▲今季もマニア評価の高いヒルトン名古屋のデザートブッフェ。小皿、ココット、ヴェリーヌ、ひとしなひとしな丁寧にこしらえられた至高のスイーツたちが出揃った | ▲年末という時節がら、フォトスポットとして膝に乗れるサンタクロース及び鉄道模型がセッティング。他、カフェ中央には天をも突く巨大ツリーが登場 |
▲希少素材「赤〜いリンゴ」の解説。それなら生のカットや普通に焼いたアップルパイで食べてみたかったね。変化球で難しいスイーツばっかりだったからピンとこなかったよ | ▲ブッフェ準備中のザ・ギャラリー。以前は30分ぐらいは早く到着しても座席で待機できたのだが、現在では5分前入場ルールが定められてしまった |
▲あらカワイイ。小動物のような栗のムース。因みによそ様の同フェアのリポートではショコラクリームが巻いてあったり栗ロールケーキだったり。日によって多少異なっていたようだ | ▲頂きまーす!ヒルトン特製タルトタタン。でもそうも珍しいリンゴ素材なら、こんな離れ業のようなポットパイ仕立てより、ミルフィーユかシュトゥルーデルで食べたかった |
企画名 | 土・日・祝日限定デザートブッフェ/マロンとオータムデザートブッフェ |
---|---|
メインメニュー | ケーキ/チョレートドリンク |
ケーキのサイズ | 【小】〜【中】 |
お値段 | 3,100円(税サ込)/但しフェアの内容や原材料高騰などの情勢によって変動あり |
制限時間 | なし |
実施タイム | 土日祝午後3時〜5時 |
ドリンク | コーヒー紅茶飲み放題 |
その他ルール | 分煙有り/公式サイトからの予約で10%引き/流動的だが時折一休予約割引に2,500円コースの出稿有り ※ヒルトン名古屋ザギャラリー2013年版るぽ ※ようつべに動画あるよ!⇒GO! |
味 (ずばり、おいしいかどうか) | [8] | ●創作性溢れる季節ごとのフェアスイーツ。意匠を凝らし、切れるように研ぎ澄まされたクリエイティヴなメニュー編成。優美な吹き抜けラウンジとコンシェルジュたちの流麗な立ち振る舞いによるおもてなし……。 それは大変結構なことなのだけど、相変わらず料金などに臆面無く流動と変転が多い《ヒルトン名古屋/ザ・ギャラリー》のデザートブッフェへ、1年半以上久しくしての来訪。やはり値上げやシステムの変動が多々。 出来る限り引き締めたお値段の企業努力を尽くして上質なケーキを皆さまに楽しんで頂く……のではなく、素材も腕前もレシピも徹頭徹尾、粋を集めて値段もどんどん上げる!というご趣向は相変わらず。 前回2013年版のリポート時と変更になった点を整理してゆくと、先ず土日3時〜5時開催という実施フォーマットは殆ど変わらないが、非実施だった祝日も開催日として含まれるようになった。 料金はかつての税サ込2,500円から値上げされ、オフィシャルでは“お一人様2,839円(税金込・サービス料別)”という、はっきりしない表示。しかし実際のお値段は3,100円である。 余談だが国が定めた総額表示の義務は近年消費税騒動で憂慮され、一旦解除された。そのため、かつてホテル業界に瀰漫していた「サービス料別」表示の旧弊が、ヒルトンに限らずここにきてぶり返してしまっている。 各種割引制度について。 かつてあった15%offクーポンの出稿は停止。その代わり、公式サイトからネット予約を手続きすることにより10%料金割引サービスが適応される。 また、ホテル側が閑散を見計らって一休予約税サ込2,500円という、なかなかいい値引き料金プランをアップしてくれることがある。2名からと言う条件付きだが、見かけたら利用しない手はないだろう。 もうひとつ蛇足すると、近隣金券ショップでヒルトンのギフトクーポンが買えることがある。筆者が購入したのは95%販売。ここで二千円分確保すればさらにブッフェ代から100円こそぎ落とせる。 さて当日。以前は30分程度なら早めに入館してもラウンジの予約席で待機できるはずだったのだが、現行では開始5分前にならないとテーブルには着けないし、予約者でも入れないという。 勝手口側ザ・ギャラリー脇のソファーで座って待機しながら準備中のブッフェボードを観察。すると、パティシエ料理長自らが品々を給仕。離れた位置からも全体像を俯瞰、置いたり置き直したり。目を光らせてセッティングを厳重チェック。 なるほど、準備中で神経使ってるのに我々消費者がスマホやデジカメ掲げてワチャワチャされるのは、シェフの癇に障ったか。だから5分前入場ルールが新たに設けられたようだ。 ブッフェがスタートして来館者が顔をほころばせてスイーツを盛る姿を、先ほどのパティシエが脇で腕組みしながら眺め、うむうむと満足げに頷いている。 では今シーズンの品々をチェック。 先ずブッフェ先頭を艶やかに飾るフェアスイーツは大体12種程。先月は栗が中心だったが、今月は旬で希少種の林檎に重心が置かれている。 手間と時間をかけたカラメルソテーやら、プラリネやガナッシュの濃厚チョコレートやら、ブランデーやコーヒーの優雅な香りづけ……等々、贅を尽くしたお味の濃密さに目が回りそうで、とてもじゃないが全種食べ切れない!いや全部食べたんですが。 すっかり名物となった実演チョコレートドリンク。その場でオーダーして淹れ立て(?)を堪能。5種類掲げられているチョコレート原料メニューの数値は40%〜70%。このあたいが高ければ高い程、カカオの苦味が効いているとのこと。 また実演コーナーにはパンケーキも登場(但し変種のドイツ風)。オーダーを告げれば焼き立てをテーブルまでサーヴしてくれる。 こちらもお馴染みの苺チョコレートファウンテン。具材はマシュマロ、キウイ、パイナップル、その他パンや焼き菓子など。 ドリンクバーは珈琲紅茶Hot/Iceのみ。お味は悪い訳ではないが、ブッフェの気品やスケール感に照らし合わせるとやや物足りなかった。 他、後半お口直しとしてサルサソースや塩味スナック菓子、セロファンチーズの用意もあり。しかしタコスが作れそうで作れないヘンな趣旨の品揃え。もうひと押し欲しい。 最も傑出していたのが、[秋のフルーツタルト]。ヴェリーヌ仕立てでタルトと言うよりトライフルなのだが、何と言ってもリキュール風味ふわふわカスタードの仕上がりが大変に優美。表面はバーナーでくぐらせてあって芳しい。柿と洋梨の熟し具合が絶妙で、正に旬の粋美が結実。 甘さ控えめ、且つ口内で抹茶の香りを残してスッと消える[抹茶のモンブラン]のマロンクリームの出来が出色。下地のブッセ状ビスキュイも上質であったが、もっと生クリームとスポンジのボリューム領土が欲しかったところ。 美しく正確に円みを描いたムース2品[グリーンアップルムース][栗のムース]は、生クリームではなく卵白をたっぷり投入したことが伺える味と食感が全面に顕現。殆どムースのフリしたギモーブと言っていいくらい。特に後者は洋酒の香りとコーヒーのお味が後を引く。 一方、首を傾げたのは[シュークリームのカシスモンブラン]。マロンクリームとは絶対合わないカシスでなぜ相克させたのかが理解できない。シュー皮もフィリングのマロンも美味しかったはずなのだがスグリのキツい酸味が峻烈過ぎて印象が吹き飛んでいる。添えてあるメレンゲ菓子も味的には不要。 [ヒルトンオリジナルタルトタタン]もココットに生地を張るポットパイ仕立てで供するという振る舞いに必然性が無く、正直食べ辛い。これじゃタルトタタンではないしフィリングも少ないし味にもそれほど驚かなかったので、同じような中身なら普通のアップルパイを焼いてくれた方が良かったのでは。 もっと変則技だったのが実演の[パンケーキ]。味が悪いわけではないが、クランブル状の生地とリンゴをソテーしてパンケーキとして供するか意図が判然としない。添えられた苺ヨーグルトソルベを崩して共に頂くのなら、スタンダードなワッフルの方が嬉しいか。 もうひとつ問題作なのがヴェリーヌ仕立ての[ミルフィーユ]。中で緑色を放っていたピスタチオムースがあまりにも青臭くてミスマッチ、まるでアボカドみたいな味に。いや本当はアボカドだったんじゃないかしら。やはりミルフィーユは横に倒してフォークでザクザク!っていう手応えも、美味しさのうち。 そんな狂騒曲的なパートも楽しんでしまおうと思えば、確かに総じて新作・創作・オリジナルの珠玉スイーツが心行くまで堪能できる。 パティスリーのショーケースも覗いてきたが、同じ品や同工のケーキは見当たらない。一捻りも二捻りも時間をかけてアイディアを湧出、メニューを細密に編成していることが伺える。 ただ、ここはパティシエやマイスターの新作品評ライブではなく飽くまでデザートブッフェなので、変化球つるべうちより、もう少し卑近でスタンダードな品が、あとひとつふたつ欲しかった。 尚、12月のクリスマスデザートブッフェ及び来年の苺デザートブッフェの料金は、税サ込で3,500円超え。 最良の素材で意匠を凝らす同ホテルの風格は存じているけれど、コストパフォーマンスの無視もほどほどに。 |
---|---|---|
雰囲気 (入りやすい店か、落ち着いて食せるか) | [9] | |
リベラル感 (実施時間が不自由でないか、ルールがやかましくないか) | [8] | |
接客 (説明など不親切でないか、感じは悪くないか) | [7] | |
立地 (場所は便利かどうか) | [9] | |
お得感 (質量共に料金以上の満足が得られるかどうか) | [6] | 総合【★★★−−】消費者が主役ではなくパティシエ創作ご披露重心なのが気になった。 |
▲シナモンとチョコレートのシブースト(洋梨の甘さの煮詰め具合がハンパじゃない),抹茶のモンブラン | ▲ブルーチーズ風味のアップルパイ(ブルーチーズぽさは残した方が良かった),ヒルトンオリジナルタルトタタン | ▲ヘーゼルナッツケーキ(フロランタンみたいな味),秋のフルーツタルト(シブーストかと思ったらザバイオーネだそうな) |
▲アップルクランブル,グリーンアップルムース(殆ど高級なマシュマロ) | ▲シュークリームのカシスモンブラン,ミルフィーユ | ▲栗のムース,洋梨とカラメルのムース(キャラメルポワールムース×プラリネ×ガナッシュ!濃過ぎてぶっ倒れそう) |
▲実演ホワイトチョコ,ミルクチョコ,フォンデュ用のカットフルーツ(コレ試験前の勉強のお供として欲しい) | ▲パンケーキ(甘〜い!しかも横紙破りの離れワザ変化球過ぎるし) | ▲パンケーキ用の苺ヨーグルトアイスが美味しかったのでソレだけ下さいっつって、それに苺ファウンテン落とした |
……気高い程に壮麗な創作スイーツばかり!補充もスムース。でもきっちり作った定番アップルパイやシンプルなモンブランも食べたかった。 | ||
▲スナック菓子とサルサソース。後半大人気 |
■市営地下鉄伏見駅F番出口より直進徒歩3分。ヒルトン名古屋の1Fの多くのフロアを占めたカフェレストラン《ザ・ギャラリー》の北側で実施。
【所在地】 | 〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄1−3−3 ヒルトン名古屋内 ザ・ギャラリー |
---|---|
【営業時間】 | 午前10時〜午後11時 |
【tel】 | 052-212-1270 |
【関連サイト】 | 公式サイト 一休 ホットペッパー 食べログ |
【PR】 |
▲ホーッ。心身ほどけるように温まるホットチョコレートドリンク。アイスにも合いそう。ただ満腹の時に箸洗い気分で挑むととどめを刺されるゾ | ▲苺チョコレートファウンテン。今更誰も驚かないが、カットフルーツの存在が有り難く、アイスと組み合わせて頂くと気分転換に |
▲ドリンクバーはコーヒー紅茶Hot/Iceと極めてシンプル。因みにミルクはフレッシュではなく濃いめ牛乳だった | ▲残念ながらヒルトンは次回、次々回のデザートブッフェの料金を約3,500円態勢としてゆく模様。でも今お米が安いのだからカレーブッフェの値下で還元して欲しい |
▲パティスリーのショーケースもパチリ。同じトヨ型の味違いがあるくらいで、ブッフェとの被りはひとつもなかった | ▲参考までに撮らせてもらった名駅チケットセンター。あるある、ヒルトンに東急に観光ホテル。“でも販売額よく変動しちゃいますよ〜”とのこと。使用時お釣りが出ないので注意 |