鶴舞公園のネコファミリー

■鶴舞公園における最大の魅力は、花でもグラウンドでも無料施設でもなく、実は自由奔放且つたくましく日々生き続けているネコたちである。ロータリーのファミリー、野球場のトラ、普選記念壇のクロネコ一族、ゲートボール場の黒白ネコ、それぞれ自分達の縄張りを守りながら、それぞれ特定のゴハン係の人間を味方につけて、今日もひがな一日、人間としての居場所を失って公園に入り浸る人々の膝の上。




鶴舞公園ネコにゃんばー【7】
コードネーム:ひげ丸
所属:普選記念壇
性別:オス
模様タイプ:黒白
人にゃつっコ度:★★★★
抱っコ度:★★★
ひげ丸、バラ園に肥料散布中。 ◆ネコにゃんばー7つめにしてようやく普選記念壇のファミリーが初登場。普選壇といえばクロネコ・ブラザースではあるが、そのコたちをしきるボスネコがこのひげ丸。普選壇で唯一の黒白ネコで、実は一番ひとなつっこい。いちばんガタイもでかいので、ブサイクネコ・巨漢ネコマニアの方は好きなだけ撫でまわしてカマい尽くしてもらいたい。
   それにしてもトップにはスゴい顔写真が出ているが、本当の顔立ちはもう少し愛嬌がある。あまりいい写真が撮れてないうちに、ここ数週間ほど全くみかけなくなってしまった。また旅にでたのかい?早く帰ってこいよ。
(2002/12/3)



鶴舞公園ネコにゃんばー【6】
コードネーム:やえ丸
所属:野球場
性別:オス
模様タイプ:白毛/キジ
人にゃつっコ度:★★★
抱っコ度:★★★
◆以前リポートした片牙のトラキチとなかよしのネコで、野球場に棲み付く浮浪者に飼われているオス。その浮浪者の簡易小屋の前にはちゃんとネコ専用の食器も砂トイレも用意されており、生活レベルは一緒に住むネコとなんら変わらないという状態がワイルド。
 さらに今のところ、このやえ丸には弟分のキジトラのちびがいて、甲斐甲斐しく面倒をみたり、遊び相手をしてやったりしている。血縁は感じられないし、第一このねこオスだし、なぜやえ丸がちびを可愛がっているのかは不明。母猫というものは赤の他人のネコの面倒を絶対にみようとしないが、雄ネコ・父ネコでは時折こういうケースがあるから面白い。無事にチビも育つといいね。
 それとひとつ事件が。野球場といえば片牙のトラキチが名物ネコなのだが、彼のおうちが最近突然撤去されてしまった。心ない土木事務所職員の仕業なのか、他の浮浪者が自分の小屋の道具にしたのか、真相は定かではない。だが今朝、トラキチは私の差し出したミルクを元気に飲みほしてくれた。
(2002/12/3)



鶴舞公園ネコにゃんばー【5】
コードネーム:ハギジャー
所属:萩之茶屋
性別:オス
模様タイプ:白毛長猫
人にゃつっコ度:★★★
抱っコ度:★★
◆こいつも鶴舞公園の名物ネコの1匹。それなりにひとなつっこそうなそぶりを見せるものの、逆鱗に触れるとガブッとくるので、念のため“危険ネコ”に指定しておく。第一、このいかめしい悪玉顔は、ほとんど映画「キャッツ&ドッグス」に登場するミスター・ティンクルズである。
 ネコ好きが過ぎると、ブサイクネコや巨漢ネコへの情愛がマニアックにつのってしまうことがある。『あのフテブテシサが最高!』『あのずっしりとしたデカさ大きさがタマラン!』等々。そんな人にとってこのハギジャーはなかなか魅力的かも知れない。この外見のふてぶてしさのとおり、鶴舞公園を威圧的な目つきと迫力で闊歩、後ろ片足が不自由なのにもかかわらず公園のあちこちでハバを利かせている、公園南側を仕切るボス級のオスネコ。縄張りも広く、東は菖蒲池から西は公会堂側駐車場まで。しかし普選記念檀のクロネコ一族たちとは激突を避けているようだ。また、園内で飲食店を経営する萩之茶屋で実のところ外猫として可愛がられている、いわば飼い猫だったりする一面も。
 近隣である萩之茶屋南ロータリーのHIMEちゃんは、どうもこのハギジャのことが大嫌いらしい。一方、故・ハコはよくこのハギジャそっくりの白毛長の子猫を産んでいた。また、菖蒲池南にある山乃茶屋には白猫兄弟が数匹棲んでいるが、いうまでもなくそのコたちの父猫もこいつである。



鶴舞公園ネコにゃんばー【4】
アゴにミルクついてます
コードネーム:HIME
所属:萩之茶屋南ロータリー
性別:メス
模様タイプ:白黒ブチ
人にゃつっコ度:★★★★
抱っコ度:★★★★★
◆何を隠そう、今をときめくネコSPOTとなった萩之茶屋南ロータリーのテリトリーを築いたのは、このHIMEとハコ(故猫・雌)の2匹である。まだロータリーにネコがいなかった5年程前、まず人間不信のハコがすみ着いたのだが、そこへひとなつっこいこのHIMEが加わった。彼女の人間に対する外交のうまさ、愛嬌のよさでたちまちファンが急増、ハコの分やその子猫の分も余るほどのエサに毎日ありつけるようになった。その影響でハコも晩年ではすっかりひとなつこくなり、ごく最近、人間に心をすっかり許しながら天に召されていった。体の弱かったハコの娘クロコも既に他界しており、現在ロータリーのレギュラーメンバーは、すべてこのHIMEの息子や娘たちなのだ。
 さてこのネコなかなか賢いコで、ひとなつっこいといっても誰しもかれしも甘えに行く訳ではない。ネコ嫌いの人間が近づいてきても、相手にするどころかすぐ逃げ失せるほど俊敏である。しかし相手がネコ好きと分かると、先ず駆け寄って人間の膝に前足をかける。怒らないと分かるとピョンと膝に乗る。さらに撫でたりなんかしてやると調子に乗って肩や頭や背中にまで乗る。さすがに人間も困って『あーイタタタ、爪たてないで!もう降りなさい!』と怒っても時既に遅し。一度乗ったらもう降りようとしないのだ。仕方なく無理やりはがそうとすると『やーん』と爪を立ててしがみつくので、ベリベリベリッとひっぺがすように降ろすハメになるのだった。
 かつてうら若き頃はスタイルも顔もとても艶やかで美しかったが、度重なる出産と寄る年端のせいか、少し美貌に衰えが感じられる。しかし彼女のことだから、あと3・4シーズンぐらいは毎回産みそうである。



鶴舞公園ネコにゃんばー【3】
コードネーム:片牙のトラキチ
所属:野球場
性別:オス
模様タイプ:赤トラ
人にゃつっコ度:★★★★★
抱っコ度:★★★
◆このコ、今では滅んでしまった菖蒲池ファミリーの末裔。4年くらい前、菖蒲池にはイレギュラーも含めて常時10匹前後のネコファミリーが暮らしていたが、悪い疥癬や病気がはやって急激に数が減少。恐らくそこでゴハンの面倒見てあげてた人が作ったであろう、石で出来た猫の墓標が日に日に増えていく光景は、見ていていたたまれないものがあった。その菖蒲池ファミリーの末期までそこで暮らしていたネコがこの“片牙のトラキチ”なのである。やがてこのコの姿も消えたので、とうとう死んじゃったのか…と思っていたところ、野球場近辺で元気に暮らしている姿が発見された。なんとトラキチはそこで浮浪者の人たちに毛布と屋根つきの寝床を作ってもらっていたのである。
トラキチのおうち。カリカリもあるぞ。  さてこのコの性格であるが、人と目が合おうものなら、人を信じきった熱い視線を人間に向けて速攻で駆け寄る人間好き。膝に乗ったりはしないものの、人の周りをぐるぐる回るように何周も擦り寄ったあと、撫で回してもらうのを期待するかのようにコロンと腹を見せて首を傾ける人懐こさ。あんまり可愛がりすぎると、人間が帰ろうとしてもタッタカ駆け足でついてきちゃうのでご用心。
 あとこのコには仲良しの相棒が1匹いる。性別不明の上にシャッターチャンスにも恵まれていないので、撮れ次第ご報告申し上げたい。

 


鶴舞公園ネコにゃんばー【2】
コードネーム:ケン坊
所属:萩之茶屋南ロータリー
性別:オス
模様タイプ:白黒ブチ
人にゃつっコ度:★★★
抱っコ度:★★
◆2002年10月現在、萩之茶屋南ロータリーに定住する年長のオス。しかし決してボスネコなどではなく、母ネコであるHIMEを越える外観の愛らしさとぽっちゃり体型により、むしろ人間たちのアイドル的存在になっている。筆者もこいつがお気に入りである。
 性格は、ロータリーの他のネコの中では一番臆病で用心深い。触ったり撫でたりできないことはないのだが、なるべく脅かさないように静かに優しく近づかねばならない。まれに膝に乗ることはあるが、抱っコは苦手。最近、お気に入りだった近くの公園事務所近辺の縄張りを、別のコワい雄の黒白ネコに取られてしまったらしい。



鶴舞公園ネコにゃんばー【1】
コードネーム:ゾロ
所属:萩之茶屋南ロータリー
性別:オス
模様タイプ:キジトラ
人にゃつっコ度:★★★★★
抱っコ度:★★★★★
◆このコも人懐っこいのに程がある、というほど人間を怖がらない。人を信じてる母猫と、ネコ好きの人間たちに毎日甘やかされて育ったため、ちょっと立ち止まって声をかけるだけでニャーンと駆けよるし膝に乗るし。どこで覚えたのか人の自転車によじのぼってカゴにちょこんと入り込んだりする。勿論抱っこもまったくいとわないため、いつか虐待に遭ったりしないかとっても心配な困ったちゃんである。
 母猫は白黒ネコのHIME。2002年春生まれの4にゃん兄弟だったが、無事育ったのはこのコだけである。尚、抱っこしてひっくり返したころ、でっかいノミが4・5匹ゾロゾロ〜っとおなかに走っていたので、コードネームは“ゾロ”となった。