ダブリューカフェ(サーウィンストンホテル)

▲新設ドリンクバー。ホテルの雰囲気としてはかつてのオーダー式の方が場に即していたと思う。後ろのマカロンタワーは食べられないので悪しからず ▲今回は地下鉄八事駅@番出口の踊り場にある勝手口から入ってみた。野暮ったい地下の階段口が赤絨毯で豪華な雰囲気に
▲ソファーと言い飾られる調度品といい、相変わらず貴族的で煌びやかな施しの店内。でも結構狭くて随所が行き止まりになっているのだった ▲ショーケース内の小ぶりのケーキ。どれも完成度は高いが時々鮮度の差を感じる。モンブランとブリュレとショートケーキがおいしい

― DATA ―
企画名デザートバイキング
メインメニューケーキ
ケーキのサイズ【小】
お値段2,300円
制限時間90分
実施タイム土日祝午後2時〜/午後4時(2部入替制)
ドリンク飲み放題!
その他ルール全席禁煙/平日は一部メニューを異にして二千円で提供
※ようつべに動画あるよ!⇒GO!
※各項目のポイントは10点満点で審査。総合★取りは5つが満点。
― JUDGE & COMMENTS ―

(ずばり、おいしいかどうか)
[8] ●八事駅前のウェディング系ホテル《サーウィンストン/ダブリューカフェ》では、オリジナルスイーツをふるった良質のデザートバイキングを毎日実施。
 2009年から好評の催しで、食べ放題ファンの間で安定したサービスのブッフェとして定着した感があったが、2013年1月に巷の原価高騰を考慮の上、システムと料金をリニューアル
 毎日2時から90分、4時から90分という2部入替制に変更、平日2,000円、土日祝2,300円……と、かつての1,800円から最大500円ものの値上げとなった。お財布ダメージは結構大きい。
 リニューアルに伴って新システムや新メニューを導入しているが、果たして値上げ料金に見合ったサービスなのか、他のケーキの質は保てているのかが、今回消費者側にとって評価の焦点となる。

 立地は駅@番出口出てすぐという良好のロケーション。くだんのレストラン《ダブリューカフェ》もホテル正門入ってすぐの1Fという佇まい。
 予約していないと案内が後回しになることもあるが、アポ必須ではないので大抵は飛び込みでも入店できる。

 食べ放題のシステムをさらうと、先ず最初にプチフールが5,6品程乗った季節のデザートプレートが席まで供されるので、ともあれこちらを頂くべし。渾身の創作品ばかりで期待を外さない。後はブッフェスタイルで自由に取りに行ける。
 対面ショーケース内には14種程のホテルオリジナルスイーツ華やいでおり、楚々として対応する従業員さんによって注文の品を盛りつけてくれる。
 脇には焼き菓子ハムフライドポテトもつまめる。ミネストローネ冷製ポタージュスープも有り。

 新しくなったのは、先ずドリンクバーの登場。
 優雅だったドリンクのオーダースタイルがセルフ式に変更、店内奥にガラス製サーバータンク群が設置。
 アイスコーヒー,アイスティー,ウーロン茶,オレンジJ,グレープFJ,そして“今月のおすすめ”ドリンク。因みに当日はアセロラお酢アップルであった(酸っぱい!)。
 ホットドリンクは店内中央柱を背にホットコーヒー,アッサムティー,マンゴーティー,チェリーティー,煎茶レモングラス…という凝ったラインナップ。
 紅茶・お茶はあまり飲まないので、審美眼がなくて申し訳ない。

 リニューアルでもうひとつ耳目を集めるのが、オーダー制食べ放題[リコッタチーズパンケーキ]の登場。バイキングが始まってしばらく経つと、ウェイトレスさんが席までオーダーを伺いに来てくれる。
 これがまた焼き上がりフワフワでパンケーキ本体の味が濃く、口内で一瞬でなくなる口どけの良さ。添えられた生クリームと個体チーズも控え目ながら奏功している。
 しかし、演出的には華やぎが乏しく、視覚的なインパクトとしては非常に物足りない。見た目はまるでマクドナルドのプチパンケーキ。
 例えば、2段重ねに生クリームと蜂蜜とメープルをたっぷりかけて、苺やチョコバナナがどっしり……というもてなしを期待して入店した者は肩透かしをくらうはず。トッピングで全然遊べないのも寂しい。

 他に、こちらは平日も用意される[飲茶点心]も新顔メニューだったが、中身は平凡なシューマイ3種のみ。味も普通過ぎて驚きが乏しい。
 他店でもありがちな手垢のついた施しであり、これなら以前よりみかけなくなったサンドイッチの方が有り難いのでは。美味しかったのに。

 ショーケース内の愛らしいケーキたちは一定の完成度を誇っている。

 必須は澄み切ったような美麗なマロンクリームが忘れがたい[モンブラン]と、玉子の濃密さとかぐわしいバニラビーンズが拮抗する[クレームブリュレ]
 [ムースショコラ]は顔が映るような綺麗なグラサージュチョコとフランボワのコントラストが、味も見栄えも美しい。同様に[フランボワーズムース]もチョコレートとラズベリーの配し方が良い。

 ただ、ナイフを入れる程の手ごたえがあった[苺のタルト]と、瓶入り[なめらかプリン]がラインナップから消えていたのは痛い。他、[ロールケーキ]は鮮度の悪さが致命的だった。

 システム変更でコスパを引き締めた値下げや維持ではなく、値上げした上での夾雑な新メニュー迷走が誠に残念。
 その振り幅はどちらかというと名古観ルシュッドイブニングブッフェの卑近な雑駁感に接近。あっちはあっちで楽しいが。
 やむを得ず値上げするなら、同ホテルらしく清楚感のある格調を重んじた方向性への変革に、心を砕いて頂きたかった。
 また、マンスリーのプレートは美味しいが、なぜか毎度マカロンばかりなのは好みが分かれそう。レギュラーケーキ群にも新作が欲しい。
雰囲気
(入りやすい店か、落ち着いて食せるか)
[9]
リベラル感
(実施時間が不自由でないか、ルールがやかましくないか)
[9]
接客
(説明など不親切でないか、感じは悪くないか)
[8]
立地
(場所は便利かどうか)
[9]
お得感
(質量共に料金以上の満足が得られるかどうか)
[7]
総合【★★★−−】値上げ後のお味は良いままだが、システムが雑駁になり、品格と優雅さが後退。

当日の収穫!

▲マンスリープレート(カエルのマカロン,ライム風味のレアチーズ)なるほど雨季のイメージね ▲マンスリープレート(フォレノワールヌーヴォー,ピスタチオシュー,ミルクとメロンのブラマンジェ,ミントの水玉マカロン) ▲クレームブリュレ,モンブラン,和菓子(普通…)
▲ロールケーキ,ティラミス(リキュール強めでンまい!),フルーツと白ワインのジュレ(酸っぱくなくて頂きやすい) ▲ガトーショコラ,ショートケーキ(2点とも生クリームが美味しい) ▲リコッタチーズのパンケーキ(とても美味しいんだけど見た目朝マックと区別つかん)
▲フルーツタルト(ドラゴンFとマンゴー),マスカットムース,サバラン(スポイトのお酒射出し過ぎると苦くなるよ) ▲ムースショコラ,フランボザーズムース,ベイクドチーズケーキ ▲ミネストローネ,点心各種(取ってつけたようでブッフェとしてはつまんないよね)
……美味しいはずのパンケーキが地味過ぎる。苺,チョコバナナ,抹茶小豆等トッピングやサイズや枚数の選択ができたらいいのに。
▲ハム,冷製コーンポタージュスープ

― みちあんない ―

■名古屋市営地下鉄[八事]駅@番出口隣接。サーウィンストンホテル1F。

【所在地】466-0825
愛知県名古屋市昭和区八事本町100−36
サーウィンストンホテル1F Wカフェ
【営業時間】午前9時〜午後11時
【tel】052-861-7901
【関連サイト】ホテル公式サイト 食べログ
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▲点心蒸篭はケーキショーケースのお隣。ライトミールも気高くフレンチ系で統一した方が、このホテルらしくて良かったのでは ▲相変わらず彩りが可憐な紅茶バー。セルフでどうぞ
▲時間的にまわれなかった焼き菓子コーナー。[ジャガ芋パンケーキ]なんて品も登場。左端にあるのはカップアイスクリーム機 ▲サーウィンストンは八事駅前デザートブッフェの代表格。少し歩くけどキャナリィロウもおすすめ。イオン地下シャポーブランも最近ぼちぼちバイキング再開してるよ

(取材日:2013年6月23日)