緑区/左京山駅

あさくま 鳴海店

▲これから心霊スポットの噂の絶えない左京山の廃墟へ突撃取材を敢行……ではなく、あさくま鳴海店のるぽ。信じられないがこれでも現役営業中の店 ▲駐車場には錆びついて歪んだフェンス、のたうつようにヒビの走るアスファルト、生い茂る雑草。こんな店でもお昼時は次々車が入場してくるのには驚いた
▲ドリンクバーも特徴が何もない。コーヒーHot/Ice,紅茶Hot,オレンジJ,ウーロン茶のみ ▲個性も独創も何もない惰性バイキング。お肉のあさくまならではなメニューってないの?例えばメンチカツとかビーフサンドとかチキン南蛮とか

― DATA ―
企画名バイキングランチ
メインメニューサラダ,ライトミール,デザート
ケーキのサイズ【極小】
お値段1,380円〜
制限時間なし
実施タイム毎日午前11時〜午後3時
ドリンク飲み放題!
その他ルール分煙有り
ようつべに動画あるよ!⇒GO!
※各項目のポイントは10点満点で審査。総合★取りは5つが満点。
― JUDGE & COMMENTS ―

(ずばり、おいしいかどうか)
[3] ●筆者が幼少の頃は憧れのステーキレストランだった《あさくま》
 両親には結局一度も連れてってもらえなかったのだが、当時ゴージャスな中部地方TVコマーシャル放映も盛んで、どこへ行ってもたくさんあった店舗前を通り過ぎる度に羨望のまなざしを向けていた記憶がある。

 それも今は昔。大人になってから訪れてみると、優雅だったはずのアメリカンステーキログハウスは業績悪化がたたって碌に改装もされず、油と埃に汚れたあばら家のような廃屋同然の店舗になれ果てており、時代遅れのレストランスタイルのまま老残し続けていたその姿に、ただ呆然としてしまった。
 内装はというと、チェアもテーブルも古びていて、しかも統一されず時代がバラバラ。真っ黒に染まった木造の柱も壁も古色蒼然。擦れて黒ずんだ絨毯の模様はもう分からないくらい疲弊。壁の隙間や奥には、廃墟サイトでしか見ないような古そうな型のプラグやケーブルが真っ黒になって山積。
 しかも照明が暗いのに窓の採光は多いため、光のコントラストが極端になって余計廃墟ちっくな寂れた雰囲気を強調。
 これ、もはや天然として楽しむべきなのだろうか。

 ステーキのお味はというと、オーダーしてじっくり頂いた1,580円の[肩ロース150gSBランチ]はまずまずのお味で楽しんだものの、他店ファミレスで食べれるビーフステーキの味と値段を天秤にかけると、決して競り勝つほどじゃない。

 あさくまは105店舗を誇った'90年代半ばの最盛期から年々業績は悪化、現在では30店舗まで減少。2006年には買収の話まで持ち上がったそうで、実際に店舗に訪れてみるとそれも納得、致し方ない話。

 バイキングについても惨憺たる有様だった。

 ランチタイムには千円を切るリーズナブルなハンバーグセットもあるが、こちらはブッフェなし。
 一方1,380円〜のサラダバーつきランチ部門をオーダーすると、ライトミールやデザートまで楽しめるブッフェボードがフリーとなる。
 種類は約40種にのぼり、あたまかずだけはとても多い(無駄に多い)ものの、どれも取ってつけたようなモノばかりで散々な味。まるで出来合い品ばかりで取り繕った三流ホテルの朝食バイキングのよう。よくある1,050円ぐらいのやつ。

 ワースト1は[ミートスパゲティ]。とにかく不味い!業務用底辺缶詰ぶち開けてウォーマーに溜めたソースは昭和の公立小学校の給食のよう。水分のないパサパサのパスタ麺も救いようがない。
 ワースト2は[冷やしうどん]。冷凍うどん麺って結構しこしこしてておいしいのだけど、ここはスーパーの安売り袋品のような麺。つゆとトッピングも魅力無し。

 他もほとんど感動のない野菜のライトミールばかりなのだが、最も違和感を感じたのは、ブッフェボードにご飯がないこと!
 マリネやキムチのような塩辛い惣菜ばっかりなのに、どうして肝心のライスが盛り放題できないの?しかもブッフェでカレーがウォーマーにかかってるのに、ご飯がないのおかしいでしょ!
 ブッフェにご飯がないことにすぐに気づいて従業員さんに尋ねたら、ステーキランチとセットのライスは大盛りにできる…とのこと。いや、そうじゃなくて、カレーのあるバイキングでご飯ないのヘンでしょ。

 一方デザート部門なのだけど、残念ながら収穫は少ない。ゼリー3種、ケーキ3種、カットフルーツ3種、ソフトクリームマシン1機……というまずまずの編成だったが、ゼリーは味が薄い上に弾力が弱い。
 仕入れケーキも最も安価な業務用シートもの。パウンドケーキホイップクリームトッピングが添えられているが、スプーンで掬ってお皿に落とそうと“てい!てい!うらっ!!この!この!”と振るものの、硬質カチカチねちねちで落とせやしない。なにこれ。口に運ばなくとも味は高が知れる。

 かように、メインディッシュのステーキはともかく、散々なブッフェのていたらくに憮然としてしまった私。
 ならば客入りはまばらな閑古鳥かと思いきゃ、繁盛とまでは言えないが、ピーク時は席の埋まりは6割ぐらいか。年齢層高めの男女半々でそれなりに客は入っている。周辺に競合店がないこともあるだろうが、それでもなぜ賑わっているかは理解できなかった。

 尚、店頭には脈絡なく、渦中の次長課長河本氏のサインとDVDが飾ってある。思わず苦笑い。
雰囲気
(入りやすい店か、落ち着いて食せるか)
[4]
リベラル感
(実施時間が不自由でないか、ルールがやかましくないか)
[7]
接客
(説明など不親切でないか、感じは悪くないか)
[7]
立地
(場所は便利かどうか)
[5]
お得感
(質量共に料金以上の満足が得られるかどうか)
[3]
総合【★−−−−】安易な仕入品ばかりのブッフェに心底閉口。あさくまの印象が変わった。

当日の収穫!

 
▲グレープフルーツのムース,チョコレートのケーキ,ショコラパウンドケーキwithホイップクリーム(ケーキは全滅) ▲杏仁豆腐withホイップクリーム(杏仁豆腐というか杏仁ゼリーといった感じ) ▲コーヒーゼリー+ソフトクリーム(珈琲の味と香りしやしねぇ)
▲オレンジゼリー+ソフクリ(ソフトクリーム自体はまぁまぁ) ▲肩ロースステーキ150gSBランチ・ライス大盛り(ご飯は確かに粒々ぴかぴかに立って美味しかったが) ▲ソフトクリーム+イチゴソース,柑橘カットフルーツ3種
▲サラダ各種(リーフミックスやオニオン,マカロニ,ひじき,コーン,キャロットなど) ▲冷やしうどん,サラダ各種(オクラや豆類,マリネ,ごぼうサラダなど) ▲サラダ各種(海藻類,キムチ,サラスパ,ポテトサラダ,タマゴサラダなど)
▲あさくまのコーンスープ,やきそば(具がない),ナスの素揚げ,かぼちゃの素揚げ ▲玉子スープ(スープ類はどれも悪くなかった) ▲ミートスパゲティ
▲豚汁 ▲グラスにオレンジゼリーを敷き詰め、ソフトを絞って苺ソースを落としてパフェ風に ▲今度は杏仁とソフトとチョコソース
……よそさまを真似たような安易な仕入れ品ばかり。闇雲に種類を増やすのではなく、あさくまブランドならでは!というお肉類に絞ってブッフェを充実させるべき。
▲最後はチョコケーキにホイップ乗せてアイスコーヒーでも入れて

― みちあんない ―

■最寄は名鉄[左京山駅]だが、急行でも止まる[鳴海駅]から歩いたところ、10分程度で到着。

【所在地】〒(不明)
愛知県名古屋市緑区鳴海町手越17−1
あさくま 鳴海店
【営業時間】午前11時半〜午後10時
【tel】052-622-2521
【関連サイト】公式サイト 食べログ
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▲あさくま店内。店内には色彩がなく、モノクロ映画の中にいるような気分 ▲右のヤキソバ、あさくまならお肉入れて欲しいのに、具はちみちみのキャベツだけ。でも寸胴スープ類は結構おいしかった。
▲デザートコーナー。ハーフバイキングとして種類は少なくないが、品々は全く面白みがないものばかり ▲やっぱり廃墟のような店頭入口。左上2階のトタン小屋は近隣廃工場ではなく、この店の倉庫

(取材日:2012年7月11日)