愛知県北名古屋市/徳重名古屋芸大駅

樹の花

▲何と有り難いことに、ショップ売りケーキの食べ放題。しかも毎週木曜レギュラーで、適度に抑えたお値段1,500円!いまどきなかなか巡り会えない僥倖、ありがたや、ありがたや。 ▲徳重駅から7分くらい、西春駅からでも10分くらいの距離。なんか北名古屋市っていいケーキ屋さんいっぱいありそうな気がするんであちこち散策したい気分
▲小ぶりで狭いながら、明るくて清潔感のあるイートインコーナー。ただ当日騒がしかった…… ▲同店自慢の[コッツ石山シュー]割ってみた。桃の館石上げシューとの軍配やいかに

― DATA ―
企画名ケーキバイキング
メインメニューケーキ
ケーキのサイズ【小】〜【大】
お値段1,500円
制限時間1時間
実施タイム毎週木曜/午後12時〜4時
※永らく休止状態
ドリンク飲み放題!
その他ルール全席禁煙/1度のオーダーは3個まで/食べ残し買い取りペナルティ有り
※各項目のポイントは10点満点で審査。総合★取りは5つが満点。
― JUDGE & COMMENTS ―

(ずばり、おいしいかどうか)
[7] ●《桃花亭》《パティシエトカノ》のケーキバイキングの印象が鮮烈な北名古屋市で、またまた個性のある洋菓子店がケーキ食べ放題実施の狼煙を上げた。
 かの桃の館からは駅を挟んで反対側。清楚で小ぶりなカフェも設えた店構え愛らしい《樹の花》。トカノやモンパパ、シュークルペペを髣髴させる、地域との密着性が感じられる卑近な洋菓子店だ。すぐ前が保育園、というのもおあつらえ向きだろう。

 バイキング実施フォーマットは毎週木曜日お昼12時〜午後5時、ワンドリンクつき1,500円、1時間制限
 期間限定や浮動的な実施ではなく、レギュラーで必ず毎週木曜!という盤石さが頼もしい。

 バイキングに挑む前に、多少のローカルルールに御耳拝借。
 来店したら席に着く前にバイキングオーダーの旨を従業員さんに伝え、そこでワンドリンクと最初のケーキを注文(1度に3個まで)。品は席まで持ってきてくれる。
 対象商品はショーケース内のポーションケーキ。プリンやシュークリームも含む。当たり前だがホール1台やひと竿丸ごとロールケーキなどは除く。
 因みに注文品はショーケース前で受け取るのではなく、必ず一旦席に戻ってからのテーブルサーヴ。これは座高の高いグラスヴェリーヌや陶器入りアントルメがお皿から滑り落ち、客人が床に落としてしまう惨事を防ぐため。誰もが不二家ルールで毎回受け取ろうとしてしまいそうになるのでお間違えの無きよう。
 尚、容器はお持ち帰り不可。というか持ち帰ろうとした人がいるのには驚かされる。

 優に三十種は超える品揃えは十二分に豊富。各ケーキの彩りやデザインは他店と比べて変わり映え無いが、ナパージュつやつやな丸ごと桃1個が鎮座するケーキや、零れ落ちるほど豊麗なベリーで押し潰されそうになってるタルトなど、果物の采配には迫力有り。

 一番美味しかったのは[レアチーズ]。半球型レアチ本体としっとり土台スポンジが上下構成。フォークを入れれば、クリームチーズの濃厚さを引き締める中層ピューレ状フランボワが顔を出す。更に生フランボワとブルーベリーのトッピングが酸味を刺激させるが、十分に甘い生クリームが優しく全てを抱擁してくれる。くぐらせたナパージュ食感もイイ。
 [杏仁豆腐]は鼻につんと抜けるほど力強いキョウニンの香りが何とも頼もしい。盛り盛りでこぼれそうなトッピングフルーツの中では、さくらんぼが吃驚する程美味しかった。
 シュークリーム[コッツ山シュー]は、おおらかで優美なカスタードに食べでを感じる一品。さっくりシュー皮も美味しく頂けたが、いかんせん近場の《桃の館》焼き立て詰め立て名物シューが凄すぎて、どうしても比べてしまう。

   [フレジェ]は苺のショートケーキ。ほんのり玉子色で仄かに旨いジェノワーズシポンジ。口どけ優しい生クリーム。そこまではイイのだけど、酸っぱすぎる大粒苺が大胆すぎて馴染んでくれない。中層に隠れる半切り苺も固過ぎてフォークが入らず、お味に違和感が発生。コンポートなどのひと手間が欲しい気がした。
 同様に[ベリーベリーのタルト]も、欲張り過ぎたベリー果実オールスターキャストが裏目に出たひとしな。生クリームとカスタードの援護が間に合わず、ひと噛みひと噛みが酸っぱくて酸っぱくて。土台のしんなりパイ生地にも疑問が残る。
 [桃のタルト]は、なだれ落ちる程乗っかった旬の桃が美味しかったが、底のパイ生地や土台のパウンド、バニラカスタードと生クリーム各層が全部桃の瑞々しさに気圧されていた。ここは桃ムース層とかで整合した方が良かったのでは。
 他、[和栗のモンブラン][こだわりプリン]など、期待を下回る品も少なくなかったが、旬の果物の豊潤さには品ごとに刮目。真夏の炎天下の中来店した者にとって殊更心身が潤った。プラスチックではなく冷涼なグラス容器に拘ったゼリー類も清冽であった。

 既に地元では樹の花木曜ケーキバイキングが浸透しているらしく、あらお隣も、後ろの組も、みなさん食べ放題中。
 客層はおばさん一団、ママ友、カポー中心。密接したイートイン席で姦しく騒がれると、少しツラいかも知れない。

 食べ慣れているマニアにとってはやや物足りない点もあるが、ショップ売りケーキバイキングが1,500円!という抑えた値段による毎週レギュラー実施は、食べ放題ファンにとって誠に殊勝な一軒。総合星評価はちょっとオマケ。
雰囲気
(入りやすい店か、落ち着いて食せるか)
[7]
リベラル感
(実施時間が不自由でないか、ルールがやかましくないか)
[8]
接客
(説明など不親切でないか、感じは悪くないか)
[8]
立地
(場所は便利かどうか)
[6]
お得感
(質量共に料金以上の満足が得られるかどうか)
[8]
総合【★★★★−】毎週木曜のお楽しみ、というお手軽さを高く評価。

当日の収穫!

▲レアチーズ,グレープフルーツゼリー(ゼリー本体は甘くて頂きやすい) ▲コッツ山シュー,桃のタルト ▲杏仁豆腐,半熟チーズ(緊密感はあるが何か物足りない)
▲フルーツゼリー,和栗のモンブラン(う〜〜ん、裏ごしマロンペーストがもっと上等ならなぁ…) ▲樹の花こだわりプリン(本体もカラメルも甘さがキツ過ぎた),ベリーベリーのタルト ▲フレジェ
……生の果物の素材感を強調し過ぎた面もあるが、果汁の瑞々しい新鮮さは一品ごとに目が覚めるよう。

― みちあんない ―

■名鉄[徳重名古屋芸大]駅から徒歩7分。先ず駅東出口から出てすぐ右折。直進して[坂巻]交差点でまた右折。そこから関戸歯科、団地、小学校をやり過ごしつつしばらく直進。比較的大通りの[師勝西小南]交差点で左折、右手側。

【所在地】〒481-0004
愛知県北名古屋市鹿田花の木5−3
樹の花
【営業時間】午前10時〜午後8時(火曜定休)
【tel】0568-25-6123
【関連サイト】食べログ
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▲苺、フランボワ、ブルーベリー、ブラックッベリー、カラント……ベリーオールスターキャスト大集合!しかし弾けまくる強烈酸味果汁はとても手ごわかった ▲果物ぎっしりのタルトも迫力だが、グラスゼリーや陶器のうつわに拘りを感じるラインナップだった

(取材日:2013年7月18日)