中村区・名古屋駅

ポルトフィーノ

▲都会的で洗練されたコーディネートがいかにも今時カフェしてる店内のようす。当日は真夏の避暑地としてOL&リーマン客層がぽつぽつ。 ▲もっとも目立つ配置だったカットフルーツやプリンにゼリー。しかしこれらは無視して頂いて、冷蔵ケース内のケーキに集中した方がいい。
― DATA ―
企画名デザートバイキング
メインメニューケーキ
ケーキのサイズ大皿もの主体
お値段980円
制限時間なし
実施タイム平日午後2時〜5時(4時45分ブッフェコーナー撤去)
※'05年1月末で終了
ドリンクコーヒー紅茶Hot&Ice飲み放題!
その他ルール禁煙席なし(喫煙客多し)
※各項目のポイントは10点満点で審査。総合★取りは5つが満点。
― JUDGE & COMMENTS ―

(ずばり、おいしいかどうか)
[5] ●今回のお店《ポルトフィーノ》がテナントするビルは、あの名古屋駅前センチュリー豊田ビル。きっとどこぞのタウン誌が“恋人同士映画を観た後に立ち寄るのに絶好のロケーション!”とか提灯記事書きそうなのでここで先回りして拉がせてもらうと、ビル内にテナントする映画館[ピカデリー]は、映画好きとしてオススメできない。駅前一等地でいつも混んでるのをいいことに、映写機の電圧を基準値より大幅に絞って画面を見辛いほど暗くして、ランプの消耗と電気代をケチッてることで悪名高い劇場なのだ(実を言うとメルサ6Fの名鉄東宝と比べればまだマシという声もあるが)。映画雑誌の老舗キネマ旬報誌で『名古屋駅前の映画館の画面の暗さは有名』と叩かれたことまであるくらいで、映画鑑賞におでかけになる際は地下鉄やバスを活用して、権野で降りれば金山からバス1本でいける[中川コロナ]、上小田井駅から徒歩5分の[イオンシネマ]、三重交通バス使えば車なくてもOKな[ベイシティ]などなど良質なシネコンのご利用へと離散なさることをおすすめしたい。

 さてさて閑話休題。ようやく本題の《ポルトフィーノ》のデザートブッフェについてであるが、HotもIceも備えたコーヒー&紅茶のフリードリンクつきデザート食べ放題が、なんとたったの980円!これが名駅・錦通のお店で!?しかも平日なら毎日ティータイム3時間実施!?!?なんと大胆な。名駅で税込み千円を切る飲み放題つきスイーツ系バイキングは筆者の知る限り例が無く(激安と言われた今はなきレジャック1階“エスプリ”も大名古ビルヂ地下“ラ・シベール”も税抜き千円だった)、甘味ファンは思わず心がはやり胸が躍る。多少なりとも味が荒削りでもこのお値段なら大いに歓迎したいところ!だったのだけれど……。
 さて、ざっとメニューに目を通してみると、まずショートやズッパなどのケーキ類3種、パンナやプディングなど固める系3種、焼きもの系3種、その他パン、カットフルーツなども含めて合計12種類。お味の方はどうかと言うと、随分ハゲシイくらいに優劣がアンバランス。えーっこんなにおいしい自家製ケーキホントに980円で食べ放題しちゃっていいのーって感激するものもあれば、一口頂いてうぷ!と思わず胸のつまりそうな学校給食並のものがあり、味の品質が両極端なこれらメニューを全種制覇するのは、精神的にしんどいモノがあったことは否定できない。
 先ず[季節のフルーツショートケーキ]。のっかってるスライス苺や缶詰黄桃などに節約が感じられるものの、生クリームとスポンジのお味はしっかり作ってあるのでおいしく頂ける。チョコの使い方も面白い。[ズッパナポレターナ]はイチオシの一品で、上層のレアチーズ風味と下層のバナナと木苺の素材の新鮮さが素晴らしく、思わずフォークがスピードアップ。甘さ加減が丁度良い[ティラミス]のしっとり感も嬉しい風合で、これらケーキは次回も是非是非リピートしたいベストの3品。
 ところが。この3品の美食にノッてきたところで他の品をお皿に山盛りするのは、ちょっと危険。ワースト1はやたら固いばっかりの[プリン]。これを大量に盛って来てしまった時のお腹へのダメージは大きく、てゆかこれ本当にプリンなんすか???たまごもミルクもカスタードの味も何もしないこの謎の物体Xを全部たいらげるのはツライものがあったんですけど。一方[本日のゼリー]の方は宇宙からの不明物体ブロブといった感じで、グレープフルーツの味付けがよく効いているのは悪くないのだけど、これも食感がかなり固くて、心構えがないと完食には苦戦を強いられそう。他に胃袋に優しくなかったのがパン類で、固く冷え切った感触と風味の劣化からして、処分目的としてブッフェテーブルに上がっていることが伺えてしまう。あと[フルーツポンチ]に関しては、ずばり100円ショップ缶詰系。残念。

 料金からしてとてもいいお値段なので強く推したいのはやまやまなのだが、いかんせん品揃えがあまりに玉石混交。うっかりハズレをつかめば食欲がイッキに急転直下してしまうような酷い味のものもあり、これがスコアの平均点の足をひっぱってしまっている。それと、ブッフェスタイルにもかかわらず、バイキング特有の開放感や華やかさがあまり感じられなかった。地味なゼリーやパンを目立つところに置いてしまって、その一方で目玉である味も色合いもビューティなケーキ類全てを、しゃがみこむような配置で取り出しにくいごちゃごちゃした暗〜い冷蔵ケースに押し込んでしまったのは、演出的にもマイナス要因。味がたいしたことないのにゴージャスにブッフェをレイアウトして点数稼いでるホテルブッフェもあることだし、この点は改善の余地があるように思う。
 ……でもやっぱりなぁ〜〜、名古屋駅前で平日ティータイムにたった950円でおいしい飲み放題コーヒーと一緒に手作りズッパイングレーゼや自家製ティラミスがたらふくたいらげられちゃうなんて、そんな幸せまたとないんだよね。えい!特別に星の数ひとつおまけ!今後の動向にも注目したい。
※あふたーるぽ
 '04年9月24日にも来店したところ、質・料金に若干の変化有り。それまで950円だったのが980円に値上げとなったのだが全く問題はなく、質はそれ以上に上がった感じ。特にフランボワーズとチョコ、2種類のムースの出来が良く、味つけはおいしいのに強烈過ぎず控えめで、3巡目を取ってもまだ飽きない。ショートケーキ、ティラミス、ズッパも好調で、低料金と駅前立地、平日常時実施の利便性がことさら際立ってきた。濃いアイスコーヒーも嬉しい。
雰囲気
(入りやすい店か、落ち着いて食せるか)
[8]
リベラル感
(実施時間が不自由でないか、ルールがやかましくないか)
[7]
接客
(説明など不親切でないか、感じは悪くないか)
[8]
立地
(場所は便利かどうか)
[10]
お得感
(質量共に料金以上の満足が得られるかどうか)
[9]
総合【★★★★−】絶好の立地でのティータイム実施、さらにフリードリンクまでついてこのお値段!

当日の収穫!

▲季節のフルーツショートケーキ(よそう時に上下層が分離してしまった) ▲ティラミス,ズッパナポレターナ ▲プリン(一番のハズレなのでご注意)
▲パンナコッタ(とゆうか杏仁ムースみたいな味) ▲シフォンケーキ,パウンドケーキ,ルビーフルーツ,シュークリーム(カスタードクリームに特徴あり) ▲パン(まず!),本日のゼリー,オレンジ
……その他2巡目も含めて計17個分完食。品によって味の優劣が激しく、ハズレが続くと胃袋ダメージ高し。ショート、ズッパ、ティラミスはGOOD!
▲フルーツポンチ(シフォンにかければよかったかな)

― みちあんない ―

■名古屋駅から徒歩5分。錦通りセンチュリー豊田ビルB1。ミヤコ地下街B番出口出てすぐ。

センチュリー豊田ビル公式サイトより
【所在地】〒450-0002
愛知県名古屋市中村区名駅4−9−6
センチュリー豊田ビルB1 ポルトフィーノ
【営業時間】午前11時〜午後11時
【tel】052-587-3840
【公式サイト】センチュリー豊田ビル クリエイト・レストランツ
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▲ベビーシューはカスタードクリームが独特でおいしかった。しかし全体的にバイキングの華やかさや開放感が乏しく、スイーツのブッフェとしては平淡な印象。 ▲あら!豊田センチュリービルの地下1階に、こんな吹き抜けのオープンカフェがあったのね。今は酷暑で誰も座らないけど……。

(取材日:2004年7月21日)
(最終確認日:2004年9月24日)