中川区/宮脇町

ヴォーノ・カフェ 中川店

▲サラダバー。これと言ってときめくものはないが、980円バイキングならそこそこのラインナップ。しかし補充が遅い ▲店舗外観。外接の扉があるのに閉鎖されており、ヨシズヤ館内側からしか入れない
▲なぜか厨房を幕で遮蔽して見えないようにしてあるドリンクバー近辺。しかも業務用メーカー品ディスペンサーに店舗ロゴを貼って無理やり雰囲気を出そうとしている。 ▲パフェバートッピングとドルチェコーナー近辺。ソフトクリームのお味は殆どおすすめできない

― DATA ―
企画名ヴォーノイタリアのカジュアル版
メインメニューパスタ・ピザ
お値段平日980円/土日祝1,080円(昼も夜も値段変わらず)
※2011年末頃閉店
制限時間無し
実施タイム営業時間内
ドリンク飲み放題!
その他ルールオーダー品は1回につき1品までで、同時複数オーダー不可/全席禁煙

― JUDGE & COMMENTS ―
●ヨシズヤ太平通り店1Fにオープンした《ヴォーノ・カフェ 中川店》は、中部地区において最近凄まじい勢いで出店数を増やしているバイキングレストラン“ヴォーノ・イタリア”FCのカジュアル版
 平日なら昼も夜も僅か980円でピザとパスタがオーダースタイルで頼み放題、尚且つサラダバー・ドルチェバー・ドリンクバーもついて時間無制限!…という驚かざるを得ない超ダンピング低価格設定。
 ………しかし、何を優先し何を犠牲にして、納得して980円オーダーバイキング店に入るかは、消費者それぞれが判断すべき…と思えてくるような1軒。
 兎にも角にも“オーダースタイル食べ放題で時間無制限おなかいっぱいになって下さい”という形にだけは、確かにウソはない。

 ほんでそのヨシズヤ太平通り店にテナントする飲食店は、レストランというよりいわゆるフードコート系店舗が多く入っており、バイキング店と言えるのはこのヴォーノカフェのみ。
 入店した際、なんか店の外観も内装も、付焼刃っぽい違和感が。それもそのはず、撤退したマクドナルドの内装や設備をそのまま流用して改装したから。
 ブッフェ店にしてはぎこちない配置のレジ、カウンターの内部に位置してしまっているドリンクバー、マック特有の固定テーブル席撤去の跡が生々しく残る古びたフロア等々が、いやでもソレを物語っている。
 この“潰れた前店が残した設備を無駄なくとことん使う”という節約方針は同FCの他の店舗でも発揮されてるようで、サンマルクや大地のテーブルがそのまんまヴォーノになったケースもあるらしい。
 とりわけヴォーノイタリアのロゴとキーアートを随所ベタベタ覆って前の店の名残を埋め尽くそうとする景観は、ややナラズモノちっくで感心すらしてしまう。

 入店すると、人手の少ないホールで目が回りそうになってる従業員さんが必死に片し、席に案内してもらえたのだが、なんとテーブルクロスが使い捨ての紙製
 「色鉛筆を設置して子供客の落書きフリーをサービスしています」というのが建前だが、テーブルの清掃とふきんを管理する手間を省く人件費節約スケープゴートであることはいわずもがな。
 加えるに、一見真新しいチェアが恐ろしく固い。このすわり心地が苦痛で、食べ放題の制限時間はなくても、腰とおちりのタイムリミットは刻一刻と迫ってきそうだ。
 ホールは勿論洗い場にも人手が足りないようで“返却口”の詰みようがカオスだったり、ドリンクバーの汚れがガビガビに固着していたり、補充が遅くてお皿が30分以上空っぽなのはザラ……。
 全体的にカフェやレストランの清潔感が感じられず、まるでスーパーやコンビニで時々見かける買い込み飲食フリースペースの雰囲気。

 さて、オーダーバイキングのルールは、一度に注文できるピザ/パスタは1品まで。但しオーダー品が席にサーヴされてきた際に追加注文OK。完食ルールではないのだ。
 オーダーメニュー盤を拝見。ピザお品書きはビスマルク,トンノ,照り焼きチキンとマヨネーズ,マルゲリータ,じゃがいもコーン,チーズはちみつ,もちとのり。1枚の大きさは通常1人前8割くらい。
 パスタはトマトソース,アマトリチャーナ,ボロネーゼ,ほうれん草ベーコンクリーム,ずわい蟹クリーム,カルボナーラ,きのこ生姜風味,ツナおろし,じゃこおろし。1品の量は通常の6割くらい。
 他、グランドメニュー以外のそのシーズン限定メニューとしてジェノベーゼパスタ,ボンゴレパスタ,ツナコーンピザがあった。

 ピザ生地は本部製を手早く窯で焼いているようで、食感は及第点以上。しかし失笑するくらい具が寂しいので満足度はあまり高くない。
 一方致命的なのはパスタの方。麺はアルデンテちょい手前の、固さがいい按配なもちもち感の茹でたてアツアツだったにもかかわらず、あえられたソースの不味いこと
 クリームパスタは薄めた即席コーンスープのようにしゃびしゃび、トマトソースもミネストローネの水増しみたい。
 何より、各パスタにオリーブオイルやバジルやガーリックの味と香りが全くしないってのが、気味悪くて。

 ブッフェコーナーの方に目を向けると、サラダは常設4種、カップデザート常設2品。さらにソフトクリームマシンとそのトッピングが用意。他、綿あめ機があったが、誰も使う人はいない。
 ドリンクバーは炭酸ディスペンサー(ペプシ,ジンジャエール,オレンジJ,ウーロン茶など)とコーヒーマシン(ラテ,アメリカン,カプチーノ,ココア等)、製氷ディスペンサーを用意。
 また、ソフトクリームマシンによるソフトの味は、トッピング含めてかなり厳しい。ソフトというより、10円駄菓子の石油クリームを冷やしたモノを食べてるみたい。
 チューブ入りフルーツソース3種(ブルベリ,イチゴ,チョコ)も最低ラインを切った品質。パフェバートッピングはチョコチップ、ウエハース、シリアル、マシュマロがあるが、マシュマロが乾いてカチカチなのにはこっちまで緊張した。
 カップデザートの抹茶トライフルは既製量産品を解凍しただけだが、厨房でスタンドパウチから溶いて冷蔵で固めたとおぼしきパンナコッタマンゴープリンは決して悪くない味。これは延々おかわりを頂いて十分楽しませて頂いた。

 う〜ん、快活な接客は素敵に思えるくらいなのだが、正直、安かろう酷かろうのお店。
 普段なら「OK,OK!千円以下で食べ放題だもの♪これぐらい全然大丈夫」と激安バイキングで多少の粗は不問に付す筆者も、外食産業の数々の基本を侵す、この店の随所の切り詰めと常識のナイガシろには幾度も鼻白む。
 私は正直、980円を安いとは感じられなかった。未踏のヴォーノイタリア他店は1,380円でドルチェバーが別料金とのことだが、まさか同じ質の提供なのだろうか。

 ところで“BUONO”は普通ヴォーノじゃなくて「ボーノ」だと思うのだが。ひょっとしてボーノだと同名の他社店舗があったから『ヴォ』にしたのかしら?

当日の収穫!

▲品名不詳(抹茶のトライフル,パンナコッタ,マンゴープリン) ▲ソフトクリーム+ブルーベリーソース ▲ソフトクリーム+苺ソース
▲品名不詳(スイーツ2品,サニーレタス&水菜,ニンジンのマリネ,ツナビーフンなます?) ▲品名不詳(パンナとマンゴープリンがそこそこおいしいんであるだけ食べちゃえ) ▲品名不詳(フルーツソースで味変したらマズくなったぉ)
▲チーズとハチミツのピザ(撮り忘れで食いかけのショット。でもこれはまぁまぁおいしかった) ▲照り焼きチキンとマヨネーズのピザ(具がちみっこくて苦笑い) ▲アマトリチャーナパスタ(ソースもベーコンの味もなんか変)
……ピザ具は小さくて寂しい、パスタソースは水っぽい。オーダー制でアツアツだけが取り得。
▲ずわいガニのクリームパスタ ▲フレッシュトマトジェノベーゼソース(ニンニク、バジル、オリーブオイルの味と香りがゼロ)

― みちあんない ―

■名古屋市バス停[宮脇町]降りてすぐ。ヨシズヤ太平通り店1F。

【所在地】〒454-0842
愛知県名古屋市中川区宮脇町2丁目11番地
ヴォーノカフェ中川店
【営業時間】午前10時〜午後8時半/定休日はヨシズヤに準拠
【tel】052-354-1144
【関連サイト】公式サイト ホットペッパー 食べログ
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▲店内はこんな感じ。前店舗のマックの設備を無理やり流用した造りなので、ドリンクバーやレジカウンターの配置が不自然 ▲綿あめ機。筆者滞店中の間利用する人は、とうとう1人もみかけなかった

(取材日:2011年1月26日)