ピンボールの基礎知識&用語解説〜パーツ編

◆フリッパー FLIPPER

 通常プレイフィールド下部の左右一対にある、ボールを弾き返すバット状のようなパーツ。ゴム製のラバーが巻いてあります。台側面左右のボタンで上げ下げでき、ボタンの押しっぱなしで上げたままの状態にすることができます。
 また、古い呼び名でピンボールマシンそのもののことを“フリッパーゲーム”と呼ぶこともあります。

◆サイドフリッパー SIDE FLIPPER

 フィールド中部左端、または右端につけられているフリッパー。またの名をサードフリッパー、アッパーフリッパー
 通常の下部左右フリッパーでは狙えない位置のレーンやターゲットを狙います。

◆プランジャー PLUNGER

 各ボールスタート時にプレイヤーがボールをプレイフィールドへ手動で打ち出すパーツのこと。ドアノブのような取っ手を握って引っ張り解き放つことにより、スプリング式によるアナログ感覚で微妙な力加減でボールを打ち出す勢いを調整できます。
 めいっぱい引っ張って打つ人が殆どですが、実は“スキルショット”と言って、弱めに打つと思わぬボーナスポイントの道へ流れる作りをした台も多いのですよ。

◆シューター、オートシューター SHOOTER

 プランジャーとほとんど同じ役割ですが、手動式のプランジャーと区別してボタン式の自動打ち出し装置のことをこう呼びます。

◆リターンレーン RETURN LANE

 スリングショットの外側を象るようになぞる、ボールをそのまま左右フリッパーに導くコースを作ったレーンのこと。実は重要なフィーチャーが絡んでいることも多く、ランプレーンに通したボールがここに降りてくることも多いです。別名フリッパーレーン

◆アウトホール OUT HOLE

 両フリッパーのさらに下の奥にあるホール。ここにボールを落としてしまうと1ボール終了。因みに両フリッパーの間のことをセンターと呼び、そこからボールを落とすことをセンタードレインと言います。

◆アウトレーン OUT LANE

 プレイフィールド下部左右両端にある、ボールをアウトホールへと陥れる死のレーンのこと。プレイヤーにとって最大の天敵。

◆キックバック KICK BACK

 左アウトレーンにみられる、ボールの蹴り戻し装置。別名レーザーキック。通常アウトとなるボールをスパーンとキッカーコイルが蹴り戻して救い出だしてくれるというありがたい装置です。1度使って有効ライトが消えてしまったら規定の再点灯フィーチャーですぐに点け直したいところですが、キックバック再点灯のフィーチャーは難しくて意地悪なモノが多いですね。

◆スリングショット SLINGSHOT

 フィールド下部左右一対に構えられた、ボールを横方向に弾き飛ばしてしまう三角形のキッカー。ボールをアウトレーンに叩き込んでしまうこともあれば、運良くターゲットに当ててくれることもあってプレイヤーにとって一喜一憂。
 たまに“スリリングショット”と間違えて呼ばれることがたまにあります。slingとthrillingとでは意味も綴りも異なるのですが、日本語表記だとニュアンス的にぴたっとくるので、日本名として定着させちゃうのもオモシロイかも知れません。

◆ランプレーン RAMP LANE

 入口が急坂になっており、高速道路の如く立体的にプレイフィールドの空中を交差しているレーンのこと。透明プラスチック製のもの、金属製のもの、ワイヤー式のものの3種に分けられます。
 透明プラスチック製のものはキラキラした見た目の輝きが大変美しく、プレイフィールドデザインの見栄えを上げますが、金属製のもの比べてカーブの摩擦がキツく上がりにくいという欠点もあり。
 このランプレーンという呼び名で困るのは、“ランプの点くレーン”と従業員が勘違いするというしがない事態。やむを得ずわざわざ“坂道のレーン”と呼び代えて店員に説明するハメになることも。

◆スロープ SLOPE

 上下して開閉する仕組みになっているランプレーンの入り口のこと。開いたスロープの奥にはホールやレーン、ターゲットなどが待ち構えています。また、開閉稼動のない普通のランプレーンの入口傾斜部分のことも同名で呼ばれることがあります。

◆ライト LIGHT

 点灯、消灯、点滅などにより、ゲームの状況や展開を知らせる、電球の明滅で指し示すシグナルのこと。盛んにフラッシュしていたのなら、そこに何か重要なフィーチャーがかかっている知らせなのです。
 このライトのことを“ランプ”と呼ぶこともできますが、前述のとおり日本語表記だと“ランプレーン”と紛らわしいので、ライトと呼んだ方が良いでしょう。
 尚、矢印で指し示しているライトのことを区別して“アローライト”、フィールド内部でなくボールの通らぬレーン外の植え込みのような位置で演出として激しくフラッシュするだけの円筒形ライトを区別して“ストロボ”と呼んでいます。

◆スピナー SPINNER

 思い切り狙い打ちしてボールを突き通すと、びららららら〜〜〜っと回転する薄っぺらな四角い板状のパーツのこと。ちゃんと1回点ごとにスコアがカウントされており、思いっきり狙い打ちして猛回転させた時の手応えはクセになります。

◆スポットターゲット SPOT TARGET

 円形、または四角形のごく普通のターゲットのこと。よくランプレーン入口両脇に立つ小さくて細長い長方形のターゲットのことをスマートに“スタンダップ”と呼ぶこともあり。

◆ドロップターゲット DROP TARGET

 ボールを当てるとフィールド下側にぱしっと引っ込む四角いターゲットのこと。破損や作動不良が多いのがたまにきず。

◆キャプティヴボール CAPTIVE BALL

 狭いレーン内でボールが外側へはみ出るような造りで閉じ込められており、通常のボールでおはじきのようにぶつけて弾き飛ばし、奥に構えられたセンサーやターゲットを反応させるボールのことです。別名メッセンジャーボール、おはじきボール、ボールターゲット。  ただ、無知な従業員がこじあけてでも中のボールを取り出したがり、抜かれてそのまま放置されるトラブルが頻発するのは非常に困りもの。

◆ホール HOLE

 ボールが一旦入り込む穴ぽこのこと。蹴りだし装置つきのものはキックアウトホール。また、ボールをくるんと巻き込むような造りのものを区別してスクープと呼んでいます。

◆ポケット POCKET

 プレイフィールドの下り坂の方へボールが一時的に行き止まりになっているレーンのこと。マルチボールへのロックポイントになっているのが常套。ストッパーが引っ込んでボールがリリースされたり、キッカーが作動して放たれたりのアクションで再びボールが放たれます。

◆トップレーン TOP LANE

 主にプレイフィールドの上部にずらっと平行して並んだレーンのこと。これらレーンの全てのライトを点けるとボーナス倍率のアップ、というのが定番ルール。すぐ下にはバンパーが待ち構えているのも定石。また、トップレーンに点けたライトをフリッパーボタン操作により隣のレーンに移すことを“レーンチェンジ”と言います。

◆ワンウェイゲート ONE WAY GATE

 シューターレーンの出口やトップレーンに通じるレーンの出口に付いている一方通行ゲートのこと。これが壊れていたり紛失していたりすると、シューターなどにいちいちボールが戻ってしまったり、打ち出したボールがトップレーンを通り過ごしたりします。

◆ループレーン LOOP LANE

 思い切りシュートを決めるとその奥をぐるり一周し、そのままの球速でUターンして返って来るレーンのこと。別名ホースシューレーン、オービットレーン。即座に打ち返したボールがまたループレーンに決まり、またさらに3連続、4連続とショットを決めるのは、非常に気持ちがいいです。

◆ディヴァーター DIVERTER

 ランプレーンの上によく見かける装置で、双方に分かれているレーンのどちらかにボールを振り分ける為に作動する薄っぺらのパーツです。

◆バンパー BUMPER

 大抵はフィールドの上部・中部端にあり、ボールが触れると勢い盛んにドカドカ弾き飛ばす円筒形の装置。尚、弾き飛ばす機能の無いちっちゃなキノコ型バンパーのことを区別して“マッシュルームバンパー”(写真右)と呼んでいます。

◆アップポスト UP POST

 普段は引っ込んでいるものの、要所要所で突如左右フリッパーの間でにょっきり顔を出してボールのセンタードレインを防いでくれる円筒形のパーツ。ボールセイヴァーの一種。但し油断して思慮なくフリッパーを上げ下げしてると、フリッパーの下側とアップストの間にボールを挟み込んでしまい、結局落としてしまうハメになりますよ。また、ポスト自体突然引っ込むこともあるのでご注意。

◆スピニングディスク SPINNING DISK

 CDのように高速回転し、それに触れた球をあらぬ方向へ弾き飛ばし、ボールの行方をトリッキーにしてしまう回転盤のこと。似て非なるウィーリングディスクとは別モノです。

◆フリーウィーリングディスク FREE WHEELING DISK

 回転盤の上に突起物があり、それをターゲットとして打ち抜くとその勢いを動力として回転盤がぐりんぐりん作動、その半回転ごとにセンサー反応してカウントにつながる、という仕掛けのターゲット。スピニングディスクと違って自動では回りませんし、ちゃんと特典のあるフィーチャーとしての役割があります。

◆バイレベル BUY LEVEL

 多段構造のプレイフィールドのこと。例えば、フィールドが上段と下段の2階建ての造りになっていたり、盤面の地下にこさえられたミニフィールドが小窓で覗けるようになっているもののことをバイレベルフィールドと呼んでいます。

◆ランチャー LAUNCHER

 まるで大砲の様にボールが筒型のポケットに込められ、左右のスウィンギング稼動で方向とタイミングを見計らい、ボタン操作などで球をプレイフィールドの空中へと発射する仕掛けのこと。単なるキックアウトポケット、キックアウトホールと違い、特大ボーナスのかかったターゲットやレーンをプレイヤー側の操作で狙い打ちする緊張感があります。

◆ヴァリターゲット VALI TARGET

 やや横長且つ円形の金属板にボールを当てると、その時のボールの勢いの分だけ後ろにのけぞるターゲットのこと。

◆バックグラス BACKGLASS

 マシン正面にはめ込まれている、絵が描かれている長方形状のパネルのこと。これが取り付けられている箱全体のことを“バックボックス”と言い、まれに演出的仕掛けが施されてあることがあります。
 尚、主にパネルがガラス製だったことからバックグラスという呼び名が定着したのですが、近年ではほとんどフィルム状のパネルにとって代えられており、これを区別してトランスライトとも呼ばれています。

◆プレイフィールド PLAYFIELD

 ボールが走り回る盤面全体のこと。

◆レグ LEG

 ピンボールの筐体を支える、四つ足の金属柱のこと。付け根の固定に余裕があり、ナッジングなどの揺らし技にも十分耐えうる構造。
 尚、レグレベラーと呼ばれるボルトを回すと、台の前後左右の傾きを調節できます。台がグラグラしていたり、左か右に極端に傾いていた場合はこのレグレヴェラーを回して調節すればOK。  もし従業員がタコな店の場合(明らかに見た目で偏ってんのにこれが標準ですだの、今人いないから分かりませんだの、さっと下にもぐりこんで調節すれば30秒で直せるのに全く動こうとせずウダウダ〜〜ウダウダ〜〜とごねる奴とか)は、さっさと自分で直しちゃいましょう。

◆スタートボタン START BUTTON

 コイン投入後はこのスタートボタンを押すことにより、ゲームがスタートします。
 取るに足らないようで、これがバカにできず初心者にとってかなり難易度の高いシロモノとなっているようです。まず、“金入れたのにゲームが始まらない!”と怒り出す人は、大抵このスタートボタンを押すことを分かっていません。
 また、2クレジット以上入れて2人以上での複数人数同時プレイを行うの場合、一番最初にスタートボタンを、2人なら2回、3人なら3回、4人なら4回押す、というルールも、ヘタすると従業員すら知りません。
 さらに、このスタートボタンを“ボールをシューターレーンに出すボタン”だと勘違いしている人もいて、単なるボーナスカウントでボールがストップしてるだけなのにいぶかしげにスタートボタンをがさつに押し続け、前述のように知らぬまにクレジットを消費して複数人数プレイモードになってしまっていることも多し!

◆ディスプレイ DISPLAY

 得点表示のみならず、ゲーム展開の状況や狙い目、ボーナスポイントの瞬間的説明やドットアニメーションなどを表現します。現在の主流はドットマトリクスディスプレイですが、'80年代はデジタルディスプレイでした。'60年代〜'70年代はリールドラムによる得点表示で、それ以前はライテッド式(10万、20万…とバックグラスに書かれた数字のライト表示)による得点表示でした。
 余談ですがパチスロやメダル筐体では今やあたりまえの液晶カラーディスプレイは、未だピンボールで標準キャビネット化されていません。カラーモニターなら以前WMS(ウィリアムス/バリー)がフィールドに立体映写する形で究極的に取り入れたのですが、ピンボールらしいゲーム性が後退した上、制作費・制作期間が膨れ上がり、同社ピンボール部門閉鎖の一因となってしまいました。

◆センターポスト CENTER POST

 ど真ん中にボールが来た時、センターにピンが立っていた為にボールがバウンドし、助かることがあります。このピンはセンターポスト、またはセンターピンと呼んでいます。

◆ロールオーヴァーボタン ROLLOVER BUTTON

 ボールが通過すると感応する円筒形のボタン。通常のセンサー、スイッチより視覚的な愛嬌が有ります。微妙にボールの方向を変えてしまうのは痛し痒しでしょうか。
2004/7/28