静岡県富士市/富士駅,新富士駅

パティスリー・デ・ボア

▲プチケーキバイキングコーナーはこちら。ひょっとして安物解凍の切り出しなんじゃないかって?いやいやとんでもない!どれも丁寧なオリジナル厨房品ばっかり! ▲テナントビルの事情でケーキショップとして表通りにアピールしにくい不利な造り。でもケーキもランチも、お味は確か!
▲終了時刻はこんな感じの葉っぱ型カードで提示。因みにアイスコーヒーのお味が普通だが、グラスがLサイズなのが嬉しかった ▲バイキング用のプチケーキひとつひとつ、ホイルや深口紙容器で包まれて並べられている。名札も事細かに全っ部作ってあるゾ

― DATA ―
アクセス静岡県富士市/JR富士駅徒歩20分/新幹線新富士駅徒歩5分
お店のタイプパティスリーランチカフェ
代表メニューケーキ/洋食
お値段午前11時〜午後2時⇒ランチつきケーキバイキング1,400円/午後2時〜午後4時⇒ケーキバイキング1,150円
制限時間90分
実施タイム毎週水曜・木曜(夏休み期間は金曜日も実施)/午前11時〜午後4時
ドリンク2杯つき
その他ルール全席禁煙/ホットペッパーに割引クーポン有り

― JUDGE & COMMENTS ―

(スイーツ類>調理系>ドリンク)
【★★★★☆】 立地
(場所へのアクセスは便利かどうか)
【★★★−−】
利便性
(いつでも気軽に利用できるか)
【★★★☆−】 各品の状態
(補充の良し悪しや鮮度など)
【★★★★★】
快適さ
(席の座りごこちや通路の広さなど)
【★★★★−】 お得感
(相応値段以上に楽しめるか)
【★★★★☆】
接客
(従業員さんが親切かどうか)
【★★★☆−】 混雑度
(混み具合や行列具合)
[普通]
●青春18きっぷで名古屋から東京に赴く際、交通費安く済むのはえぇけど静岡あたりが凶悪に退屈な上おなかもすいてくるのよね〜……という、途中下車散策シチュエーションの折に、場所もお味もコスパも非常に快哉だった1軒。
 JR富士駅から徒歩15分、新幹線新富士駅からなら5分《パティスリー・デ・ボア》だ。

 お店は至極普通の喫茶店風佇まいで、ケーキ工房カフェなのに中の様子や商品が通りから伺えず、別店舗の店を改装したビルの変遷が忍ばれる。しかし店舗内はピカピカに改装され、ポップでファンシーな内装が愛らしい。

 食べ放題実施タイムは毎週水曜・木曜、午後12時〜午後4時。ランチタイムは1,400円でミールつきだが、ティータイムはケーキバイキングのみで1,150円…という時間割が振られている。
 因みにドリンクバー設置は無いものの、十分なサイズのグラスにて2杯オーダーまで料金内…という有り難い計らいがある。

 バイキングのシステムは、対面ショーケース内に配された2口サイズの特製プチケーキをその場でオーダー、即座に受け取れるスタイル。
 プチケーキといってもショップ売りポーションの昨日の売れ残りハーフカットなどではなく、当日の朝、バイキング用に焼かれたデボア特製厨房品。奇を衒わずとも創作性が豊かで、尚且つどれも鮮度に文句は無し!

 新鮮なコンポート苺を挟んだ[フレジェ]は、ほっぺた落ちる程抱擁感のある生クリームに酩酊。それだけじゃなく苺クリームを少しだけ搾ったり、ドライストロベリーも散らしたりして、苺要素だけであれこれ緩急つけてあるのが面白い。
 [ブルーベリーバナナロール]はベイクされたブルーベリーによる熟された食感の噛みごごちが小気味良い。コレも生き生きした生クリームとバナナテイストが相まって、珠玉的な逸品に。
 スフレ3種はどれも極上。チーズのコクが力強いだけでなく、舌で転がしたくなるほどクリーミー。味違いのハーモニーが面白くて、意外とチーズと合う[パイナップルスフレ]や、お茶の香りが後からふわっとついてくる[川根茶スフレ]が優美であった。ただクリーミィ過ぎて固形を保てず、深口紙ケースとかにひっつく粘着感が結構めんどい。
 [水わらびもちピーチ]のオリジナルわらびもちが妙味で、ナタデココと寒天の間のような、変わった食感。桃の瑞々しい甘さも爽快。
 [おふプリン]はパンプディングのパンの代わりにおふを登用。もっちり食感のお遊びプリンとしてもカスタードプリンとしても上質。底で煌くカラメルソースの仕上がりにも要注目。
 そんな訳でカスタード系が卓抜したお店なので、[ブリュレ]の濃厚テイストによる官能的な仕上がりは必然的に思えた。バニラビーンズたっぷり。

 アレもコレも美味しくて殆ど非の打ち所がないのだが、最もインパクトがあったのはスイーツではなく、ランチミールの[シュードリア]であった。
 デッカいシューにホワイトソースが雪崩れるようにかかってて、なんかスゴイの来たな〜〜〜と思って一刀両断して開けてみたら、中身はキノコとベーコンたっぷりの熱々ドリア!
 是非、フォークでまとめて一刺しして、シュー皮も具もライスもホワイトソースも、せーの!でお口に入れて、全てのお味を同時にはふはふして頂きたい絶品。プレート脇役のソフトクリームと冷製ミネストローネも如才ない素晴らしい出来。
 因みにパスタやピラフやジャンバラヤなど取り揃えるランチメニューの中で、このシュードリアのみ1日限定5食の縛りがあるとのこと。

 「来店の皆さまには、いつものショップ売りケーキとは一味違う20種類以上の焼き立て特製プチケーキを、たっぷり楽しんでもらいたい。」
 「ちょっと贅沢なオリジナルのコース仕立てランチも格安で堪能して頂きたい。」
 ……そんなお店側の真心のこもった指針とコンセプト軸が、くっきり伝わってきた1件。何かのついでに実施するような売れ残り処分や流用などではなく、地に足の着いた逸品を消費者に提供する、大変に殊勝な食べ放題を体験出来、心行くまで大満足のお昼を堪能させて頂いた。

 難点はJR富士駅から結構歩かされることと、平日実施で旅行者や社会人には来訪が厳しいこと。
 それでも夏休み期間は金曜日実施を敢行するなどの配慮があり、またオープンしてから2年でこのお味とお値段なら、運営は充分安定しているように思える。
 是非再訪を誓いたい、静岡ケーキバイキングの名店の登場だ。
【総合判定:★★★★☆】手間、真心、味の研鑽。ケーキカフェ型バイキングとしては一頭地を抜く。


当日の収穫!

▲ランチ前菜(最初何が来たかと思った。マッシュポテトとしめじのオードブルなのね) ▲おふプリン,ブルーベリーバナナロール,グレープフルーツゼリー(真夏の柑橘ゼリーは心身染み入るわね) ▲限定5食シュードリア(冷製ミネストローネのパセリとトマト味も爽やか)
▲アップルパイ(なんとリンゴの皮に似せたパイ生地),オレンジゼリー,フレジェ ▲ブリュレ,川根茶スフレ,梅ロール(梅干コリコリ食感がアメィジング!) ▲水わらびもちピーチ,スフレ苺&パイン,スフレ苺(スフレは全種マーヴェラス!)
▲ヌガーグラッセ(ミキシングして供する冷たくないアイス),マーブルパウンド苺,苺シフォン ▲バナーヌ,チョコロールケーキ,メープルパンケーキ ▲おふプリン,よもぎケーキ(よもぎの素材感が芳しい),チョコムース(ソフトリィなガナッシュとドライ苺)
▲水わらびもちピーチ,スフレプレーン,クラシックショコラ(ちっちゃ過ぎて味わかんなかった)

【所在地】〒416-0942
静岡県富士市上横割258-7
パティスリー・デ・ボア
【営業時間】午前11時〜午後9時半/土日祝は午後8時半まで
【tel】0545-30-7755
【関連サイト】公式サイト フェイスブック ホットペッパー 食べログ
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▲潤わしき冷涼ゼリーも登場。酷暑日の来店だったので体に染み入るように頂けた ▲まるで昨日オープンしたかのような、清掃がピシッと行き届いた喫茶室店内。少ない席数だけど充分くつろげた
▲これは本当に美味しかった!もっちもちの焼きたてシュー皮の中にはベーコン,シメジ,マッシュルームたっぷりのシュードリア。ホワイトソースが雪崩のよう。1日5食限定! ▲こちらはショップ売り部門ショーケース。バイキング用プチケーキラインナップと顔ぶれがあまり合致しない。それぞれ専用のオリジナルなのね

(取材日:2013年8月9日)