WILLIAMS/1988スペース・ステーション | ||
原題 | Space Station | |
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製作年度 | 1988年 | |
ブランド名 | ウィリアムス | |
メーカー | ウィリアムス・エレクトロニクス・ゲームズ | |
スタッフ | 原案・デザイン:バリー・オースラー/美術:ティモシー・J・エリオット/音楽:ブライアン・シュミット/ソフトウェア:エドワード・J・ブーン/バックグラス画:ティモシー・J・エリオット | |
標準リプレイ点数 | 不明 | |
備考 | 製造台数:3,800台/ようつべに動画あるよ!⇒GO! |
▲2段構えのトップレーン。「ジョーカーズ」でもあった構造 | ▲プレイフィールド上部。ワイヤーレーンが走る走る |
▲プレイフィールド下部。なんとリターンレーンがない!'70年代前半以前のピンボールのように。 | ▲宇宙に漂うスペースコロニーを描いたバックボックス。前作「スペースシャトル」、前々作「スペースミッション」と変わらず、いつも美しい。 |
▲ひとつひとつに船外浮遊する飛行士が描かれてるのがカワイイS-H-U-T-T-L-Eスポットターゲット。 | ▲これは中央にあるS-T-A3バンク。 |
▲右奥にあるボールロックとリリース出口近辺。 | ▲バックグラスアート宇宙飛行士アップ。 |
▲下部右端にあるT-I-O-N4バンクスポットターゲット。 | ▲これがボールロックを振り分けてくれるコロニー型ディヴァーター。稼働時のサウンドもよろしい |
●宇宙もののピンボールと言えばウィリアムスのお家芸と言っても過言ではありませんよね。 バリーやゴットリーブも「ゼノン('79)」「カウントダウン('79)」といったSFものを出してますが、そんなコミック要素が強いものではなく、NASAの宇宙開発による輝かしい偉業や情勢をリアルモチーフとして描いているのがウィリアムス台の特色です。 エレメカドラム円熟期の'76年には左右スリングショットにキックアウトポケットを仕込んでスウィンギングターゲットを当てる矢継ぎ早ボールアクションが大評判となった大ヒット作「スペース・ミッション/スペース・オデッセイ」があるし、'84年には多段階マルチボールと魅惑的なランプレーンデザインによる高いゲーム性が世の耳目を集めた「スペースシャトル」が、ピンボール零落の危機を救ったランドマーク作として今も燦然と輝いています。 そして1988年、そのスペースシャトルのデザイナーであるバリー・オースラーが送る、ウィリアムス伝統の宇宙ものピンボール「スペース・ステーション」が満を持して発表されました。 ならば同オースラー先生伝説のピンボット三部作や遊園地三部作のように、現在に至るまで宇宙開発トリロジーの完結編としてこのマシンが崇め奉られてもおかしくないのに、全く語り継がれている様子がございません。それはなぜ? ………実はこれ、クソゲーなんでしゅよ(泣)。 無駄に遠回りしてぐねぐね湾曲するボールフローのもどかしさ。隠れて見えにくくなってる多段レーンの影で重要なボールアクションを起こされる煩わしさ。 「ポパイ」「ジャッジドレッド」を知ってる人ならあのキモチのワルいプレイフィールドの打ち心地による胸のモヤモヤ感は理解しやすいのではないかと。 さらに何のつもりか、定石設置であるはずのリターンレーンをとっぱらったことで戦略性が低下、さらにその非リターン設計のせいで変形フォルムとなったスリングショットのしまらない角度の落ち着かないキッキングにより、フィールド下部のボールアクションの安定感が喪失。 爽快どころかプレイヤーにイライラを募らせるプレイフィールドは悪評をとどろかせ、また当時のトレンドで200万弱ぐらいだったリプレイ点数に対し、苦労して得たジャックポットがたった数十万…というのも更なる顰蹙の要因となりました。 タイトーもロケテストでの評判の悪さを考慮し、当時のウィリアムス台としては珍しく国内販売がお蔵入りとなった、曰くつきのマシンです。 しかし、魅惑的なテーマ性やムード満点の演出はさすがオースラー。 暗闇の彼方から銀河が近づき、また遠のいてゆくようなブライアン・シュミットのロマンチックな音楽。無線コール風の落ち着いたヴォイス。ゆっくり回転してボールロックを振り分けるスペースコロニー風ディヴァーター。マルチ時にメーターの如く数字がかけめぐるディスプレイ。JP獲得時には手元から奥へざわざわと灯されて広がるイルミネーション……。まるでスペースシャトルのコックピットに居るみたい! 往年のようにトップレーンを重要視したい、リターンレーンに頼りたくない、高額ジャックポットに偏る配点を解消したい……等々、時々トレンドに背いたマシンを発表するBオースラーの作家性が今回裏目に出てしまった残念なピンボールでしたが、ゲーム全編に湛えられるロマンティシズムたっぷりの陶酔感は大変に魅力的で、ゲーム性は別としてコレクター人気は決して低くないようです。 動画投稿数の多さからもマニアたちの偏愛が伝わってきそう。本当は私も決して嫌いじゃない1作。 |
▲スペースシャトルが描かれた左レーン。ボールロックポイント。 | ▲フィールド下部。センターはそんなに落ちやすくはなかった記憶。 | ▲こんなところにスペシャルライトが。右ランプレーンのさらに右隣スポットターゲット。 |
▲EX.ライトがあるドロップターゲット3バンクのアップ。 | ▲右ランプレーンの入口を遮る1枚ドロップ。フィーチャーどんなだったかもう覚えてないなぁ | ▲も1回ドロップバンクを斜辺ロングショットで。変な位置にあるのよね |
▲左アウトレーン。キックバックあり | ▲プレイフィールド全景。打ち心地の気持ちの悪さは上部の猥雑さが原因かと | ▲右スリング近辺。右アウトレーンにボールセーヴのたぐいはなし。でもメカ風アートかっちょいいなぁ |
▲左レーン入口と左ロックポケットをアップで。 | ▲あーこういうヴァリューライト眺めてると萌えてくるわね。写真が切れてるエキストラボールよりさらに上の最上部項目はスペシャル。 | ▲右ランプレーンをロングショットで。 |