〜6月だけは見違えるよう〜

菖蒲池

▲季節が違うとその場所の印象もまるで異なる菖蒲池。しかし夏でもあおさだけはある。▲橋渡しされた池の中心には休憩場所も有り。しかし屋根にはなぜかハンガーが2本下がっており、腰掛付近にも得体の知れぬ荷物が……

 竜ヶ池の西にある、普段は水流が遮られて地味に見える池。季節外だとそれほどの特筆はないものの、雨季の6月になると雨雲を突く様に立つ菖蒲が群れなして開くので、花を嫌悪する私ですら雨の日にぼんやり眺めてしまいそう。

 初めて菖蒲池ができたのは1923年。沼沢地だった場所に竜ヶ池の水を引いて菖蒲の咲く池に改造。1935年には開花時期に合わせて豆電球のぼんぼりやら水銀灯やらで灯りをわんさか照らした【菖蒲祭り】が行われる。今でも毎年6月に“しょうぶ・あじさいまつり”がイベントとして執り行われるが、これがルーツなのだ。
 しかし戦時中になると菖蒲池はたちまちおいも畑となり、しばらくその地は荒廃。だが1947年頃から復元工事が始まり、中の島、八つ橋もできて、今では90種2万株の数を誇る菖蒲の花見どころに。

 いやそんなつまらん歴史のごたくより、書くべきものは菖蒲会連中にまつわる裏話だろう。毎年6月、菖蒲開花時期になると、池の西側にプレハブが立ち、菖蒲会の老人会連中が切花やハンカチを即売する店舗を出店する。しかしこいつらの仕事が無責任でいい加減。義務であるはずの売れ数の記録はつけない、閉店後のお金は合わない、注意すると『ほんなもんいちいちつけとれせんわな』と図々しく反省のそぶりなし(お前らブン殴られんと分からんか?)、品切れのハンカチを客にねだられると額に入った見本のハンカチひっぺがして売っていい気になっとるわで、こいつらに是非一度自分の人間性の低さと常識の欠如性の自問を薦めたい。来年こそ菖蒲の館の完全抹消を推進する。デフレ極まる昨今に小サイズ500円、大サイズ800円のハンカチなんか売ってどうだのいうのだ。