アピタ岩倉店 友遊縁日/愛知県岩倉市




― DATA ―
アクセス愛知県岩倉市/名鉄岩倉駅徒歩5分/アピタ岩倉店2F
ロケーションのタイプショッピングモール内アーケード
台数4台/ドットディスプレイ台/今後の差し替えは未定
調整毎日実施、毎日対応/係員常駐
設定1プレイ100円/エキストラ標準/スペシャル標準/リプレイやや厳し目、且つブースト有り/プラムティルト設定厳し目/ティルト警告は1回まで/マッチナンバーは全く当たらない/2コイン3Cr.設定無し/ハイスコアアウォード一切無し/音量は普通程度
営業時間午前9時〜午後8時/年中無休
その他付加サービス
その他ルール入場無料/禁煙/配置のスペースは十分あるものの、場所柄ベビーカーの往来が頻繁で、やや注意が必要

稼動ピンボールリスト

ドットマトリクス台
ターミネーター21991年/ウィリアムス良好
クリーチャー・フロム・ザ・ブラック・ラグーン1993年/バリー最良
ワールド・カップ・サッカー1994年/バリー最良
ハリケーン1991/ウィリアムス最良




※2016年7月現在、《友遊縁日》稼働の4台のピンボール設置場所が変更となり、残念ながらプレイ環境及び各台のコンディションは後退しています。遠方の方は重々ご承知の上で来店なさった方が良いでしょう。

■名古屋駅から名鉄電車で12分。愛知県岩倉市、その名鉄[岩倉]駅から降りてから徒歩5分
 2015年12月4日に呱々の声をあげたばかりのショッピングモール“アピタ岩倉店”2Fに立地する《友遊縁日》とは、ユニー株式会社が初めて直営するゲームコーナーの1号店

 なんとそこに、'90年代前半のドットマトリクス台のピンボール4機種が、今のところ絶好のコンディションで設置されています。

 “昔なつかしいピンボールマシーンを4台設置。クレーンゲームは、豊富な景品を沢山用意しました。家族で楽しく遊んで頂けるメダルゲームも人気機種を揃え、皆様のお越しをお待ちしております”

 ……と、同社公式アナウンスでもピンボールが目玉であると堂々と声明。ピンボールこそ設置筐体ラインナップの劈頭を飾る代表選手たる大役を担い、華々しくオープンしたという、驚くべき新規店舗なのです。


 筆者による実際の知見として、先ずプレイして驚いたのが、整備状況が殆ど完璧であること。

 全台フリッパーコイルの打力は十分で、電圧不足や熱ダレもなし。勿論アップダウンのキレやホールディングにも問題なし。
 スイッチ反応、キッカーコイルやモーター類の稼働、電球切れ、指定通りの個数が守られたボールインストール投入数、ピカピカにワックスがけされたフィールドの清掃、第3者とプレイヤー身体の接触防止を図った設置環境……等々。

 何一つ、殆ど問題無しと言っていいくらい。

 更に、据えられている各機種の設定を鑑みたところ、ピンボールのシステム及びアーケードにおける現状を掌握し切っている者でないととても出来ないような、細やかな施しが随所に見られます。

 例えば、リプレイ設定はマニアでも多少苦労する値に上げてある上、リプレイによるリプレイノルマにはブーストが適度にかけられていたり。
 マッチナンバーは表示されるものの一切当たらなくしてある上、ハイスコア・アウォードも総じて省いてあります。
 揺らしに関しても意義を認める反面決して野放しではなく、ティルト判定がしっかり厳格。それでいて通常プレイでの過剰反応や誤作動するような理不尽な振り子調節も有りません。

 それもそのはず。マシンの入荷、入荷機種の選択、メンテナンス管理には、かの吾妻社のコンサルトが入っています。
 各機種プレイしてみて、なんだか設定の風合いが東京日野市豊田《ネバーランド》の台と随分そっくりだな〜と思いましたが、それも当然だった訳ですね。

 お店の方のお話によると、大手ゲーム会社の運営ではなく、ユニー直営のゲームセンターを立ち上げるにあたって、《友遊縁日》という店舗ブランド名もご自分たちで命名なさっています。
 家族連れは勿論シニア世代の客層も取り込むべく、近年見かけなくなってしまったピンボールを金看板として設置、目立つように店頭入口付近にマシンたちを設えたとのこと!何て素晴らしい。

 本当はスターンの新機種を入荷する話もあったようなんですが、円安が極まり続ける昨今の情勢により、見合わせてしまったんだそうです。これは非常に残念。


ココではコレが面白かった!


●「ハリケーン」ウィリアムス'91年製


 ウィリアムスピンボール遊園地トリロジーの第3弾。因みに1作目「コメット」は'84年製で、2作目「サイクロン」は'87年製。
 ジェットコースターをランプレーンに準えたフィールドデザインは共通しており、1作目2作目どちらのピンボールも、ゲーム性の新たな活路を開いた傑作だった。
 今作3作目にあたる「ハリケーン」は放埓なビッグポイントによる大味が災いし、当時評価が分かれてしまったが、改めて今プレイすると十分面白いモデルである。

 何と言ってもフィールドいっぱいにアーチを描き、エプロン間近で大きく弧を描いてUターンするハリケーン・ランプレーン・コースターが爽快。
 是非ともこの“蛇のとぐろ型”ランプレーンに徹底連続ショットを決め、ミリオンショットとP-A-L-A-C-Eレター完成をせしめてから即トップホールに叩き込み、ジャックポットを勝ち取る達成感を体感して頂きたい。バックボックスの回転盤アニメイト演出も豪快だ。

 今回の《友遊縁日》ロケーションにおいては、上級プレイヤーには丁度いい難易度ではあるが、図らずして打ちこなしがなかなか難しい台にチューンナップされている。

 発売当時は右ランプも中央ランプもすいすい連続で通せてミリオン獲得が全く容易だったのだが、恐らくこの度のレストアで勝手が変わり、ボールリターンの球威に毎回大きな振り幅が発生。
 ランプ連続シュートするにあたり、1回1回異なる球威を咄嗟に判断してフリッピングのタイミングを瞬時調整しないと、ランプシュートがまるで決まらないのだ。

 かなり集中力を研ぎ澄まさないとミリオン連取は至難の業で、リプレイ4千万がなんと遠く感じること。ブーストは+800万。因みに工場出荷標準リプレイは800万点である。

 それでもマルチボールでしつこく粘り、右Fで1コホールディングしておいて、逆側左Fで右ランプをえいやっ、えいやっ!と繰り返し放り込んでぐるんぐるんぶん回して連続シュート。
 100万・200万・500万のマルチ時ハリケーンランプのビッグポイントヴァリューをひたすらループさせ、心身フラフラになりながらもグラチャンへ到達することが出来た。
 4台の中で一番の贔屓であるのに、一番スコア稼ぎに苦労させられた一幕だった。

 発売当時は故障が頻発し、耐久性が乏しくロケーションから早々に消えた記憶があるのだが、それだけに2016年の今になって極めて良好の状態で打てる、今日のピンボーラーとしての多幸に、心より感謝したい。



 スウィンギングランチャーによるジャックポットがピンボールのゲーム性に飛躍をもたらした「ターミネーター2('91)」であるが、こちらの台の整備状況は状態良好で、誠に快適御礼。
 強いて言うなら右スリング。ラバーをボールがほんのり撫でただけで“カカッカカカカッ!”としばらく過剰反応することと、5バンクヘリコプターターゲットの一番上が電球切れを起こしているぐらいか。あとは、両フリッパーは勿論、ランチャーもドロップTも極めて快調。
 当日はひたすらマルチで粘って、スーパージャックポット5千万をこれでもかというくらい繰り返し連覇。手応えあっただけにグラチャン獲得は嬉しい。
 T2標準リプレイ点数は三千万点だったが、友遊設定では初回1億点。ブーストは+二千万となっている。

 元々故障の少ない「クリーチャーフロムザブラックラグーン('93)」ではあるが、唯一整備が難しいと言われる半魚人3Dホログラフが、ここでは鮮やかに照射されていたことに思わず感嘆の声が上がる。
 フリッパーも元気で、スロープもワールプールスイッチも問題なく稼働。
 かなり久方ぶりのプレイでやり始めは苦戦したものの、スーパージャックポットとアンリミテッドミリオンズで稼げたのが幸いし、グラチャンに手が届いた。
 標準リプレイ3億5千万点のところ、なんと少し下がって、2億6千万という優しい設定値に。但しブースト+5千万点。

 「ワールドカップサッカー('94)」も整備に全く問題なし。
 サッカーに興味の薄い新米デザイナーがお仕着せ企画に開き直り、'94年版マスコット犬ストライカー君をホストキャラに措定。サッカールールの再現に拘泥せず、ワールドカップをファンタジカルな祝典として捉えた作風が独特である。
 個人的にあまり好きな台ではなかったのだが、こちらもウィザード2周してどうにかグラチャン入賞を果たした。
 標準リプレイ9億のところ、友遊設定12億。また、ブーストは+6億……と、他機種と比べてやや重たい課率に設定。



 


 ところで正月営業だった当日、ショッピングモールもゲームコーナーもよく賑わっていたものの、地元岩倉のピンボールプレイヤーの来訪が全く見られなかったことには、非常に残念な気持ちになりました。

 開店の9時から日没の6時前ぐらいまで筆者は各機種に没我していたのに、自分以外でキャビネット前に立つ者と言えば、コインを入れもせずにシューターガンをガチャガチャいじったりプランジャーを空打ちしたりする、有象無象以下の一般人が虚しく散見されたのが精一杯。
 夕方になってやっと一人現れたかと思えば、ボールセーヴ分が理解できずにプランジャーレーンに3ボール目を残したままぷいと立ち去るという、濁した跡を人に拭わせるような凡百の醜態を残す有様。

 自分以外では、本当に誰ひとりともまともにプレイしに来てくれなかったのですよ。

 当日穿たれていたハイエスト・グラチャンを鑑みても、明らかに他県から遠征してきたピンボーラーが1日だけ触ったスコアが入っている程度で、懸命な地元プレイヤーの気配は微塵も感じられず。
 熱いプレイヤー達の吐息が、今のところ、殆どかかっていません(当日私がかけてきた訳だが……)。

 こちらのピンボールロケーションの行く末には全く心配が無い……と言えばウソになりますが、こちらはまだオープンして間もない時節。
 メンテナンス及び設定は極めて優良なので、少しずつ、一歩一歩、地元客に浸透していってもらうことを心から願うばかり。
 なんといっても、専門店やミュージアムではなく、従来のショッピングモールロケーションで他ジャンルのアーケードゲームと対等に渡り合う形でピンボールが設置されていることに、何より意義深いものがあるのではないでしょうか。

 当日は朝一番に来店してからぶっ通しでプレイを続け、気が付けばさくっと3時間半が経過。
 ここちよく疲れた足腰を癒すべく、お昼休憩にフードコートで頂いた食事は最高に美味しく感じられました。


【所在地】〒482−0024
愛知県岩倉市旭町一丁目25番地
アピタ岩倉店専門店街2F 友遊縁日
【営業時間】午前9時〜午後8時
【tel】0587-66-2777
【関連サイト】アピタ岩倉店
【備考】2015年12月4日オープン/ユニー・アピタ初の同社直営一号店
【PR】





(取材日:2016年1月2日)