西区/栄生,枇杷島スポーツセンター

シャンティーヒラノ

▲バイキング客は対面ショーケース前でオーダー。でも種類がハンパなく多いしサイズも大きいので迷ったらキリがない。繁盛する忙しい店だから決断は早めにね〜 ▲40年続いてる老舗ケーキカフェの喫茶室。抑えめの照明なので昼間は日差しとの陰影が浮かび上がる

― DATA ―
企画名特別スイーツオーダーブッフェ
メインメニューケーキ
ケーキのサイズ【大】
お値段1,500円
制限時間1時間
実施タイム2013年3月26日〜4月26日の平日のみ/午前10時〜午後4時
※再実施の見込みなし
ドリンク1杯のみ
その他ルール全席禁煙
※ようつべに動画あるよ!⇒GO!
※各項目のポイントは10点満点で審査。総合★取りは5つが満点。
― JUDGE & COMMENTS ―

(ずばり、おいしいかどうか)
[9] ●地域での評価も信頼性も高い老舗のケーキカフェが東海ウォーカーと提携、同誌購入者限定でケーキバイキングを特別開催したという、企画モノの1件。
 半額ビュッフェや限定実施など、同誌の早い者勝ち予約クーポンは反響は高いようで、今回の記事が掲載された“爆安グルメ祭り”特集号を発売日に買いに行ったところ、いつもの3倍もの部数が各書店で積み上げられていた。
 くだんのお店が佇むのは、西区の浅間町せんげんちょう栄生さこうのあたり。
 名古屋駅からは栄や金山と同じくらいの距離で道路もとてもキレイに整備されているのに、シャッター街っぽくなってるのが惜しまれる地域。ショッピングモールが無く、ケーキ店やカフェも少ない。

 そんな中で《シャンティーヒラノ》はひときわ瀟洒で可愛らしく映えるお店。ドリンク代でパンやサラダが付くモーニングや、パスタやサンドイッチランチも好評の喫茶室も奥に設えている。
 テーブルやチェア、フローリングや間接照明など、ブラウンとベージュを基調とした従来的で定番な喫茶店の雰囲気。来客は主婦層・バーさん・リーマン層。学生さんも来てる。

 “特別スイーツオーダーブッフェ”のシステムを記すと、実施期間は2013年3月26日〜4月26日の間の平日のみ。午前10時〜午後4時、予約制で1,500円。1時間、ワンドリンク付き
 さらに、前述のように同イベント記事を掲載した東海ウォーカーの切り取りクーポンが必要。
 出版社のバラマキ政策と言えばそうなのだが、シャンティーヒラノのケーキが食べ放題なんて好機が設けられたこと自体、同誌をまじめに称賛してもいいだろう。

 バイキング客はお皿1枚装備。対面ショーケース前にてケーキをオーダー、その場で乗っけてもらう。
 ざっと数えて35種類ほど供されていたが、数えていなかった焼き菓子や包装プリンなども食べ放題対象なので、実際は50種をくだらないのではないか。ラインナップについては全く不満はない。お味も質実的且つ高品質。

 お店側としては“子どもの頃にほお張ったような、懐かしいケーキが食べたいときに…”という指針を標榜なさってるけど、いやいや、お味も彩りも、懐かしいどころか都心部ホテルやデパ地下に引けを取らず都会的で、充分スタイリッシュな品々ばかり。でも変にトンガってないから安心して注文できる感じ。
 しかもどれを食べようか頭を抱えて迷うほど品揃えが豊麗。ムース系,タルト系,ショコラ系,ロール系,チーズ系。どこ攻めてもやたら何種類もたくさんあるんだもの。みんなショーケース前でかなり迷うんじゃないかしら。

 これでもかと新鮮果物が乗っかった[フルーツ畑]は、ナイフ必須なタルト生地焼き立てざくざく感が素晴らしい。カスタードは控えめで、ブドウやらリンゴやらベリー類やら、フルーツの果汁がお口で元気に弾けるよう。ほふほふ頬張る食感も至高の超逸品タルト。
 [ビスキュイロール]はさっくさく食感の外周メレンゲがほんのり甘くてたまらない。ロールケーキとしてのボリュームも万感で、生クリームとスポンジの細やかな繊細さとは対照的な、デカ粒バナナと苺のふてぶてしさのコントラストが非常に面白い。
 チーズ系もっと食べればよかったねココ美味しいもの。[カッテージ]はその名のとおりカッテージチーズ系フロマージュタルト。他店でのこのテのチーズケーキは舌に残る酸味のクセを楽しむんだけど、そのクセがとてもまろやか且つ軽妙に昇華されていて、たちまち舌の上でふわふわとトロけてゆく。これは、ちょっと、すごい。
 [ティラミス]もそんな感じで、重たいはずのマスカルポーネクリームチーズの軽やかさの何と愛苦しいこと。底側の汁スポンジはエスプレッソではなく苺果汁を使う変化球もあったりなんかするが、やはり苦めのコーヒー味で引き締めて欲しかったところ。

 ハズレということではないが、このお店としては普通だったのが[シュークリーム]。シュー皮もカスタードも目立った個性が何も無いので、こういうところこそ抹茶系やらショコラ系やらクッキー生地やらの変化球で攻めてもいいような。
 [杏仁豆腐]も何か勿体無いような品。苺,キウイ,クランベリー,キューブカットのマンゴーゼリー、さらに生クリームをくるりと回して盛りだくさん。でも肝心の杏仁のお味は水準程度でカサも浅く、完全に脇役へと埋没。せっかく原価とお手間がかかってるのに。

 一方で、供されているケーキ全てが麗しく新鮮で出来立てであることは特筆。
 ショップ売りのケーキバイキングって昨日の品を承知で頂くことも少なくないのだけど、ココでは例えバイキングだろうと、本当に厨房でできたばかりの瑞々しい品々が提供される。
 特に筆者来店中、品切れ状態から補充されたタイミングに恵まれた[苺ショート]は、一口ごとにホッとする様なお味に心身が癒された。甘さ控えめだけど本当にふわふわなんだもの。

 ただ、お店における清掃が細部まで行き届いておらず、“予約席〜RESERVE”のプレートが永らく汚れたままきちゃなかったり、お手洗いの掃除があまりできていなかったり。気になると言えば気になるところであった。但し接客は気さくで爽やか。

 今回のケーキバイキングは飽くまでウォーカー誌提携による特別開催で、過去の他店事例だと期間が終わったら恒例化されることなく、それっきりのお店もある。
 今後シャンティーヒラノ毎年のイベントとして再実施して下さることを祈って、期待を込めて、星取りは高スコアを付けさせて頂きたい。
雰囲気
(入りやすい店か、落ち着いて食せるか)
[8]
リベラル感
(実施時間が不自由でないか、ルールがやかましくないか)
[6]
接客
(説明など不親切でないか、感じは悪くないか)
[8]
立地
(場所は便利かどうか)
[6]
お得感
(質量共に料金以上の満足が得られるかどうか)
[8]
総合【★★★★−】1個1個の充実感、カフェの優雅さ、おだやかな時間。

当日の収穫!

▲チーズ(直球シンプルなのにしっとり濃密で非凡な焼き上がり) ▲苺ミルクモンブラン(ほんのり苺果汁の生クリームが新鮮で上質) ▲ティラミス
▲フルーツ畑 ▲カッテージ ▲ビスキュイロール
▲シュークリーム ▲苺ショート ▲杏仁豆腐
……雰囲気もいいし、味もいいし、いいお値段だし。でもアイスコーヒーが薄かった……。

― みちあんない ―

■名古屋市バス停[枇杷島スポーツセンター]の目の前。地下鉄[浅間町]駅C番出口からは西へ直進徒歩15分。名鉄[栄生]駅からも遠くは無い。

【所在地】〒451-0064
愛知県名古屋市西区名西1−23−3
シャンティーヒラノ
【営業時間】午前9時〜午後8時半(土日祝は夜8時で閉店)
【tel】0120-78-1012
【関連サイト】公式サイト 食べログ
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▲見つめてるだけで味を思い出してヨダレが出るわい ▲バス停は近いし駐車場もあるし、公共交通機関も自家用車もOK。時代的な奇を衒おうとしない、本当に穏やかなケーキカフェだった

(取材日:2013年4月12日)