各名門ブランド ピンボール・リスト

WILLIAMS/1987

タクシー

原題TAXI
製作年度1987年
ブランド名ウィリアムス
メーカーウィリアムス・エレクトロニクス・ゲームズ/ウィリアムス
スタッフデザイン:マーク・リッチー、パイソン・アンジェロ/美術:パイソン・アンジェロ/メカニクス:クレイグ・フィットポルド、トニー・クレーマー、マーク・キム/ソフトウェア:エド・ブーン/音楽:クリス・グランナー
標準リプレイ点数180万点
備考製造台数台/ようつべに動画あるよ!⇒GO!
▲バックグラス。タクシーメーターがJACPOTバリューになってるのが楽しい。因みに初期製造台でマリリンだったグラマー美女の名は肖像権対策でローラに変更となった ▲フィールド下部。う〜ん、汚れがつらいどころか、盤面の痛みが激しい。人気台だったからなー。
▲フィールド上部。左右で対に曲線を描き、中央で交差するランプレーンの張り方がお見事。 ▲うわー汚れきびしいな。5人の乗客フィーチャーの明滅表示のアップ。

― COMMENTS ―
こ〜れ〜は〜〜〜面白かった!文句なしの傑作で、「インディジョーンズ」「フィッシュテールズ」等著名作を誇るマーク・リッチーのマシンの中でも最高作と見ていいでしょう。
 爽快なプレイフィールド構成、巧みなゲーム性、創作性あふれるコンセプト、ユーモアいっぱいのアート、軽妙洒脱なミュージック……等々、どこをとっても非の打ち所が見つけようがないくらい。

 お話はニューヨークの街を駆けるタクシードライバーの奮闘。彼に挙手する乗客と言えば、サンタクロース、ドラキュラ伯爵、マリリンモンロー、ゴルバチョフ書記長、ピンボット…と錚々たるメンバー。みんな忙しい人気者ばかり。
 カタパルトポケット、ドロップターゲット、トップホール……などなど、運ちゃんはそれぞれのポイントでタクシーを待つおのおのの乗客を、フィーチャーの完成により全て拾はなくてはなりません。全員乗せるとトップホールに時間制でジャックポットリーチが!もたもたしてると気まぐれマリリンが降りちゃうよ。落ち着いてボールシュートしてしとめれば、けたたましいベルの稼動とともにジャックポット獲得。尚、ジャクポヴァリューはバックグラスの表示でどんどん上昇し続けているタクシーメーターの数値。

 シングルで狙うジャックポットも面白いけど、ちゃんと楽しいマルチボールも有り。乗客フィーチャー過程で点くLOCKライトがあるロックホール+左ランプレーンシュート2マルチスタート。マルチ中2個ともロックすると右ホール30万、左右ランプ10万になるという繁盛タイムに。ただしロックはタイマー式なのでご乗車の方はお急ぎください。

 他にも飽きさせぬ趣向が盛りだくさん。円形ランプレーン内のボール回転でりゅん♪りゅん♪りゅん♪りゅ〜〜ん♪と陽気なサウンドと共に獲得フィーチャーが回るスキルショットとか。ランプレーン連続運行でミリオン獲得とか。
 ウィリアムスのディスプレイが今機種から新バージョンとなり、より鮮烈且つ滑らかな明滅を描出できるようになったにもかかわらず、あえてミステリーの項目やジャックポットヴァリューをディスプレイから独立した機構によりバックボックスで教示してくれているのも、プレイヤーの感興を大いにそそりました。個人的にも死ぬまでに是非もう一度良好の状態で再会したいマシンのひとつです。

 今回使った写真を撮影したのは'95年頃で、場所は三重県四日市市《三交ビッグボウル》。今ではそのボウリング場も閉鎖されたそうですが、当時私の地元で「タクシー」が置いてあったのはそこだけだったので、バカにならぬ電車賃もかえりみず一生懸命通っていました。
 下の階1Fにあるロッテリアでアップルパイをかじりながら、『へへ〜これ食べ終えたらまた上で2時間タクシーやるんだあぁ……にへら〜〜♪』と一人薄笑いを浮かべていたのが、まるで昨日のことのように思い出されます。

▲左端のカタパルトポケット。ドラキュラ担当。カタパルトボールぶん投げ絶叫演出も痛快 ▲フィールド全景。他の車のドライバーには釣り師がいたり、きこりがいたり。アートワークがとってもチャーミング ▲スキルショットを知らない初心者でも愉しく打てるスピンナウト。10万か2万5千+1人乗客が狙い目!
▲黄色いキャビネットのカラーリングがまぶしいね。因みに背景はボウリング場。 ▲左ランプ入り口。通過時になぜか“みぎゃー”とネコの鳴き声がするなと思ったら、盤面の絵でタクシーがネコをひいていた…… ▲右ランプ入り口。写真には映っていないが、[RITCHY]なるナンバーをつけて釣り道具をいっぱい乗せた車も盤面に描かれている

(2010年2月12日)