Bally/1996スケアード・スティッフ | ||
原題 | Scared Stiff | |
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製作年度 | 1996年 | |
ブランド名 | バリー | |
メーカー | バリーミッドウェイ・アミューズメント・ゲームズ/ミッドウェイ・マニュファクチュアリング・カンパニー | |
スタッフ | デザイン:デニス・ノードマン、グレッグ・フレーレス/美術:グレッグ・フレーレス/ドットアニメ:アダム・リーネ、ブライアン・モリス/メカニカルエンジニアリング:ウィン・シュリング/メカニカルデザイナー:ジョー・ラヴデイ/音楽:ポール・ヒッチ/ソフトウェア:マイク・ブーン、キャメロン・シルヴァー/バックグラス画:グレッグ・フレーレス | |
標準リプレイ点数 | 800万点 | |
備考 | 製造台数:4,028台/ようつべに動画あるよ!⇒GO! |
▲うねるボニービーストのランプレーン。十分迫力あるが、本当はもっとあばら骨びっしり感が禍々しくカッコ良かったのに、予算事情でライン直前で削除されてしまった | ▲妖艶なエルヴァイラ様再び!スケアードスティッフのバックグラス全画角。 |
▲バックグラスのタイトルロゴアップ。隣のタランチュラは要所要所で回転 | ▲フィールド下部。因みに今回の写真は20年前のショットをネガスキャンで起こしたもの。当時の新宿パセオでロケテスト台を撮影させてもらった |
▲一番楽しいのがこの恐怖の木箱。4回ヒットで2マルチリーチ。ショット5回目はストンとボールを飲み込む意表を突いた演出が秀逸 | ▲エルヴァイラ様クローズアップ。因みに黒猫も彼女のおうちのネコさんがモデル。見えにくいがお菓子の箱には彼女のお子さんのお顔も描かれている |
▲左右スリングショットで跳ねる2匹のブギーマン。このキャラクターも前作からの引き継ぎ | ▲デッドヘッズフィーチャーが関連したガイコツ絵のトップレーン。進捗の度に表示されるドットアニメのデモが最高に面白い |
●あの「エルヴァイラ」のピンボールが還ってきた! WMSバリー1989年の痛快作「エルヴァイラ・アンド・ザ・パーティー・モンスターズ」は、それまでウィリアムスに吸収されて以来大きなヒットに恵まれていなかったWMSバリーが、初めてプレイヤーに高く評価される契機となった、同社にとって一里塚と言える一作。 そのエルヴァイラピンボールの続編が、7年ぶりに同バリーネームにて満を持して発表。それが「スケアード・スティッフ」です。 デザインチーフのデニス・ノードマン及び美術班グレッグ・フレーレスなる中心スタッフ2人は前作からそのまま続投。 '89年度版のクオリティを超えるのは勿論、時代の希求と期待を十分に応えてみせるマシンを送り出しましたが、残念ながら完成直前にWMSが市場氷河期によるセールス低迷を憂慮、ピンボール部門の縮小を決定。 マシン発売後のセールスは上々だったにもかかわらず、デザインクルーの舵を取っていたデニスを制作途中で降板させるという仮借無き決断を下しました。 代わってデザインチーフ代行に着任したのがマーク・ウェイナ。 彼はほんの2年前の1994年頃まで、昼はインディーカー関連のビジネスで生計を立て、夜はピンボールに没我する毎日を送っていた人物。 何がきっかけでデニスと出会ってピンボール業界に身を投じることとなったかは、賢明なプレイヤーの方ならすぐ合点がゆくかと存じますのでここでは割愛。 一方今作スケアードは日本国内において当時タイトーのディストリ販売候補の筆頭で、専用インストカードもきっちり作成された上で渋谷のタイトーステーション及び新宿パセオでのロケテストが催されていましたが、運悪く両店舗で初歩的且つゲーム性に致命する故障が発生。 単にその時節に整備できる従業員に恵まれていなかっただけとも言えますが、同社は国内リリースに耐えうる製品では無いと判断。不運にも国内発売が見合されてしまいました。本当に残念でなりません。 【2ボールマルチ/恐怖の木箱】フィールド上部中央の木箱型ホールに25万点以上のジャックポットがかかり続ける2ボールマルチ。木箱ヘのシュート5回でスタート。 【トップレーン/リターンオブザデッドヘッズ】トップレーンを点ける度にディスプレイでは死者の顔が復元される25万点ボーナス。どんな顔のヤツが出てくるかは見てのお楽しみ。3人復元でコンプリート。 【バンパー/モンスターラボ】バンパー20回ヒットでクリーチャー誕生。以後バンパーヴァリューは1万点と化す。 【左ランプレーン/骨ドラゴンの両眼】左ランプへのシュート3回で骨ドラゴンの両目が完成。以後、左ランプヴァリューは10万点+回数×1万プラス。 【カエルターゲット/ナイトオブザリーパーズ】左右ランプレーン入口付近に計3か所あるカエルターゲット全てヒットさせるとコンプリート。カエル人形が飛び上がる仕掛けも楽しい。 時間制でこれらターゲットにEx.がかかることもあるが、アウトレーン落下の危険性の方が高いので無理するべからず。 【3ボールマルチ/棺桶からゾンビ】左右ランプレーンで50万点以上のジャックポットがかかり続ける3ボールマルチ。左レーンでの3回ボールロック完了でスタート。 ロックが点いていない場合は左ランプへのシュートでリット。 【最終ゲーム/スケアードスティッフ】500万点+4ボールマルチ+100万点ジャックポット取り放題のウィザードモード。 前述の6つのテラーを全てやり遂げると、木箱にて[スケアードスティッフ]への招待が待っている。シングルボールで45秒以内に点滅JPに次々とシュートを決め、恐怖レベルメーター“Stiff-O-Meter”を最高値まで上げるべし。 ホワイトウォーターのヴァケーションプランナージャックポットを彷彿とさせる、成功時のカオスな騒乱デモが見もの 。 【スキルショット】プランジャースキルショット。思い切りプランジするとボールは木箱へとヒット(初心者推奨)、すぐ左下脇のスキルショットホールを狙い打ちできればスキルSボーナス25万点、さらにうまく加減すればスパイダールーレット稼働のホール(実は一番オススメ)に落とすこともできる。 【スパイダールーレット】バックボックスのタランチュラが回るルーレット。ボースフリッパー操作で止まった図柄の意味するものが得られる。右ホールの“SPIDER SPIN”ライト点滅時に稼働。再点滅は右ランプレーン。 尚スパイダー全項目獲得の暁には、エヴリシングリット・マキシマムマルチボールの[スパイダーマニア]が君を待っている。 【エキストラボール】木箱のすぐ右上の中央レーンにEx.ライトの有り。右ランプ規定数で点けられる他、スパイダールーレットの項目でも点灯可。 獲得時のデモのエルヴァイラの熱い眼差しが悩殺的!? 前述のように日本では不遇の扱いを受けたマシンでしたが、米業界誌ReplayMagazineのインカムランキングPinball部門では、マーズやメディーヴァルといった身内の強敵を相手に4か月連続トップ1という輝かしい戦績を保持。 しかもリリース月の'96年12月号では全ジャンルアーケードゲームランキングで堂々8位に食らいつき、3位のコナミ製「ワインディングヒート」や7位セガ製「ガンブレードNY」、9位のナムコ製「タイムクライシス」と轡を並べる快挙も達成。でかしたぞ我らがエルヴァイラ! これだけの支持を享受出来たのはエルヴァイラという魅力的なカリスマ・ホラー・ミストレスの再起用もさることながら、映画ライセンスバブルによる好景気に迷走の限りを尽くしたスタッフたちが猛省し、ピンボールらしい元来のゲーム性の研鑽を尊ぶ作りに立ち返った、気概と心意気の結実でもあったと言えましょう。 アダムスバブル以来蔓延していた、初心者が全くついていけない偏重的ミニゲームウィザードなんかはもう廃止。 その代わりにミッションを各所に点綴させて里程標を明晰に示すトータルウィザード方式を採用。各フィーチャーをウィール型にライト表示させ、ゲーム性のバランスも平明さも、きっちり整序されています。 ついでに、10億,20億と厖大していたアホらしいビッグポイント配分も、今作では100万点単位にばっさりカット、標準リプレイ点数 at 800万点。快哉! またドットアニメ、サウンド、ギャグセンスもキレキレに冴えており、炸裂する木箱の2ボールマルチや爆笑必定のデッドヘッズ出オチ一発ギャグ、はたまた棺桶からトランクス姿のパンツゾンビが登場してボールをリリースさせるコフィン3ボールマルチなどなど、スリリング且つウィットに富んだアトラクションも、のべつ幕なし矢継ぎ早! それらにエルヴァイラ嬢の気立てよくも毒気たっぷりなヴォイススピーチが全編にあてがわれ、終始ご機嫌なテンションでプレイヤーを牽引していきます。初回プレイ時は笑いをこらえるのにも必死こくこと請け合い。 プレイヤーにもオペレーターにも評価された「スケアードスティッフ」は、最終的にはWMSにおいて四千台強ほどの製造ユニット数を記録。 実はこれ、「メディーヴァルマッドネス」と同等で、「アタックフロムマーズ」「モンスターバッシュ」よりも売れていた数字です。 もっと早く撤退するかも知れなかった晩年のウィリアムスをギリギリ首の皮一枚で命脈を繋げていた影の主役は、実はこのスケアードスティッフだったのかも知れません。 さて、同モデルは前述しました通り、デザインチーフだったはずのデニス・ノードマンが製作途中で解雇される酸鼻の他にも、完成するまであらゆる艱難辛苦に見舞われた苦難のプロジェクトだったことを、デニスとグレッグたちは述懐しています。 先ず着想の発端は、デニスがディズニーワールドへ家族旅行に出かけた際、カリブの海賊アトラクションのお土産品として買ったLED眼光ガイコツグッズでした。 “これ、エルヴァイラPINの2作目で使えそうだな” 構想が膨らみつつある中、デニスはシカゴで開催されたホットロッドカスタムショーへ来訪。 実はGフレーレス、Sリッチー、Mリッチー、そしてデニスのピンボール親父4人衆で今もツーリングに出かけるほどの車・バイク好きである彼は、知人の出展ブースに駆け付けて改造車の話題で談笑していました。 そこに、あらあらお久しぶり、とイベントゲストとして招聘されていたエルヴァイラ様がご登場。 実は初めからデニスは特別ゲストとして彼女が会場に来るのを知っており、話をつける絶好のチャンスと智謀を巡らせていたのです。 早速エルヴァイラピンボール第2弾を出さないかと彼女に持ちかけたところ、I'd Love It!と二つ返事で快諾。 即座に美術担当の相棒グレッグ・フレーレスと共に構想を練り始めたものの、意外やウィリアムスサイドが難色を示し、企画は没にされかけてしまいます。 “ドットマトリクスに。DCSサウンドシステムに。進歩した技術でまたエルヴァイラを作りたかったけど、ウィリアムス派閥に意地悪されてね。中々事が進まなかったんだ” '88年に業績悪化で買収されてウィリアムスの軍門に下ったバリーミッドウェイ。そのお里からのスタッフであるデニスとグレッグたちにとってWMS内は肩身が狭く、ピンボール部門の先達であるウィリアムス側のマネージメントたちに至っては、時折彼らへ居丈高に立ちはだかっていたことを吐露しています。 前作「パーティーモンスターズ」においても、傘が跳ね上がるジャンパーバンパーをデニスがデザインした際、ウィリアムスのマネージメント側がノーマルなバンパーに変更するよう権高に圧してきたことがあり、バイク事故を起こして入院中のデニスに代わってグレッグが必死に食い下がりました。 これはデニスのゲームだ!なぜ変えなければならない!?と論戦するものの、ウィリアムスは頑なに固辞する方向で埒が明かない。 グレッグが途方に暮れていたところ、その揉め事がミッドウェイゲームズのジェネラルマネージャー ケン・フェディスナの耳朶に触れることとなり、 「デザインどおりそのままラインに乗っければええ話やんけ!」 と、ごねるウィリアムス陣容をフェディスナが喝破。 どうにかデニスのジャンパーバンパーが、その後のバリーバンパーの標準モデルとなり、「エルヴァイラandtheパーティーモンスターズ」以後も「ドクターデュード」「ギリガンズアイランド」「パーティーゾーン」「ブラックローズ」等々で、しばし活躍することになりました。 デニス当人も、まだ完全に統合されずに工場も部門も分かれていた頃、先住ウィリアムス陣営が、後塵バリースタッフの業績向上をよく思おうとしない空気を、少なからす漂わせていたことを打ち明けています。 確かに、ウィリアムスモデルと比べてバリーネーム台には企画ものや新米デザイナー作ばかり連綿している印象を当時筆者も抱いていましたが、その辺りも、ウィリアムス側の縄張り意識の牽制が及ぼしていた現れだったということでしょうか。 永年ピンボールの最大手としておおでを振るわれてきた上、'80年代初頭には買収話までもちかけられたことすらあるバリー社に対する鬱積した感情が、ウィリアムスのプレジデントたちの間に底流していたのでは……という、なんとも人間臭いエピソードです。 話をスケアード企画段階の説話に戻しますと、グレッグは滞る企画を進展させるべくWMSマネージメントへのプロモーションとして、リターンオブザデッドヘッズの原型となった3段ピラミッド型ガイコツグッズを自前で作成。 ハロウィンの時期だったこともあって、中にキャンディをつめてマネージメントたちに配布、エルヴァイラピンボールのコンテンツ的魅力の説得を試みます。 そんな洒落が効きつつも真摯に訴える姿勢と情熱がWMSジェネラルマネージャーのニール・ニカストロにも伝わり、無事ゴーサインのご神託を拝受することになりました。 しかし同時に、 “我々に必要なのはヒットでも三塁打でも無い。場外ホームランだ。必ずや大当たりを叩き出せ!” と、デニスとグレッグたちへただならぬ重圧が掛けられることにもなったのです。 ようやく製品化の見通しが立ったデニスとグレッグは、今作のタイトルを「エルヴァイラ〜ミストレス・オブ・ザ・ダーク」と仮決定し、エルヴァイラが女主人を務めるお化け屋敷探検というシノプシスを創案。屋敷内各所のミッションを完成させてゆくという大筋をまとめました。 しかしプログラマーの、あの濃い顔のマイク・ブーンが余計渋面を露わにしながら、「凡庸にも程がある」と2人の草案に異を唱え、更にニカストロからもプロットの練り直しを厳命されます。 消沈した2人がオフィスに戻り、しばらく膠着状態に陥った自分たちの有様に対し、グレッグの口から思わずついて出た一言。“Scared Stiff!”……それだ! こうしてタイトルが本決まりになった後に、マーク・ウェイナがスティッフオメーターのアイディアを創案。続いてマイク・ブーンとキャメロン・シルヴァーがウィザードへの進捗状況と啓蒙を明白に認識できるウィール型ライト表示に整え、スパイダールーレットのミニヴァリューも整頓。 グレッグのお気に入りだった眼球プランジャー、及び骨ドラゴンランプレーンを覆うびっしりの肋骨、そして企画のとば口だったガイコツLEDまでもが予算削減令で省かれるもどかしさがあったものの、スケアードスティッフピンボールは、俄然シンプル且つ奥深いゲーム性へと整えられてゆきました。 しかし前述のように、デニスの途中降板という最悪の憂き目が待ち受けていた訳ですが、彼への解雇が下されたのは、なんと残酷なことにエルヴァイラ本人を招いたヴォイススピーチ・レコーディングの真っ最中。 突然自分の社員権限が全て無効になっていることに気付いたデニスが慌ててスタジオからオフィスに戻ったところ、そこでマネージメントより己の馘首を言い渡されてしまいます。後日の完成品お披露目となるマシンショーにすら呼ばれなかったそうです。 バリー、ゴットリーブ、バリーミッドウェイ、とこれまで数多のピンボールメーカーを渡り歩いてきたデニスでしたが、プロジェクトの最中に会社から放り出される冷遇はいくらなんでも受けたことが無く、腹を殴られたような気分でしばらく言葉も出なかったとのこと……。 それでもデニスは前向きに業界で邁進を続け、WMS解雇後もスキーボール社でリデンプション台に初挑戦。 そこで手掛けた大型筐体「タワー・オブ・パワー」は今も本国アメリカのロケーションで設置され続けるほどの大ヒット作となりました。 さらにその後、かのジョー・カミンコウから声がかかり、IGT社の大型スロット筐体のデザイナーとして辣腕を振るったあと、標準フィールドサイズでありながら省スペース且つレグの無い薄型バックボックスピンボールキャビネットを自腹で開発。自信作としてスターン社に売り込むものの、ゲイリー・スターンは却下の判断を下します。 しかしそれがきっかけでスターン社メカニカルエンジニアチーフのレイ・タンザーと親交が深まり、彼に雇われる形でスターン製シンプソンズリデンプション筐体「クッキー・カーニバル」を手掛ける仕事が回ってきます。 そして同時に大仕事「パイレーツ・オブ・カリビアン('06)」のデザインチーフへと着任。 スケアードの最初の端緒だったカリブの海賊のガイコツグッズが、まさか10年後に、こんな形で幸運の引き寄せを招いてくれるとは。 青息吐息の苦難もありましたが、デニスにとって思ってもみなかった僥倖だったことでしょう。 ところで、カサンドラ・ピーターソン(エルヴァイラ)さんのお人柄について。 より優れた作品をクリエイトしようとする情熱的な姿勢や、あのコスチューム姿でフライヤー撮影やマシンショー出展の度に長時間立ち振る舞うことも厭わぬエルヴァイラの献身ぶりを、デニスとグレッグは絶賛しています。 しかし一方、バリー社'80年製「ゼノン」のサウンドアーティストのスザンヌ・チアーニは一旦仕事のオファーを引き受けたものの、独特の風采と行状にアグリーさが目立つピンボールマニアを(当初は)嫌悪していたし、データイースト社'90年製「バック・トゥ・ザ・フューチャー」においてマイケル・J・フォックスは自分の肖像がピンボールキャラ化されることを固辞、バックグラスに描かれることさえ拒否しました。 エルヴァイラ様に至っては、常にアイラヴピンボール!とはふれまわっているものの、二度にわたるピンボールキャラクター化のオファーについて、どんな認識を抱いていたのでしょう。本当にピンボールのプレイ経験は豊富なの? “えっ?ホントは業界やピンボーラーに阿ってるだけのリップサービスで、ほとんどピンボールなんかやんないんじゃないかって!? 言ったわね!あたしは昔っからピンボール中毒者よ!アタシがピンボールにハマるきっかけになったのは昔の彼氏の影響なの。彼は根っからのピンボールコレクターで、今も友達づきあいが続いているんだけど、ある日パーティーモンスターズを入手したからって彼の家に呼ばれてね。そこでバックグラスにサインしてあげたの。ほら、(パーティーモンスターズの)バックグラスの墓石にYo!Travissって赤字で書いてあるでしょ?トラヴィス・クレッスウェル。実はその彼の名前だったのよ” “私の娘サディーなんか3歳からピンボールを打ち始めちゃって、今やその腕前たるやピンボールウィザードよ!実はスケアードの木箱は彼女の持ち物からアイディアが来てるの。もう一人の娘リルーナもバックグラスに描いてもらったわ。リトルエルヴァイラに扮した髪型でクッキーの箱に小さく登場してるの。傍の黒猫も、ウチの猫の写真を送って描いてもらったんだから” “私は子供の頃からピンボールという文化に接してきたの。バーで。レストランで。ビデオゲームが流行り始めてもピンボール以外のものをゲームとは思えなかった。だって指先は勿論、体全体を拍動させるゲームなんですもの。だから自分が初めてピンボールになったときは、やったわ!ついにこの日が来た!と飛び上がって喜んだわ。私にとってのアカデミー賞よ。メリル・ストリープなんて出演作ひとつピンボールになってないじゃない。アタシを見るがいいワ!あっはは!!” ……そ、そうだったんですか。コレはコレは失礼しました。 “それより聞いて頂戴。もしかしたらあたしのピンボール第3弾があるかも知れないの。だってスターウォーズやスタートレックが何作もピンボールになってるんだから、あたしの3作目があったっておかしくないわよね。でもね、PINコレクターに会う度に言われるのよ。ボンクラなデザイナーに作られるとクソゲーにされちまうから気を付けな、って。大丈夫!デニスとグレッグ以外には任せないから。ピンボールを作ってもらうのは彼ら以外に考えられないわ!” ……実はこのエルヴァイラピンボール第3弾というものは、デニスとグレッグがジャージージャック社にコンサルティングしていた時節に、同社プラント製造・発売前提で構想していた企画のこと。 現在そのプランは立ち消え状態となってしまいましたが、デニスとグレッグのコンビと言えば最近、他社で制作したシングルフィールド・ショートフリッパー・4桁リールドラムキャビネットの超異色作「おーっと!つゆだくスイカップ娘ネリーさん(Whoa Nellie! Big Juicy Melons)」なる珍作が、スターン社で委託製造販売されるという異例の椿事がかなえられたばかり。 よって、デニス,グレッグ,そしてエルヴァイラの黄金トリオの第3作目ピンボールの登場も、もしかしたら近いうちに本当にありうるかも知れないのです! |
▲ボールロックがかかる左レーン。ディヴァーター稼働でパクっとボールを飲み込んじゃうぞ | ▲右ランプレーン入口。右隣りにはスパイダールーレット項目が得られるキックアウトホールもある | ▲エルヴァイラ様アップをもう1枚。絵柄の細部も見れば見るほど面白い |
▲カエルターゲットはガラスにぶち当たる程のジャンプ力で、ガラス外してプレイするともっと飛び上がって驚くそうだ | ▲グレッグ・フレーレスは、スケアードはプレイヤーとしてなら最たるフェイヴァリットの1台だと言明している | ▲因みにデニス・ノードマンは本当のところ、ホラーがちょっと苦手なんだそうな |
▲この棺桶がパカッと開いて3ボールマルチがリリース!パンツ姿のゾンビも登場 | ▲実はこのスティッフオメーターの面々に、エルヴァイラさんの旦那さんが混じっています(ヒント:ハゲ) | ▲バンパー地帯の奥にはデッドヘッズガイコツが。予算の都合でLEDライトが没になった |
▲左リターンレーン付近のアップ。 | ▲木箱の隣にはEx.のレーンがあるが、結構入れにくくて難しかったことを覚えている | ▲最後は右リターンレーンのクローズアップで。 |