岐阜県岐阜市/岐阜バス長良川国際会議場前

フローラ(岐阜都ホテル)

▲岐阜都ホテルフローラのアフタヌーンビュッフェ。今回のテーマはハロウィンパーティー。旬なメニューは勿論、ジャックオランタンが随所に飾られていて雰囲気演出も重視 ▲パティスリーのチェックで馬脚が見えるホテルも多いが、こちら岐阜都ホテルではブッフェメニューと合致。厨房メイドの証左となっている
▲1Fロビーではかような記念写真撮影スポットが登場。家族連れが入れ代わり立ち代わりで、なかなかの人気 ▲2品ともパティスリーのレギュラーケーキ。補充も速やかで、なくなりかけてもさっとホールが追加されるのだ
▲これも美味しかった、苺のショート。均等〜〜〜にイチゴが乗ってるので争奪も起きない ▲あっしまった、バームクーヘン食べておくの忘れてた。今気づいた

― DATA ―
企画名アフタヌーンビュッフェ
メインメニューケーキ
ケーキのサイズ【中】
お値段2,500円
制限時間なし
実施タイムシーズン毎1日限定開催/主に土日祝の午後1時〜午後3時
ドリンク飲み放題!
その他ルール全席禁煙
※ようつべに動画あるよ!⇒GO!
※各項目のポイントは10点満点で審査。総合★取りは5つが満点。
― JUDGE & COMMENTS ―

(ずばり、おいしいかどうか)
[8] 岐阜都ホテルでは《フィレンツェ》なるバイキングレストランがあり、ランチもディナーも三千円台で解放されているが、気軽に入りにくいお値段のせいか、評価はパッとしないようである。

 一方、同ホテル内《フローラ》では、シーズンごとにコンセプト性のある“アフタヌーンビュッフェ”を1日限定実施で定期開催中。
 今回来訪した10月開催のテーマは“ハロウィンパーティー”。ホテルオリジナルアントルメや軽食は勿論、ピアノ生演奏や従業員さんがたの仮装おもてなし付きで、料金2,500円ナリ。

 7年前に来訪した節の1,700円と比べて満足閾値のハードルは相当上がるが、その期待は決して裏切られていない。
 ただバイキングファンにとってあまりにファミリー向けイベント要素が強すぎたようだ。

 場所は長良川のほとり、金華山麓のリゾートホテル。台風接近を懸念しながらもどうにか天気が回復したので、JR岐阜駅から徒歩で到達。
 前回(2006年1月)ホテルまで歩いた際は徒歩1時間以上かかったが、今回はグーグルマップで俯瞰して最短近道を把握。風にあおられながらも45分程で到着することが出来た。
 因みにバス停[長良川国際会議場前]で降りれば徒歩数分。駅ターミナルから片道200円で乗車可能。

 ご無沙汰7年越しに同ホテルへ入館。
 笑顔で迎えるドアボーイ、広々とした正門、立派なロビー、沈むようなソファー、鵜飼を髣髴する水鳥銅像の噴水…等々、相変わらずの広大さにより寛ぎ感と緊張感が背反。
 加えて今季ではハロウィンテーマの記念撮影フォトスポットが設けられ、巨大ジャックオランタンのセットまで登場。季節的雰囲気作りも上々。

 当日の《フローラ》は家族連れを中心になかなかの賑わい。仮装するとクッキーが貰えることもあり、とんがり帽子やマント、装着けもみみなど、簡単なコスチュームを施した来館者も多々。但し進撃の巨人とかボーカロイドとか、そんな濃厚なコスチュームプレイヤーは流石に見かけなかった。
 一方従業員さんも魔女風、マスカレード風、ヴァンパイア風コスチュームをまとって雰囲気づくり。家族連れスナップ撮影にも気軽に応じるフレンドリーなおもてなし。
 しかしその分通路が過剰に混雑してしまい、筆者が通りにくそうにしていると“あっ申し訳ございません”とヴァンパイアに謝られてしまう一幕も。吸血鬼は紳士なのです。

 さてデザートブッフェのお品書きはというと、ホテルオリジナルアントルメあり、ホールケーキあり、プチフールあり、実演あり、サラダバーあり、カレーあり、創作スープあり……と、実に済々たる品々。
 常設パティスリーのショーケースのスイーツと合致する品も多く、ブッフェ版としてプチバージョンや丸々ホール台が提供されていることが分かる。ケーキ好きには嬉しい光景だ。
 ただ、オレンジJ,グレープFJ,ウーロン茶、あとコーヒーHot/Iceに紅茶Tパック3種程度……というドリンクバーがあまりに地味過ぎて、会場のスケール感の中で埋没していた。

 頂けるケーキの品々には軽率な解凍丸投げ品など無く、どれを盛ってきても落胆することはない。

 特に食べ応えがあったのはホールタルトの[モンブラン]。旬の栗の素材が凛々しく活きたマロンクリームに少しだけ潤う洋酒が麗しい。緊密でしっとりしたパウンドライクな生地、ささえるクッキー土台なども完璧。中層に潜む刻み甘露煮マロンが食感アクセント。
 表面が真っ白なんで最初パンナコッタかと思ったら、それは波打つたっぷり生クリームだったという[カスタードプリン]。滑らかな本体を掬った底でしぶき上げるようなカラメルソースもオリジナルでンマい。
 輝くような苺が同じカット・同じサイズでスクエアキューブごとに几帳面に並べられた[苺ショート]は、パティシエの腕前の高さが十二分にうかがえる逸品。さっき溶いた?さっき焼けたの??っていうくらい生クリもジェノワーズスポンジも新鮮ふわふわ。味も濃い!サンドされる苺も軽くソテーしてあってとろけるよう。
 [パンプキントルテ]はパステルよろしく表面にプリンが乗ったボリューミーなひとしな。苺と生クリのフレッシュさはイチゴショートと同工の細密ぶり。ホールに飾りとして1枚だけ乗ってた黒猫型チョコクッキーがたまたまひっついてきたのだが、せっかくなんで何気にかぶりついたら抜群に美味しかった。脇役まで如才がないのだ。
 筆者好物の[チェリージュビレ]だが、熱々のチェリーブランデー&ダークチェリーが、その場で良質のバニラアイスにかけられるだけあって文句無しに美味しい。ただ実演の割に華やかさが無い上に段どりが手慣れておらず、会場内の演出としては効果が少なかった感じ。

 さて箸休めとして軽食に向かうと、エビフライトンカツビーフコロッケに出迎えられ、思わず辛口ビーフカレートッピングとしてライスと一緒に盛り盛りにしてしまった。不覚にもキャパ超えを起こし、次に食べたかったサンドウィッチや2巡目を断念。
 因みにビーフカレーはホテルレストランカレーとしては水準のお味だが、具の牛肉ブツ切りがデカい。子供用甘口ポットも用意されていた。


 しかし、味や品揃えのスケールは良いものの、随分騒々しくて寛ぎにくかったデザートブッフェだった。
 案内された席が運悪く一番奥で、ブッフェを盛りにゆくためには、テーブルをつなげた大家族の脇を何団体も越えねばならない。これがまた仮装やら記念撮影やらでかまびすしいのだ。
 バイキングファンの立場で申すと、ピアノ演奏や仮装従業員といった余計な趣向は省き、コストパフォーマンスの方に心を砕いて欲しかったのが正直なところ。
 でもココはファミリー層中心のリゾートホテルでもあるので、イベント的ブッフェの特化も確かにアリだろう。それなりに楽しかったし。

 何なら、金土日3日間実施にして金曜日はコスパに徹して1,800円、土日は家族向け演出に重点を置いて2,500円……という割り振りにしたらいかがだろうか。
雰囲気
(入りやすい店か、落ち着いて食せるか)
[8]
リベラル感
(実施時間が不自由でないか、ルールがやかましくないか)
[7]
接客
(説明など不親切でないか、感じは悪くないか)
[7]
立地
(場所は便利かどうか)
[4]
お得感
(質量共に料金以上の満足が得られるかどうか)
[6]
総合【★★★−−】イベント性重視もいいが、大人が落ち着いてブッフェを召せる日程の配慮を。

当日の収穫!

▲ペアムース,アップルスチュリューデル(アングレーズソースをかけて頂く),モンブラン ▲パンプキンプリン,チェリージュビレ ▲パンプキンチーズケーキ(濃いというよりくどい),カスタードプリン,マロンロール(グラッセ栗おいしい)
▲マロンカシスムース(カシスとチョコのマッチング強力),アップルゼリー,アップルタルト(ナッツ類と林檎がみじん切り) ▲パンプキンプチタルト,紫芋のムース(ワラビ餅入りの美味しいムース),シュークリーム ▲タピオカココナツスープ,チョコレートスープ(ヒルトン名古屋のチョコスープに負けていない)
▲スイートポテト,苺ショート,パンプキントルテ(ショップ売りが頬張れる幸せな3品) ▲カットフルーツ(パイナップル+メロン)チョコレートムース(ベリートッピングが鮮やか) ▲旬の野菜のサラダバー(各種),しいたけのクリームスープ(美味しいたけ〜〜)
……煩くて気を置くブッフェだが、仮装来館者も思ったより多く、家族向けイベントとしては正鵠だったかも知れない。
▲ビーフカレー+トンカツ+エビフライ+牛肉コロッケ(トンカツ乗っけ放題とは恐れ入る)

― みちあんない ―

■岐阜バス停[国際会議場前]から徒歩2分。天候が良ければJRなどの岐阜駅からで徒歩45分ほどで制覇可能。

【所在地】〒502−0817
岐阜県岐阜市長良福光2695−2
岐阜都ホテル1F FLORA
【営業時間】午前10時〜午後7時
【tel】058-201-0281
【関連サイト】ホテル公式サイト 食べログ
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▲ドリンクバーは本当にふつう。一般的朝食バイキングより地味。その代り別コーナーの創作スープの出来が出色だった ▲手前のかぼちゃチーズケーキ、かぼちゃが濃厚過ぎてお味のバランスが崩れていて惜しかった。いいチーズ使ってるのに
▲ライトミール部門は、カレートッピング前提のフライ類が際立っていた。搾りレモンが嬉しい ▲こちら実演のチェリージュビレ。美味しかったけど、新人さんなのかパティシエールさんがたの表情が緊張していたのが印象に残った
▲窓から庭園が覗くラウンジの景観。“ねぇどこー?どっからホテルに入んの〜?”と石の上をギザギザ歩いて景観の邪魔をしたのは、どこのどいつかというとこの私である ▲サラダバー。それ程独創性はないがドレッシングが安っぽくなく、また高騰中のキュウリと塩漬けオリーブ実の存在が有り難かった

(取材日:2013年10月14日)