻な程激減の一途を辿っていました。 スティーヴ・コーデックと共に3作品ともデザインに関わっていたハリー・ウィリアムスはいよいよ己の限界を悟り、コンピューターエンジニアとして招聘したマイケル・ストロールと盟友コーデックにウィリアムス社のプロダクションと技術の再構築を任せ、以後ソリッドステイト仕様開発の着手を待たずしてウィリアムス社を去ることとなります。 その後サム・スターンに誘われて旧スターンピンボールのマシン開発に貢献しますが、残念ながら'83年に他界してしまいました。 しかしこの台。アートやテーマ性が面白いこともあって、ボウリング場で繰り返し遊んでいた幼少の筆者の脳裏に強く焼きついています。 本来はゴットリーブのお家芸である西部劇のコミックタッチ。“危険地帯・入るべからず”の注意書きの前で困惑するご婦人たち。禍々しく覗き込むハゲワシとサンゴヘビ。背景ではランチョ(牧場小屋)でカウボーイ2人がスラップスティックな喜劇を巻き起こしています。 またフィーチャーとプレイフィールドも悪くないです。 左端スピナーをびらららら!と思い切り突き通して狙い打ちできるトップホールはトップレーンスキルでヴァリュー上昇させられるし、そのトップレーンは右端キックアウトポケットからのボールフローで戦略的に繰り返し集中攻撃可能。決して場当たりなプレイフィールドデザインではありません。 またエキストラBとボーナス2Xがかかる重要な箇所だけあって、とても打ち落としが難しいのが3枚のドロップターゲット。かかる役がデカいだけあって、ボールをアウトレーンコースへと脅かす、なかなかの強敵です。 リターンレーンが無く、スリングショットもアウトレーンもガバッと口を広げるように広角な幅を利かす悪意のあるプレイフィールドには、今プレイしても煩悶させられます。 しかし6ケタ×2playerのリールドラムで既にインフレが始まっている得点配分や、アウトホールボーナスなどで戦略性が強くなってきたフィーチャー編成を鑑みれば、そろそろエレメカの旧態に担わせるには限界も感じざるを得ない造りであったことは確か。 デジタル化への世代交代に、ウィリアムスにとってソリッドステイト改革の決断は待ったなしの状況だったことでしょう。 ところで当時、オペレーターの間で“ソリステ台は軽い!軽過ぎてゴロツキが台を持ち上げちまうよ!!”という声が上がっていたそうな(今からすればエレメカ台の方が異様に重すぎると思いますが)。 うんうん、アメリカの酒場ならいそう。ティルトも無視して担ぎ上げる荒くれ者が。 で、この「ランチョ」ではその声に応じ、通常の木製キャビネとは別に、重量に非常に差があるスチール製のヴァージョンも製造。それはそれはメガトン重量を誇る、船の錨のよーに重たいスチール製ランチョが出来上がりました。 しかし費用がかさむというがシンプルな理由により鋼鉄製キャビネットはこれっきり。結局ソリステ時代に入ってもウッドキャビネットが主流のままとなりましたとさ。 |
▲左スピナーレーン奥にあるトップホール。ヴァリュー点けてから狙い打ちショットが思い切り決まるとどれだけ気持ちいいことか | ▲プレイフィールド全景。中部左端キックアウトホールが入れにくいのは不満 | ▲右端ポケット。バンパーやラバーのワンクッションで狙う。さらにバンパーとナッジングを併用して繰り返し放り込むと楽しい |
▲左アウト&スリング写真。 | ▲あらやーね奥様、汚染水で立ち入り禁止ですって。毒ヘビも出るそうよ。困ったわー | ▲こちらも困り顔のスリングシールドが張られた右スリング&アウトレーン近辺。 |