中区・栄駅

東洋軒(栄三越本店9F)

▲こぶりに整えたケーキやゼリーやタルトも楽しく手に取れるけど、ポテトやサンドイッチなどミニサイズの調理系もキチッと揃えているあたり、他店をよく研究していることが伺える。 ▲場所は栄三越本店9階レストラン街。ブラックカレーが名物の老舗で、コーヒー473円など通常メニューはちょっと贅沢なお値段かしら。だからこそバイキング期間は逃せないのだ。
― DATA ―
企画名デザートバイキング
メインメニューケーキ,アイスクリーム,オープンサンドイッチ
ケーキのサイズ【小】【極少】
お値段1,480円
制限時間なし
実施タイム不定期実施平日3日間午後3時〜6時 ※しばらくお休み
ドリンクワンドリンクつき/2杯目以降サービス価格210円
その他ルール不定期実施、月によっては代わってカレーバイキングを実施
※各項目のポイントは10点満点で審査。総合★取りは5つが満点。
― JUDGE & COMMENTS ―

(ずばり、おいしいかどうか)
[8] ●これはちょっとなかなかない高レベルのお店。こんなに丁寧で多彩な品揃えのデザート食べ放題を千円台前半の料金に抑えられたら、伏見や名駅方面の高額料金ホテルブッフェの立つ瀬が無くなるというもの。味も高水準で、激戦区栄でも十分水際立つ魅力を放つデザートブッフェの登場だ。

 お店の場所である栄三越と言えばフロア3階に、口どけたまらぬレアチーズやカラフルなフルーツトルテや濃密ザッハなどなどの魅力尽きない《カフェ・ウィーン》の月イチ平日5日間ケーキバイキングがあるのだが、今回紹介のお店《東洋軒》は同百貨店の9階。しかもバイキング初開催の3日間とウィーンのバイキング実施日がしっかりぶつかってしまった。ファンとして両軒客足の二分を心配したが、いやなんの、この《東洋軒》の食べ放題スタイルはウィーンともしっかり差別化を計った好対照をみせる構成で、また違った個性と魅力でスイーツファンを悶絶させてくれる良店だったのだ。もし不定期実施のこのバイキング期間中に運良く出くわしたら、逃す手はない。

 このデザートバイキングの最たる特徴と言えば、各メニュー及び構成がとても丁寧に仕上げられているということ。通常メニューの品質をツーランク下げた粗製品を並べたりなんかしてないし、普段の一般売りケーキをそのままどーんと取り放題にしてくれるタイプのお店ともちょっと違う。メニューの半数以上がバイキングのために練られた準オリジナル品。しかも、東洋軒のいつもの味・いつものメニューの面影や雰囲気はそのまま残しながら、全て手にとりやすいミニサイズ、数口サイズに整えられているのもいい。一般的成人の胃袋の大きさなら全種制覇がどなたでも可能なので、次々手にとって一巡を終えた後は、お気に入りBEST版をお皿に盛り付けて二巡目を楽しむ余裕も十分残せるはず。これぞバイキングの楽しさの真骨頂。

 ざっと各メニュー品目をあげておくと、ミルフィーユ2種、シフォン4種、タルト3種、ゼリー4種、アイス&シャーベット系4種、ロールケーキ2種、その他ムース,プリン,ババロア,ショコラ,フルーツポンチ,調理系諸々含めて合計30種以上!しかも、同じムース、同じゼリーでも味や仕上げにどこか必ずひねりが効かせてあってなかなか面白い。例えば、ゼリーに添えるライムのスライスが軽く揚げてあったりとか、見慣れない果物が数粒まぶしてあったりとか、シフォンが黒ゴマ風味だったり、ティラミスが抹茶味で栗や白玉や小豆のトッピングがあったり……その個性的な構成には飽きることがない。
   一口サイズとは言えあなどれない[苺カスタードミルフィーユ]は、パイ生地のさっくり感は勿論生クリ&カスタードのダブルクリームがすこぶるンマイので、スプーンでかきこむようにフホホと一口で頬張れちゃってご機嫌。遠慮がちにへりにお座りしてる苺の品質も良かった。もう1種のミルフ[チョコバナナカスタードミルフィーユ]も、チョコクリームがいい按配のとろみがついててこれもホフホフ一口でイッてしまうシロモノ。
 [苺のロールケーキ]の出来も良く、中に巻かれたイチゴクリームの甘さ加減が実にくすぐったくて思わず顔がほころぶ一品(時間後半、表面が乾燥し始めてて残念!)。
 タルト3種の中で一番良かった[苺のタルト]は中央しっとり、底はサックリ、表面はイチゴと生クリームがこんもりで納得のボリューム。食感良く固〜く焼き上げてある底の生地になかなかフォークが入らなくて、ぐぐぐぐっと力込めた挙句にカーン!とお皿から一口大の場外を打って恥かいたのはこのワタシ。次回は手づかみで喰うべ。
 ゼリーコーナーも[赤ワインゼリー]とか[グレープフルーツゼリー]とか[シャンパンゼリー]などなど洋酒と果物の香りが豊潤で、どれから取ろうか迷っちゃう?だいじょぶよどれ取ってもおいしいから。
 他にも感心したのがヨーグルトソース付属のフルーツポンチ。他店では缶詰系で逃げてるケースが多いこともあっていつもこういうのは無視するのだけど、ちょっと覗きこんでみたらマスカットとかスイカとかリンゴとかキウイとか入ってて、あっこれ食べなきゃダメぢゃん、て感じで有り難く頂戴してしまった。ヨーグルトとあえた味も爽やか。
 あと口直しにつまめるマッシュルームやトマトやベーコンのオープンサンドイッチも不必要なくらいおいしくて、マッシュルームの味と香りもパンと相性が良く、甘味に集中するつもりが思わずサンドも次々おかわりしてしまうのだった。因みにヒルトンの口直しサンドイッチはこれよりちょっと手ェ抜いてます…って余計な一言(爆)。
 あとこれも重要な要素のひとつ、ドリンクのオーダーについて。フリーではなく料金内で1杯のみなのは残念だが、2杯目以降は210円というサービス価格でのご提供。473円を越えるドリンクの場合は、差額の支払いによりオーダー可。盛んに取り替えてくれるおひやのまかないにも気が利いていた。

 ってな訳で、30品目もあれば自分の好みに合わないものも無きにしも非ずではあるけれど、全品の品質はどれも水準を切っておらず、しかも調理系はスイーツの合間に丁度良い味のものをしっかり揃えているあたり、よそさまのホテルブッフェやカフェのバイキングをよく研究なさってることが伝わってくる。しかし残念ながら今後の実施日程などが未定で、しばらく次回以降はカレーのバイキングを実施予定とのこと。これも行ってみたいけれど、やはりスイーツファンとしては是非是非デザートバイキングを恒例実施にして頂きたいものである。益々栄のケーキバイキングのレベルが上がってしまうが。
雰囲気
(入りやすい店か、落ち着いて食せるか)
[8]
リベラル感
(実施時間が不自由でないか、ルールがやかましくないか)
[9]
接客
(説明など不親切でないか、感じは悪くないか)
[8]
立地
(場所は便利かどうか)
[9]
お得感
(質量共に料金以上の満足が得られるかどうか)
[8]
総合【★★★★−】味も品揃えも演出も高品質で近隣のホテルブッフェが霞んで見える。恒例定期実施をぜひ。

当日の収穫!

▲赤ワインゼリー,苺のロールケーキ,ヘーゼルナッツのロールケーキ ▲ブリュレ,苺カスタードミルフィーユ ▲シャンパンゼリー,ブラッドオレンジムース,オレンジヨーグルトムース
▲グレープフルーツゼリー,チョコバナナカスタードミルフィーユ,マンゴープリン ▲コーヒーゼリー,苺のタルト,レアチーズ&フランボアーズムース ▲シフォンケーキ黒ごま,シフォンケーキ紅茶
▲栗のタルト,キャラメルのババロア ▲品名不詳(栗や白玉やあずきのトッピング付き抹茶ティラミス!おいしい!!) ▲柑橘系タルト,ブラウニー
▲ベーコンとフレッシュトマト,プチトマトとマッシュルムームペースト,フライドポテト,アンデスポテト ▲ローストビーフとラタトゥーユ,アンデスポテト,プチトマトとマッシュルームペースト ▲品名不詳(フルーツポンチにヨーグルトソースをかけたもの)
……2巡目以降も含め合計40個完食。傑作は白玉小豆のっけ放題の抹茶ティラミス!ムースもタルトも出気が良く、飽きのこないラインナップ!
▲苺シャーベット,ピスタチオアイス

― みちあんない ―

■名古屋市営地下鉄栄駅から徒歩3分。名古屋三越本店9F。栄地下街直結。

【所在地】〒466-0008
愛知県名古屋中区栄3−5−1名古屋三越本店9F
レストラン&カフェ 東洋軒
【営業時間】午前10時〜午後8時
【tel】052-252-3798
【公式サイト】東洋軒公式サイト 栄三越公式サイト
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▲栄の街並が展望できる一面窓張りの店内は、明るくて落ち着いた雰囲気。オアシス21の整備された緑の間を音も無く行き交う人々の光景が、これまたイイノダ。 ▲(う!ヘタッピ写真……今度撮りなおそっと)味は勿論のこと、同じような品種ばかり延々連なってて飽きるなんてことの無いよう、興趣に富んだ品揃えも有り難いノダ。

(取材日:2004年6月18日)