東京都墨田区/地下鉄押上駅

サロン・ド・スイーツ(東京ソラマチ)

▲サロンドスイーツのファサード。東京ソラマチ全体が行列と混雑で溢れる中、お店の外観撮るのが大変だった ▲店頭でそびえたつツリー型ブッフェボード。彩り豊富に実るプチフールたち……と言いたいが、陳列品が重複してて種類は少なく、品によっては味も標準を切る
▲スクエアシートとホールが好きなだけ盛ってこれるアントルメ部門。フルーツタルトやチーズケーキなど悪くないのもあるが、全体的に独創性や個性が乏しい ▲店頭の食玩見本とメニュースタンド。この辺もデザート王国やポルトフィーノと同じご趣向

― DATA ―
アクセス東京都墨田区/地下鉄押上駅5分(駅直結だがビル施設の道のりが遠い)
お店のタイプデザートブッフェレストラン
代表メニューケーキ/洋食
お値段ランチ:1,890円/ディナー:2,250円
制限時間70分
実施タイムランチ:午前11時〜午後5時/ディナー:午後5時〜午後11時
ドリンク+105円で飲み放題
その他ルール全席禁煙
※ようつべに動画あるよ!⇒GO!

― JUDGE & COMMENTS ―

(スイーツ類>調理系>ドリンク)
【★★☆−−】 立地
(場所へのアクセスは便利かどうか)
【★★★−−】
利便性
(いつでも気軽に利用できるか)
【★★★−−】 各品の状態
(補充の良し悪しや鮮度など)
【★★★−−】
快適さ
(席の座りごこちや通路の広さなど)
【★★★−−】 お得感
(相応値段以上に楽しめるか)
【★☆−−−】
接客
(従業員さんが親切かどうか)
【★★★−−】 混雑度
(混み具合や行列具合)
[非常に重症]
《デザート王国》《ポルトフィーノ》クリエイトレストランツ社が原宿竹下通りにデザートブッフェレストランの新ブランド《デザートコレクション》を出店(2013年9月6日)。
 スイーツ食べ放題レストランの元祖・デザ王からの進化を伺うのも面白いかもねーと思って上京時の来店候補に挙げていたが……
 そうだ。同社運営なら先にこっちがオープンしてたのよね。東京スカイツリーたもとの商業施設“東京ソラマチ”レストランフロア東館6Fに店舗を構える、《サロン・ド・スイーツ》(2012年5月22日)。
 同社デザートブッフェ捲土重来の布石か!スイパラからシェア奪還の足掛かりか!?これはさぞ優雅で非日常な食空間を提供してくれるんだろうな〜〜という甘い期待は大いに裏切られることに。

 そんでくだんの東京ソラマチ。もうスカイツリー関連の人出は一段落しているかと思ったら甘かった。祝日来館が祟ってあまりの人の多さに辟易。
 しかも、階数が異なる西館・東館がスカイツリーから分離して建つ構造のため、エレベーターに乗っても目的の階まで上がれなかったりするもどかしさ。栄の老舗デパート構造みたいね。
 人いきれをかき分けてどうにか東館6Fにたどり着いたものの、どこのお店の前でもベルトパーテーション内に居並ぶ行列が累々。もう時計は食事時の終わる昼2時を指している。
 《サロン・ド・スイーツ》も例にもれず、数えたらその行列は30人以上。同店舗前では収まりきれず、最後尾はエスカレーター付近に分離してまでの千客万来。結局筆者が入店できたのは、並んでから50分経ってからであった。

 さてバイキングのフォーマットをさらうと、ランチ料金1,890円、ディナー2,520円。ドリンクバー別で+105円(ランチ総計1,995円)。制限時間70分。平日も土日祝も全て同じ割り振り。

 全メニューも一通りチェック。

 先ず店頭でもっとも目立つ、ツリー型巨大スタンドのプチフール部門。
 色とりどりのゼリーなどが煌びやかに陳列されているが、よくみると同じ種類のものが2箇所・3箇所に分かれて穴埋めしてあるので、実質的しなかずは10種も届かない。
 ゼリーやプリンやパンナコッタの他、ラスク、プチシュー、スイートポテト。厨房冷蔵仕込みで冷やして固める系は悪くないが、[シューパリジャン][スイートポテト]は安物の仕入品で、話にならなかった。

 ホールやスクエアが華やぐアントルメ部門は、大体16種ぐらい。[フルーツたっぷりタルト][チーズケーキ][シフォンケーキ]など健闘している品もあるが、解凍を経て鮮度や味のくすんだムースや、まだ中が凍ってるショコラなど、大きなセントラルキッチンを有する同社ならもっと頑張って欲しい残念な味のモノが大半。せっかくの厨房品なのにケーキの美味しさになってない[パンプキンプディング]が惜しい。
 まぁプチフールとアントルメ、ドリンクバーはデザ王と同程度のレベルを想像して頂ければいいだろう。

 ライトミール・調理系は洗練された流石なメニュー群。
 ベニーナアルファルファが盛れるサラダバー。鶏肉コンフィニョッキグラタンがいつでも温かな状態で補充され続けるライトミール。カルボナーラナスのボロネーゼベーコンペペロンチーノ等回転の良いパスタ各種。
 同社自家薬籠の手慣れた手際よさを感じる品々済々。だがデザートブッフェのお口直しでもあるので、もう少し味は濃いめに、塩辛さは強めにしても良いかと思う。

 しかしミールの堅調さを差し引かなくとも、スイーツブッフェ専門レストランとしては随分と面白みに欠ける。

 ベージュとクリーム色の内装に結婚式場のフレンチレストランのような清楚な雰囲気もないことは無いが、ウリとするには中途半端だ。
 よそ様とは異にする目玉は何?独自テーマはあるの?独創コンセプトは一体?
 実演またはセルフのクレープや焼き立てワッフルがある訳でもないし、限定オーダー制で熱々アップルパイアイス乗せやセミフレッドがある訳でもない。
 パンケーキマシンをブッフェで実用化したりとかは?
 時限提供の厨房焼き立てシフォンケーキに溶き立て生クリームかけ放題とかは?
 コケ脅しでもイイからバーナーキャラメリゼやグラサージュどばー!をガラス張り厨房でショウアップして客の目の前で出しちゃうとかは?
 プリンとゼリーがそれなりに美味しいんだからバケツプリン、バケツゼリーを目玉にしたりするのは???

 他店に負けない、真似できない特化した何かが足りないのだ。

 スイーツメニューと演出に斬新な決定打がなく、それがこのブッフェの全体印象を平坦なものにしている。しかも《デザート王国》と同じようなクオリティなのに、料金が約500円程高い、その上乗せは何なのか
 かように、食べ放題ファンは釈然としないまま店を後にすることになるのだ。そう考えるといっぱしのホテル料金並みの請求をするディナー代2,625円のバカ高さは失笑を禁じ得ない。

 店内所狭しと大小のマカロンタワーが飾られている。照明器具までマカロン型。
 味には全く関係ないが、観光地のいちげんさん向けとしては楽しい演出だ。
 それこそ、この店の最たるフレームワークがあるのかも知れない。
【総合判定:★☆−−−】スイーツ食べ放題ファンが気に留める店じゃない。単なる観光客向け。


当日の収穫!

▲シューパリジャン(しけたお味),なめらかプリン(悪くない!),スイートポテト,ぶどうのジュレ,ベリーのジュレ ▲パンナコッタ(メープルぽい味が面白い),クリームコーヒーゼリー(水準以上),シフォンケーキ(意外と美味しかった) ▲抹茶のムース,ゆずゼリー,マンゴームースココナッツ,ストロベリーロール(苺ソース安っぽい),ガトーフランボワーズ
▲チーズケーキ,フルーツたっぷりタルト,ティラミス(この3品はなかなか良かった) ▲フランボワーズショコラ,ストロベリーショートケーキ,レアチーズカシス ▲ブレッドパンプキンプディング,フォンダンショコラ(熱々トロトロでよろしい)
▲サラダ各種(ベニーナ,アルファルファ,レタスMIX,海藻,水菜)鶏肉とキノコのコンフィ ▲ガーリックポテト,クリーミーカルボナーラ(ミールはどれも基準値クリア) ▲ボロネーゼ,ペンネグラタン
▲ニョッキバジルソース(もちもち&アーリオオーリオバジル味がこおばしい),ベーコンのペペロンチーノ(もっと辛く!)

【所在地】〒131-0045
東京都墨田区押上1丁目1番2号
東京スカイツリータウン 東京ソラマチ6F
サロン・ド・スイーツ
【営業時間】午前11時〜午後11時
【tel】048-827-1161
【関連サイト】公式サイト 食べログ 東京ソラマチ公式サイト
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▲同社工場から搬入丸投げばかりじゃなくて、ちゃんと厨房スイーツもあるよー。パンプディングとフォンダンショコラ ▲1,400円ぐらいのデザート王国としてなら十分楽しめるが、大混雑の行列観光地で二千円払って入るのはしんどいラインナップだった
▲4時過ぎても全く客足が引かず、店内の席の様子は撮れなかったので、殆ど天井のショットでカンベン。店内の内装はマカロンタワーだらけだった ▲調理部門は実に手慣れた采配だった。ニョッキはもちもちだしコンフィはンマイし。でもそれなら普通の1,500円イタリアンバイキングに入ればいい気がする

(取材日:2013年9月23日)