愛知県豊橋市/豊橋鉄道競輪場前停留場駅

ヴィオラ・トリコロール

▲当日は暴風雨吹き荒れる悪天候。さぞブッフェはガラガラかと思いきや、全席埋まる人気ぶり。終始とても賑やかだった ▲ブッフェ写真その1。大皿ティラミスはお味よりも表面のココアパウダーの真っ平らな振るわれ方の正確さに驚いた。ダークブラウンのヴェルヴェットみたい……
▲カウンターに沿って特設されたブッフェテーブル。並ぶ品々もこの日のためにこしらえたパティスリーの特製品が中心。 ▲テラスや窓際もいいが、筆者が案内されたのはこちらのソファー席。居心地はなかなか。店内は客の熱気がムンムンで、とても賑やかだった

― DATA ―
企画名スイーツブッフェ
メインメニューケーキ
ケーキのサイズ【極小】〜【中】
お値段2,052円
制限時間90分
実施タイムツキイチ限定開催/主に毎月中下旬の木曜日、午後3時〜5時半
ドリンク飲み放題!
その他ルール完全予約制/全席禁煙/未就学幼児の入店お断り
※各項目のポイントは10点満点で審査。総合★取りは5つが満点。
― JUDGE & COMMENTS ―

(ずばり、おいしいかどうか)
[8] 豊橋駅から発着する路面電車の停留駅から歩いて5分。
 その朴訥な街並みと風情からは想像つか無い程、スタイリッシュなパティスリーカフェ。それが今回の《ヴィオラ・トリコロール》だ。

 因みに2階カフェの店舗名が“ヴイオラ〜”で、1Fパティスリーの店名が“ガトー・フルール”、“フローラル・ヴィレッジ”はレンタルスペースも含めた建物全体の施設名…とのこと。

 食べログサイトでは、1Fのパティスリーのことを“フローラルヴィレッジ”とする誤った表記での登録と、正しい店名“ガトーフルール”としての登録、それぞれ両方のページが存在しているのでご留意の程を。

 で、そのヴィオラトリコロールでは現在、1日限定スイーツブッフェが毎月ペースで開催中。おおむね平日木曜実施、3時〜5時半、お値段税込2,052円、90分制

 但し完全予約制で、尚且つ開催日のひと月前から既に満席…という人気ぶり。
 筆者は一度席を取り損ね、やむを得ず次月予約でどうにか押さえたクチである。行かれたい方はお早目のご決断を推奨。


 さて、パティスリー併設カフェでの限定開催という珠玉のスイーツブッフェ。梗概をざっとひとさらい。

【アントルメ】
 イチゴショート、クラシックショコラ、ロールケーキ、大皿ティラミスなど、8種類ほど。
 階下パティスリーの逸品[チーズタルト]、[ガトーフルールロール]も登場。ご期待あれ。

【プチフール/タルトレット】
 キューブカットケーキ、一口大フルーツタルトレット、プチシューなど、9種類ほど。
 ワンシートのキューブカットは一見簡素だが、オペラやサンマルクなど、実食してみるとどれも各層が恐ろしく作り込んであることが分かるはずだ。
 タルトレット各種も、階下のお店のショップ売りをプチサイズ版にしたブッフェ特製品。有り難い!

【ヴェリーヌ】
 パンナコッタばかりの4種類ではあるが、苺、桜、抹茶、黒胡麻…と、お味も彩りも興趣に富んでいる。

【焼き菓子】
 バウムクーヘン2種、メレンゲ菓子、ポップオーバーの4種類。

【チョコレートファウンテン/カットフルーツ】
 果物はファウンテンの具材として、生苺、パイナップルの2種類が常設。勿論そのまま頂いても良い。

【ドリンク】
 オリジナルブレンドコーヒーHot/Ice、紅茶各種Hot/Ice、オレンジJ、グレープFJ、アサイーJ、黒烏龍茶。
 アイスはドリンクバーからのセルフサービスで、ホットドリンクはカウンターでオーダー。

 こちらの店舗はお飲物の提供に具眼があり、自信と峻別をもってセレクトした至高の品々が楽しめる。
 [ラクサパンナ]、[さくらんぼの香り]、[京都四条の香り]、[白桃アールグレイ]と凝ったムレナスティーが連綿。

 個人的にはジャパンバリスタチャンピオンシップ優勝者が監修したというグァテマラ産アイスコーヒーが、一口飲み下して膝を打つほど美味しかった。
 エグ味無く透明感があるのに、深みのある心地よい苦みには驚かされる。

 ただ、ドリンクメニューにあるはずの黒烏龍茶は当日品切れを起こしていた。

【サラダ/塩気スナック/スープ】
 申し訳ないが詳細不明。
 到着時に一瞥した際はグリーンサラダのボウルがブッフェボードの一番へりに置かれていた覚えはあるのだが、後半撮影がてら食べに行こうとしたら、もうサラダボウルもポテトチップの皿も殆どカラッポ。底に残滓が見えるのみ。
 辛抱強く補充を待っていたのに、結局その後名札もろとも撤去されてしまった。
 かろうじてかき集めた保温寸胴ミネストローネだけは、どうにかありつくことが出来た。

― 今回はコレが美味しかった! ―

 ヴェリーヌ4種類は全てパンナコッタベースなのだが、どれも生クリーム液のコクがたっぷりで、思わずグラスの底まで掻き込むほど美味しかった。
 白玉小豆が乗った[黒胡麻パンナコッタ]、紅茶ゼリーが乗った[抹茶パンナコッタ]、苺とラズベリーとブルーベリーが賑やかな[苺パンナコッタ]など。同じパンナでも味も趣向も彩り鮮やか、変幻自在。

 [チーズタルト]はリコッタ・カッテージ系のどっしりとした重厚さで、一口頂いて思わずノックアウト。土台のクッキー生地もカリカリと小気味よい。
 もっと食べたいのに重過ぎてそれ以上手出しできないという、何とも贅沢な悩みを伴わす逸品。

 [塩キャラメルナッツタルト]はフロランタンやヌガーキャンディーが好きな方には感に堪えないひとしなだろう。
 ちょっと固いが、かぶりついた時に広がるクルミやアーモンドの香ばしさは極限的。

 見かけは小さいが中身のカスタードがパンパンの[プチシュー]は、一見瑣末な脇役の品のようで実は必須品。焼き立てポップオーバーの名店だけあってシュー皮も美味しいのだ。

 その[ポップオーバー]についてなのだが、もちもち食感と仄かな味わいを堪能……したいのはやまやまなのに、カスタマイズの具材が何もない。仕方なくチョコファウンテン用のカットフルーツで代用したが、やはり物足りない。
 ホイップ、カスタード、メープル等々、是非バイキングスタイルを活かしたトッピングを用意して頂きたい。
 更にタマゴサラダやハムやトマトがあったら、もっと楽しそうだ。



 先述の通りサラダ類の補充放棄については称賛しかねるが、各ケーキやスイーツの追加補充は問題なし。
 人気の苺ショートもチーズタルトも切らすことなく、スイーツメニュー一定の水準及び品数を、最後まで守り続けた。

 またお味はもちろん、パティシエがブッフェイベントの為に手並みを振るった品々だけあって、創作性も極上。シトロンのタルトや炭酸ゼリーなど機知に富んでいる。
 それに加え、ドリンクのラインナップも他店と格の差を見せつける品々ばかり。珈琲をはじめ紅茶やアサイージュースも美味しかった。

 当日は暴風雨により天候には恵まれなかったが、気候さえ良ければウッドデッキのテラス席なんか最高に気持ち良さそう。
 バイキングもいいが、再訪時には是非オープンカフェでランチを頂いてみたい。
雰囲気
(入りやすい店か、落ち着いて食せるか)
[8]
リベラル感
(実施時間が不自由でないか、ルールがやかましくないか)
[5]
接客
(説明など不親切でないか、感じは悪くないか)
[7]
立地
(場所は便利かどうか)
[6]
お得感
(質量共に料金以上の満足が得られるかどうか)
[7]
総合【★★★−−】地元の方なら星ひとつプラス。抑えたお値段も嬉しい。

当日の収穫!

▲オペラ,苺のパンナコッタ,モンブラン(高級な栗の和菓子みたい) ▲三ツ矢サイダーゼリー(ゼリーに炭酸が閉じ込められている),レモーネ,タルトシトロン ▲抹茶パンナコッタ,プチシュー,イチゴショート
▲ごまパンナコッタ,チーズタルト,サンマルク(表面カラメリゼもいいがキャラメルクリームも素晴らしい) ▲ティラミス,タルトフリュイ,ガトーフルールロール ▲塩キャラメルナッツタルト,タルトマンゴー,タルトショコラオランジュ
▲クラシックショコラ(メチャ美味しいけど重いゾ〜),苺バウムクーヘン(いちご味はほんのり) ▲ミネストローネ,ポップオーバーwith生苺&生パイナップル ▲マシュマロ,ギモーブ,フォレノワール
▲イチゴショート,スノー(メレンゲ菓子)

― みちあんない ―

■豊橋鉄道路面電車[競輪場前停留場]駅から徒歩5分。またはJR[豊橋]駅より徒歩30分ほど。

【所在地】〒440-0044
愛知県豊橋市宮下町75番地2F
ヴィオラトリコロール
【営業時間】午前11時〜午後10時
【tel】0532-43-6782
【関連サイト】公式サイト  食べログ  ガトーフルール
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▲ブッフェの写真その3。同店自慢の名物生ソフトクリーム[クリミア]は、残念ながら食べ放題メニューに用意されていなかった ▲アイスはこちらセルフでドリンクバーからどうぞ。一方ホットドリンクはカウンターでオーダーする様式。
▲正直申して凡庸なチョコファウンテンなんか片し、ホイップやアングレーズソース、カットフルーツ等でポップオーバーカスタマイズコーナーを設えた方が、みんな喜ぶと思う ▲店内ずっと満席状態。人様にレンズを向けるわけにいかず、内観や席の様子があまり撮れなかったので、代わりにこちら入口カウンターレジ付近のショットでご勘弁を

(取材日:2016年4月21日)