愛知県常滑市・名鉄中部国際空港駅

アリスダイニング(中部国際空港セントレア)

▲窓側席の眺めは勿論、窓辺以外の中央席にも高い段差を設けて全面ラウンジ席とした造り。その眺望は空港と飛行機と海と山と空と雲。景色までバイキング的に見放題ね ▲ブッフェボードはこちら。ビロードのテーブルクロスなどのセッティングが優雅だけど、なんかデカ盛プリンのただならぬ存在感が……
▲お味スコア9点10点の極上品も多いのに、材料費をケチった凡作も散見。大皿フルーツショートの果物はイチゴ以外全部中国製缶詰で残念。結局お味の平均スコア下がっちゃった ▲フルーツタルトは上々の出来。他、ミスドのオールドファッションみたいにドーナツがフワッと揚がってて美味しいのにビックリした
― DATA ―
企画名SUMMERデザートビュッフェ
メインメニューケーキ
ケーキのサイズ【小】
お値段2,000円
制限時間なし
実施タイム数日間限定実施/2011年8月24日(水)〜27日(土)、午後2時半〜4時半
ドリンク飲み放題!
その他ルール全席禁煙
※各項目のポイントは10点満点で審査。総合★取りは5つが満点。
― JUDGE & COMMENTS ―

(ずばり、おいしいかどうか)
[7] 中部国際空港セントレア来訪るぽ。わーいココ来るの初めてー。空港へは公私共に縁が無く、これまでアシ運ぶ機会なかったのよね。
 広漠にただっぴろいのはえぇけど、歩いてエリアから脱出できる経路が存在しない隔絶された世界ってなんだかSF映画みたいでシュール。もしダイハードや24みたいな空港ジャックが起きたらちょっとスゴイよね。

 んなことはえぇとして、レストランフロアの印象としては、どのお店もお昼時のウェイティングびっしりで、平日なのに驚くほど混んでいることに驚嘆。各ゾーンの往来は人垣をかき分けるような混雑ぶり。
 ラーメン横丁的なブースやセルフのフードコートもあって、各店舗思ったよりはリーズナブル。その充実ぶりはイオンショッピングモールのレストランフロアと遜色のない印象。

 その一方でビュッフェレストランはあまり多くなく、バイキング好きとしてはやや不満が残る。
 食べ放題レギュラー営業はランチバイキング1,300円の《クイーンアリスアクア》と、同じくランチバイキング1,800円の《セントレアホテル/コスモス》ぐらい。
 せめて、サラダ&デザートのハーフバイキングとか、焼き立てブレッドバーとか、ピザお代わり自由制度のイタリアンとかもっとあるはず?とくまなく散策したものの、収穫なし。残念ですた。

 そんで今回セントレア来訪の最たるお目当ては、上記のレストランフロアとはハブられたような位置にある《アリスダイニング》“SUMMERデザートビュッフェ”
 恒例ではあるが年に1回あるかないかの寡少な限定ブッフェイベントで、2,000円で同店シェフが腕を振るった特製デザートが食べ放題となる。コーヒー紅茶(Ice/Hot)、オレンジミックスジュースのオーダー&お代わり自由

 高級フレンチを標榜する以外の同店のもうひとつの売りは、航空機の発着が全面窓張りで眺められる、パノラマのような眺望ラウンジ。この空港レストランならではの解放感は特筆。

 そしてお待ちかねのデザートブッフェは意外や意外、メニュー全体の印象を和菓子が牽引している。しかもティラミス大福、大納言ケーキ、ミルフィーユ大福……等、創作性あふれる和洋折衷の逸品がずらり。しかも決してウケ狙いではなくお味も一級品だったのが嬉しかった。
 絶対にオススメがその[ティラミス大福]。指で突いたらイヤンと凹み、ふわわ〜〜っと形が戻る、独特のふわっふわのプニプニ感は名状し難い。しかもぱくっと頬張った瞬間、中からとろける絶品マスカルポーネクリームチーズのまろやかなこと。更にチョコ大福モチモチ感とのコンビネーションは通常のティラミスでは味わえない感触。あぁなんて美味しいの、ぱっくんちょ♪ぱっくんちょ♪と次々イッてしまうではないか。
 一方スタンダードな[ティラミス]も健在で、しかもティラミス大福の仕上がり以上に強烈な印象を残す。やはりクリームチーズが上等で、濃厚なのにクセなくお口でふわっと消える口どけの良さに恍惚。でも底辺エスプレッソ地帯はもっと苦味欲しいかな。尚ココアパウダーの他にコーンフレークがトッピングされている。
 タルト2品[いちじくタルト],[マンゴータルト]は、甘さ控えめながら生地の焼き上がりが優美でコーヒーまで2倍美味しく感じちゃったヨ!しかもたっぷり乗った果物が、イチジクは季節的に、マンゴーは時勢的に旬でございます。いちじくって日本じゃ愛知が出荷量1位なんだってね知らなかったわー。
 それから[プリン]面白いよ。いわゆるデカ盛り級カスタードプリンがブッフェボード一角に鎮座ましまし。きっと重労働だったんだろうなぁ、バケツみたいなのに流し込んで丸1日かけて固めたんだろうなぁ、数人がかりでひっくりかえして「ぶぼ!」とかいって産まれたんだろうなぁ、と想像力をかきたてられる。尚、味は新鮮玉子&バニラビーンズでしっかり正統派。シンプルに何もつけなくても美味しいけど、カットフルーツや生クリームを添えてセルフのプリンアラモードはいかが?

 ちょっとまった異議あり!ってのが[フルーツショート]。パティシエさんによる確かな腕による玉子色ジェノワーズスポンジも素敵な焼き上がりだし、ほぼ生乳100%且つ甘さ控え目ので口どけよろしい生クリームにもウットリしたいのに、なんだあの半端ない量どっちゃり挟み込まれた中国産缶詰シロップ漬けフルーツは。このぐじゅぐじゅドロ甘シロップ味のなんと不味いこと。よくもケチりましたね?こんなの焼くくらいだったら生クリとスポンジだけのプレーンロールケーキ用意してくれた方がずっといいのに(この店の腕なら尚更)。これ1品だけで私にとってのお店の株が急落。ガッカリ。
 尚、スイカやイチゴやキウイ等々、くり抜き本物フルーツボウルに盛り合わせた新鮮カットフルーツコーナーもちゃんとあったのだが、フルーツポンチの果物は缶詰製であった。

 セントレアという独特のローケーションへ遠方からやってきた消費者に対し、特別企画のスイーツイベントとして二千円という値段に見合ったメニューと演出で、如才なく迎えられているかというと、うーん、ちょっと釈然としない不満が残る。
 プチフール3段スタンドは本格派の装飾なのに、ソレが特にダメな1品だったりとか。
 30種以上の興趣に富んだ品揃えはいいし基本店側の腕は確かでありながら、“こんなの無い方がいいのに”と思えるような意図的なヘンなハズレが混ざっているのが、どうしても気になった。
雰囲気
(入りやすい店か、落ち着いて食せるか)
[10]
リベラル感
(実施時間が不自由でないか、ルールがやかましくないか)
[8]
接客
(説明など不親切でないか、感じは悪くないか)
[8]
立地
(場所は便利かどうか)
[6]
お得感
(質量共に料金以上の満足が得られるかどうか)
[6]
総合【★★−−−】ゴメンちょっと判定厳し目。でも和菓子とティラミスは最上の出来。

当日の収穫!

▲ミルフィーユ大福(もちもちカスタード),ティラミス大福,マンゴープリン(酸っぱくなくてよろしい) ▲品名不詳,わらびもち,いちじくタルト ▲和三盆と大納言ケーキ(小豆の爽やかさが辛抱たまらん),抹茶のロールケーキ,葛餅
▲ぜんざい(白玉は普通だけど小豆がちょっと上品),ドラゴンフルーツ,チョコレートファウンテン(イチゴ) ▲チーズタルト,ショコラドーナツ,マンゴータルト ▲プレーンドーナツ,キウイプチパイ(パイ部分は出来合い),ブラウニー
▲ティラミス,プチパイ(マンゴーとイチゴ) ▲フルーツショート(絶対おいしいと信じて山盛りしてきたらがっくし) ▲アロエゼリー(ゼラチン多めでブリブリ),パッションムース(酸っぱすぎて食べれるレベルじゃない)
▲プリン ▲洋ナシブリュレ(ブリュレは大皿よりココットの方がいいかもね),ガトーショコラ(生クリトッピング有り) ▲カットフルーツ各々(パセリも食べちゃったよ)
……居心地最良、バラエティ感上々、しかし期待を裏切る凡作の混在には興ざめ。

― みちあんない ―

名鉄[中部国際空港]駅降車からアリスダイニングまで徒歩10分。空港内としてのレストランだが、施設のもっとも深いところにあるお店なのでいちげん時はかなり迷う。
 改札口から出て右折、“旅客ターミナルビル”に入館、しばらく直進(エスカレーター有り)。階上2F3Fへ上がるというより巨大フロアに段差があるという感じ。ひたすら直進を続けてレストランフロアも抜けて屋外木製デッキの果てまで渡り、エレベーターまたは階段で階下3Fに降りて、すぐ。雨などで屋外デッキを通りたくない場合は階下のセントレアギャラリー(長い渡り廊下)を通ってもよい。
 尚《クイーンアリスアクア》は同社経営だが空港内の別店舗のことで、紛らわしい。

【所在地】〒479-0881
愛知県常滑市セントレア1−1 中部国際空港旅客ターミナルビル 3F
アリスダイニング
【営業時間】午前11時〜午後10時(水曜定休)
【tel】0569-38-7866
【関連サイト】お店の公式サイト 中部国際空港公式サイト 食べログ
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▲お飲物はドリンクバーじゃないよ。品性のあるウェイターさんウェイトレスさんによる、心のこもったおもてなしでコーヒー紅茶が給仕されるのだ ▲カットフルーツコーナー!メロン・すいか・グレープフルーツ半割りくりぬきボウルの演出がニクイ。チョコレートファウンテンもあるよ
▲出た!デカ盛りプリン。普通の天板やトレーに流すより固めるの大変そう。ただ生クリームとチェリーが乗ってないのが残念? ▲和菓子コーナー。和装的演出として、一品毎に壺が置かれているのがシブイ

(取材日:2011年8月25日)