愛知県春日井市/JR勝川駅

ホテルプラザ勝川

▲ケーキバイキングには滅多にマカロンが無い……というのはデマ。ご覧のとおりここでもホテル特製マカロンがショコラ味・レモン味・薔薇味と個性豊かに3種類登場 ▲JR勝川駅の北口から殆ど直結。当日雨あしが強かったっだけにこの立地の利便性はとても助かった
▲宴会場貸切型ケーキバイキング。このテのイベントの客層は結構当たり外れがあることは否めないが、比較的子供達も静かで、大量食べ残し客も控え目であった ▲手前のかぼちゃプリンはイエローパンプキンよろしくふかしたかぼちゃを土台としたバニラ粒入りプリン。美味しいけどプリン領域が少なくてかぼちゃ領土が大きい
▲ドリンクバーは紅茶と烏龍茶とオレンジJの3種のみ。その代り別ブロックの珈琲ブースの凝りようが半端ではない ▲こちらサラダバー。作り置くとすぐ変色してしまうはずのアボカドが青々と輝いていて誠にフレッシュ。新鮮な具材を提供直前にカットしたのだ
▲こちらクリスマスケーキコーナー。ホテルカタログにも載るケーキをそのまま頂くことが出来て至福のひととき ▲ジャックオランタンは作り物だが、右上角に映るフルーツカービングは本物のスイカである

― DATA ―
企画名スイーツブッフェ
メインメニューケーキ
ケーキのサイズ【極小】〜【中】
お値段3,500円(税サ込)
制限時間なし
実施タイム季節ごとの宴会場1日貸切限定実施/2017年10月15日午後1時〜3時/次回2018年2月に予定
ドリンク飲み放題!
その他ルール完全予約制/申し込みは2週間以上前・支払は十日以上前に振込又はフロントで済ます/全席禁煙
※ようつべに動画あるよ!⇒GO!
※各項目のポイントは10点満点で審査。総合★取りは5つが満点。
― JUDGE & COMMENTS ―

(ずばり、おいしいかどうか)
[8] ●現在《ホテルプラザ勝川》では年に数次のペースでスイーツブッフェイベントが催されているが、申し込みローカルルールが独特で複雑。

 先ず日程の3ヶ月程前から公式サイトなどで告知があるのでрネどでブッフェ予約希望の旨を告げ、ご自分の住所/氏名/電話番号をホテル側に開示。

 後日申し込み要項が郵送で送られてくるので、その通知にしたがってブッフェ料金を銀行口座へ送金。直接フロントへの支払でも良い。
 入金受付締切はブッフェ開催日の十日ほど前。

 当日は2F宴会場入口受付にて予約名・振込名義を申し出て照会を頂き、ここでようやく晴れて入場……とあいなる仕組み。
 予約無しでの飛び込みや当日席は一切受け付けられていない

 お値段3,500円。名古屋市内の代表的ホテルケーキバイキングの水準価格をひと回りほど上回る、なかなか強気の価格設定。

 否応にもそのお味に期待がかかるが、さすが海外大会銀賞受賞パティシエが指揮を執るだけあって、その期待は裏切られていない。


― 食べ放題商品 Line Up ―

【アントルメ/ホールケーキ】
 見目麗しいホールケーキ達が今か今かと盛られるのを待ち侘びる。
 スフレチーズ、洋梨タルト、グラサージュショコラ、レアチーズ、キャラメルタルトの5種類ほど。

【アントルメ/スクエアシート】
 キューブカットのスクエアシートはホテル自家製であり、(一瞬見紛うが)決してローエンドな業務用冷凍品ではないのでお間違いなきよう。
 いちじくショート、フランボワムース、フォレノワール、ホワイトチョコムース、カシスショコラの5種ほど。

【アントルメ/トユ型】
 ゆずムース、紅茶と生姜のムース、の2種。

【ヴェリーヌ】
 カスタードプリン、白い珈琲プリン、グラスモンブラン、コーヒーゼリー、ライチゼリーの5種。
 ゼリーもいいがプリン類の出来が傑出。

【焼き菓子/プチフール】
 プチシュー、マロンパイ、パンプキンプリン、パイシート包み巨峰タルト、味違い3種マカロン。
 他、一足お先にクリスマスシュトーレンも。

【実演限定デセール】
 ショコラテリーヌのコーヒーアイスクリーム添えが実演メニューとしてあったらしいが、筆者未食。
 会場が広く、限定品の提供が始まっても反対側の席の者は全く分からない体たらくであった。

【カットフルーツ】
 1人前雫型小鉢にオレンジ・グレープフルーツ・キウイ・巨峰が入った果物の盛り合わせ有り。
 ただ筆者は〆に頂こうかと終わり間際に取りに行ったら品切れたまま補充されておらず、こちらも食べ損ねてしまった。

【サラダバー】
 リーフミックス、プチトマト、カットアボカド、コーン、雑穀、クリスピーベーコン、クルトン。
 活き活きしたプチトマが上等だった他、変色が早くて取扱いが難しいアボカドの用意に気概を感じる。

【ライトミール】
 明太子パスタ、カントリーウェッジポテト、チキンナゲット、オニオンスープ。
 スープは美味しかったが、他はごく普通のラインナップというところ。

【ドリンクバー】
 オレンジJ、烏龍茶、紅茶Hotの3種のみ。
 数は少ないがその分スペースを確保し、氷入り且つ注ぎ済みのグラスドリンクが常駐係員によって陳列。手間無くすぐ手に取れるような処置がなされていた。

【珈琲ブース】
 Hotはエルパライーソ、ザ・ファーストアロマ、イルガチェフ、カフェインレスコーヒーの4種。
 Iceはエルパライーソの水出しアイスコーヒー。
 大掛かりな珈琲スタンドを設え、係員数人が常駐。上質で淹れ立ての逸品をサーヴしてくれる。
 ブース上にはコールドブリュワーなる大掛かりな水出し装置までスタンバイ。珈琲に関してはかなり気合が入っている。

【おみやげ】
 松屋コーヒーの挽き豆の粉・7袋入りを全員にプレゼント。

― 今回はコレが美味しかった! ―

 [いちじくのショートケーキ]は一足お先にこしらえたクリスマスケーキとのこと。
 但し苺が季節外れの為、まだ旬のイチジクを中層フィリングにも天面トッピングにもふんだんに使用。しかもイチジクの質はとても上等で、弾けるようなジューシーさに思わず目が覚める。
 ジェノワーズは濃い卵色。且つふわっと口内で溶ける生クリームも溶き立て。パティシエさんがクリスマスケーキの前哨と豪語するのも納得。

 ブルーチーズを使った濃厚なレアチーズケーキ[パンドーラ]も食べ応え有り。
 中に潜むリキュールレーズンにも酩酊するが、底でさくさく香ばしく鳴るクランチに小味が効いててセンスオブワンダー。
 この不思議な味と食感は一体何かとお伺いしたところ、ピンクペッパーで焼き上げたクッキーとのこと。

 緊密なキャラメルチョコレートで仕立てたタルト[キャラメリアサレ]の濃厚さにはしばし驚愕。
 一口ごとにキャラメルの海へ溺れゆくような感覚は唯一無二。
 カリッとキャラメリゼの層が潜ませているのもとても妙味。

 顔が映るような天面グラサージュの麗しさに息を呑む[キャレマンショコラ]は、プラリネにガナッシュにアーモンドチョコスポンジに……と各層どれもチョコレート尽くしという頑強さ。一口毎に目が回りそうだ。

 丁寧にコンポートした梨が表面でナパージュを被る[ポワールタルト]がこれがまたジューシー。
 底でさくさく鳴る薄めのパイ生地も絶品。

 こちらのホテルは果物がとかく上等なのだが、[巨峰タルト]も大きな巨峰粒を使った贅沢な逸品。
 タルトとしても独創が光り、パイシートをココット類に敷いてざっくり焼き上げてタルト生地にするという小技が効いた秀作。
 かぶりついた際にパリッと破れる生地とあふれ出る果汁は、皆の舌に鮮烈な印象を残すはず。

 一見シンプルな[プリン]も作り手の技術の高さが伺える至宝ぶりで、カスタードの味は濃いのに、形を保っているのが嘘みたいに柔らかでとろとろ。濾す手間も温度管理も壮絶だったのでは。まさにプリンで起す奇跡。



 価格からしてもっと荘重なコース仕立てや荘厳なスイーツショウを期待していたこちらとしては、地方によくある普通の宴会場貸切型の鄙びたファミリーバイキングイベントに収まっていたことに肩透かしを感じた。

 申し訳ないが名古屋市内には、より豪壮に仕立てたスイーツブッフェが毎日二千円台で各所にて催されており、恐らく勝川プラザホテル側の想定以上に消費者は皆目も舌も肥えている。

 更に、メインデセールであるはずの実演テリーヌが参加人数分用意されていないという致命的なホテル側の落ち度があり、食べれてない人もまだいるのにあっけなく払底して店じまいしたのも非常に後味が悪い。正直言って再訪の足は運ばない。
 そんな中途半端な実演なら無い方がよっぽどましで、その分高すぎる料金を抑えてほしい。

 ただし前述のように供されるスイーツは賛辞を惜しめぬ至高の品々がたくさん出揃っている為、スイーツマニアの舌だけで言えば充足感は有る。
 世界料理オリンピック銀賞受賞パティシエさんによる匠の技は、誠に質実であった。

 お値段の高額さや、不親切で煩雑な事務を消費者に課す申し込み方法からして、どうしても評価を厳格にせざるを得ないのをどうかご容赦願いたい。

雰囲気
(入りやすい店か、落ち着いて食せるか)
[4]
リベラル感
(実施時間が不自由でないか、ルールがやかましくないか)
[2]
接客
(説明など不親切でないか、感じは悪くないか)
[4]
立地
(場所は便利かどうか)
[9]
お得感
(質量共に料金以上の満足が得られるかどうか)
[4]
総合【★★−−−】提案として早割2,500、前売り2,800、当日席三千円では如何だろう。

当日の収穫!

▲白い珈琲プリン,プチシュー(フィリングは苺カスタード) ▲コーヒーゼリー,モンブラン(和栗はともかく団子入りというのが変化球) ▲ライチゼリー,マロンパイ
▲フランボワーズムース,フォレノワール(サワーチェリーとチョコの相性を堪能) ▲烏龍茶入りカシスショコラ(本当にウーロンの香りがふわっと迎えに来る),チーズケーキ(重たい!) ▲ポワールタルト,パンプキンプリン(プリンは美味しいけど土台カボチャの完食がしんどいです)
▲イチジクのショートケーキ,巨峰タルト ▲シュトーレン,パンドーラ ▲キャラメリアサレ,ゆずブラン(柚子グラサージュ×プラリネという塩梅)
▲プリン,生姜と紅茶のムース ▲サラダ各種,オニオンスープ(意外な美味さにお代わりしてしまった) ▲明太子パスタ
▲サラダ+チキンナゲット ▲キャレマンショコラ,巨峰タルト

― みちあんない ―

JR[勝川]駅北口からほとんど直結。

【所在地】〒486-0931
愛知県春日井市松新町1−5
ホテルプラザ勝川
【営業時間】午前9時〜午後10時
【tel】0568-36-2410
【関連サイト】ホテル公式 食べログ
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▲手前はヴェリーヌ仕立てのモンブラン。マロンペーストやマロングラッセはともかく、団子の潜伏が意表を突く ▲特設コーナーとして珈琲ブースがお誂え。まるで大きな柱時計の振り子のようなコールドブリュワー装置も登場
▲カップ&ソーサーが組体操を築いているHot珈琲スペース。ホットだけでも豆の種類は3種選べる贅沢なご趣向 ▲このイチジクショートと梨のタルトはオススメの逸品。他のケーキも無理に苺を使わず、旬の果物で季節感を重視している
▲広い会場内の一角で何をやってるのか分からなかった特設コーナー。実演を期待して何度も見に行ったが何もやっておらず、畢竟のところ何かにありつけることは一切なかった ▲バイキングのケーキとほぼ同工のものが顔をのぞかせる1Fパティスリーのショーケース。平均1カット500円。

(取材日:2017年10月15日)