愛知県犬山市/名鉄楽田駅

お菓子の城 キューピッドのお花畑

▲こちらがパフェバー体験ゾーン“キューピッドのお花畑”。正門入ってすぐ左脇に位置。別途800円。写真のお土産品ベイクドチーズも食べ放題 ▲6品のアントルメが頂けるバイキングの冷蔵ショーケース。思ったよりは悪くはないので、そんなに身構えず取りあえずは頂こう
▲太陽のカフェよろしくのキューブカットゼリーコーナー。果物ポンチもあるが、予想通りシロップ缶詰品。色とりどりの果物がもっと欲しかった ▲パフェバーフロアの様子。ふた昔前のウェディングホテルレストランといった装いだが、採光により十分日差しが明るいのは良い。ただ、空調の効きが悪く寒かった!
▲こちらの冷蔵ケース内にはクリーム絞り袋とシロップ各種。生クリームはコンパウンドものだが十分頂ける。シロップはメープルがおすすめ ▲ドリンクバー。無難な機種による定番ラインナップ。もくもくと注いでつつがなく頂く。別に不満は無い。

― DATA ―
企画名キューピッドのお花畑/スウィーツバイキングとパフェ作り体験
メインメニューケーキ/パフェバー
ケーキのサイズ【極小】〜【小】
お値段800円(別途入場料1,200円が必要)/スウィーツバイキングとセットの1,800円入場券有り
制限時間なし
実施タイム開館時間内オールタイム/L.O.4時まで
ドリンク飲み放題!
その他ルール全館禁煙/2Fにランチバイキングレストランも有り
※ようつべに動画あるよ!⇒GO!
※各項目のポイントは10点満点で審査。総合★取りは5つが満点。
― JUDGE & COMMENTS ―

(ずばり、おいしいかどうか)
[5] ●犬山市郊外の殺風景な工業地帯に突然そびえるテーマパーク《お菓子の城》は、竹田製菓が運営するお菓子とケーキと童話の世界の疑似体験施設!
 ……と申せば良いかと思うのだが、元はと言えば畑違いの成金地方菓子メーカーが、自社工場及び本社ビルを強引に改装して仕立てたために随所色々な意味でほころびが見られ、時代錯誤ぶりと重心のズレ具合が何とも寒々しい観光施設になっている。

 出し物として著名童話の名場面や世界の景勝地がシュガーアートで淡々と展示されているが、コンセプトに面白みが欠けるし、作風も古過ぎる。子供に働きかけて動き出させる能動性も無いし、博物的な知性の魅力にも乏しい。
 ハロウィン、クリスマス、ニューイヤー、恵方巻き、バレンタイン、とよそ様では模様替えが目まぐるしいのに、ここでは昭和で時が止まっており、ちっとも季節感がない。
 展示ルートである部屋と部屋をつなぐ渡り廊下も、風致の無い市役所みたいに延々と蛍光灯照明が続く無機質な空間で、とても非日常の夢には浸ることはできず。
 思い出したように童話アートを壁に貼り付けても侘しいばかり。

 コレに入場料1,200円とは冗談がキツい

 アトラクションとしては、クッキー作り体験、ビスケットアート体験、シンデレラや白雪姫風衣装レンタルがあるものの、全て800円課金という結構な別途料金がかかる上、家族連れの立場で考えても地味で魅力に欠ける。これでは1日来館者数組の閑古鳥も致し方ない。

 例えば、パンの館とか、限定個数アウトレットスイーツとか、和菓子の部屋、フルーツマルシェ、季節テーマの電飾、トリックアート、そして全部の部署にそれぞれ待ち構える個性豊かな妖精キャラの着ぐるみグリーティング……等々それぐらいやったら?とテーマパークの素人でも突っ込んだアイディアが散策中次々湧き出てくる程、館内コンテンツの浅薄さたるや。
 最近ではコスプレパーティーイベントに場を提供するなど新基軸の模索もあるようだが、この寂寥ぶりは他人事ながら同館の行く末が案じられる。
 もっとも、同社がもてあました会社工場施設の有効活用でもあり、ローカルにおける成金社長の顕示の意味合いも強いようなので、その辺は消費者がお好きなようにとらえてもらえば…といったところ。

 その他施設の詳細や概要はロケタッチ新聞のリポートに譲るとして、当サイトとして永らく気になっていた“スウィーツバイキングとパフェ作り”について。
 1Fの“キューピッドのお花畑”なるレストランフロアで開催。入店は別料金800円が必要だが、このスウィーツバイキングとセットになった1,800円入館チケットがあるので利用するとよい。

 食べ放題のラインナップはセルフクッキング“パフェ作り”に重点を置いた采配。

 先ず、同館名物土産でもある[かぼちゃチーズケーキ][チョコレートスフレ]も供される冷蔵ショーケース。ここにアントルメが6品。厨房品の[パンナコッタ][カスタードプリン]もあるぞ。
 その脇の冷凍BOXには6種のアイスクリーム。トッピングラインナップも併設してあり、たまごボーロアイスコーンシリアルチョコシロップキャラメルシロップ
 カラースプレーは種類豊富で、特に飴スプレーはメロン味やらイチゴ味やら、色彩も鮮やか。アイスに振ると食感も楽しい。
“クッキーシューでシューアイスを作っちゃおう♪”シュー皮も置かれている。これも応用が利きそうだ。

 ゼリーコーナーにはリンゴJ、イチゴJ、コーヒーJ、オレンジJ、そしてカクテルフルーツ。キューブカットの形状は《太陽のカフェ》を彷彿、というかそのまんま。
 さらに進むとクレープコーナー。併設である冷蔵庫を開けてみると、絞り袋入りの生クリームとカスタードクリーム。キウイ,イチゴ,ブルベリ,メイプルのシロップも設置。
 ただ、クレープは味の弱い出来合解凍品。ここは是非セルフで焼く鉄板とか用意して焼き立てを楽しませて欲しかったところ。生クリームは植物ホイップとのコンパウンドといった味わいだが決して悪くない。

 奥に回ると、よそ様でもたまに見かけるカップ装填式ソフトクリームマシンの2機を設置。味などに特筆することは無いが、パピロ,クラッカー,ウエハース,ポンデケージョ,ラスクなどの乾きモノのトッピングが多彩。特に塩味ポテトスナックは後半口直しに重宝。
 ドリンクバーコーヒーマシン炭酸ディスペンサー。ネットカフェと同機種だがジュースも紅茶も無難に飲める。
 そしてウォーマーにかかる寸胴内にはホカホカの[おしるこ]が煮詰まっている。ホットスイーツはこれだけ。
 尚、軽食類の用意はないが、2Fに1,500円のランチバイキングレストラン有り(土日祝のみ)。甘味嫌いの方はそちらでどうぞ。

 さてお味の真贋についてなのだが、ケーキバイキング経験値が高い方なら、写真や説明で十分想像ついてしまうかと思う。本当に推して知るべし、想定通りのレベルである。
 ただパフェバースタイルだけあってカスタマイズ性が非常に高い。
 パフェでアイスを作るよう啓発した配置だが、アイスに拘らずひたすらプリンと生クリでプリンパフェばっか作っちゃってもいいし、クレープ数枚重ね続けて強引にミルクレープ作ってもいいし、抹茶アイスにおしるこ落として“わーい和風アッフォガートぉ♪”とかやって遊んでもいい。
 私はクリームたっぷりシューが食べたいから、ひたすらシュー皮に生クリとカスクリを絞り続け、次はメープル仕上げ、次はブルベリ、次はゼリーシュー……とあれこれ好き放題にアレンジ。
 結構質の良い同社おみやげ品[かぼちゃチーズケーキ][チョコスフレ]が生クリームぞえで食べれるのも有り難いし、ちゃんと補充で違うケーキが用意されるているまかないぶりも嬉しい。
 客の少なさからロスも多いと思うが、入店があればきちんとオペレーションを行ってくれている。

 これらに季節限定デザートがあればもっとよろしい。だって厳冬の日にアイス系ばっかりじゃ辛いでしょ?
 トッピングが豊富なんだから、焼き立てオーダーパンケーキやあつあつアップルパイ、チェリージュビレのホットソースを用意すれば、ラインナップ全種が息を吹き返すはずだ。

 それと、故・明日香さんが手がけた「お菓子の城テーマソング」は、ちょっと切なくてとてもいい曲なんだけど、ソレ1曲だけ延々リピート再生はしつこい。データが傷んでるのか時々音飛びもしている。
 普段はマーチやカートゥーンソング、ミュージカル曲を流し、お菓子の城テーマは時報代わりの毎時程度にしたらどうだろう。
雰囲気
(入りやすい店か、落ち着いて食せるか)
[8]
リベラル感
(実施時間が不自由でないか、ルールがやかましくないか)
[10]
接客
(説明など不親切でないか、感じは悪くないか)
[7]
立地
(場所は便利かどうか)
[5]
お得感
(質量共に料金以上の満足が得られるかどうか)
[3]
総合【★★−−−】館内イチ楽しめる催しだったが、コレだけのために入場料を払うのは厳しいか。

当日の収穫!

▲チョコレートスフレwith生クリーム+苺ソース,シュー皮with生クリ+カスタード+苺ゼリー ▲カスタードプリンwith生クリーム,ベイクドチーズケーキ ▲コーヒーゼリー+チョコバニラソト+生クリ+ポンデケージョ+パピロ
▲苺ムース,パンナコッタ(水っぽくて残念) ▲ぜんざい,オレンジゼリー+オレンジアイス+クラッカー+オレンジ飴スプレー ▲クレープwithカスタード+生クリ+フレーク+ブルベリソース(クレープはオーダー制か鉄板制にできないものか)
▲かぼちゃムース,ベイクドチーズ,生クリームとメロン飴スプレーとカクテルフルーツを付け合せ風に ▲シュー皮のフィリングはカクテルフルーツと生クリームとメープルシロップ ▲りんごゼリーの上に抹茶アイスとメロンシャーベットを乗せて
▲チョコレートスフレに生クリームたっぷり。かぼちゃムースも美味しいのでリピート ▲引き続きシュークリームを。キウイソースで色づけ ▲苺ゼリーだけでシンプルに
▲ポテトスナックとクラッカー。塩っぽいスナックが欲しいひととき ▲ポンデラスク。コリコリ噛み砕く音が室内に響き渡る ▲退室間際に補充で登場したガナッシュケーキをひときれだけ
……ニラックス系のデザートバー+太陽のカフェといった様相。犬山市でこういうバイキングの存在は貴重といえば貴重。

― みちあんない ―

名鉄[楽田]駅より西へ徒歩20分。周辺は灰色の工業地帯で、途中くたびれ顔で一服吹かしている作業着ブルーカラーと度々目が合い、これから夢の国に行くというのに極めて風情が無い。

【所在地】〒484-0956
愛知県犬山市新川1−11
お菓子の城1F キューピッドのお花畑
【営業時間】平日午前9時半〜午後5時/土日祝午前9時〜午後6時/水・木定休
【tel】0568-67-8181
【関連サイト】公式サイト ホットペッパー 食べログ 
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▲館内はレストランも禁煙!それより随所にドールハウスでの必死な雰囲気作りは感心してあげてもいいのかも。清掃や手入れも大変だと思うし ▲アイスクリームBOXの脇のトッピング数々。シュー皮の存在は有り難いけど、もう少し味がマシなの使ってくれませんかね
▲アントルメを1皿平らげると、補充入れ替えで新たにチョコショートが登場。店頭ショーケースでは他に苺ショートや黒ごまムースが待機。みんなでクリアしよう ▲クレープは頼りない出来合い品だが、生クリ・カスクリは絞り放題。クリームは応用効くから存在価値大有り
▲こちらは2Fにあるランチバイキングコーナー。土日祝のみ営業、料金1,500円。例えば2,500円で全施設フリーパスとかあったらいいのに ▲カップソフトマシンでバニラチョコミックスソフトを捻り出し中。あんまり良いヴィジュアルじゃないわね

(取材日:2014年1月10日)