中区/伏見駅

ヒルトン名古屋 ザ・ギャラリー

▲相変わらずシックなラウンジ。グランドピアノがあった辺りにプリンセス3人の衣装を展示するという趣向があって華やかに彩られていた ▲特製円柱型ブッフェボードの導入により、よりセッティングに箔が付いた。スイーツの美しさに間接照明のライティングが加わり、もはやブッフェがアトラクションのよう
▲シンデレラの魔法のドレスを象った水色シャルロットムースが美しい。銀のアラザンはともかく、ティアラも食べれるのよね ▲チリソースにコーンチップという、日本人にはあまりない発想のおつまみコーナー。チーズとポップコーンも有り
▲ドリンクバーは相変わらず珈琲紅茶Hot/Iceのみ。テーマはおとぎ話だがココはお子様が来るようなブッフェなどではないのだ。ジュース類なんぞいらん ▲かぼちゃの馬車のタルトレット。手に取るとかぼちゃペーストどっさりで重量感あり。でも甘さ控えめで美味しかった

― DATA ―
企画名イヴニングデザートブッフェ/プリンセスのお気に入り
メインメニューケーキ
ケーキのサイズ【小】
お値段標準価格4,100円/時折一休予約に割引プランの出稿有り
制限時間着席も含めて90分
実施タイム土日祝午後2時半〜4時、4時半〜6時/2部入れ替え制
ドリンク飲み放題!
その他ルール全席禁煙/タイムアウト前に終了のお達し及びタイムアウト後に立ち退き勧告有り/割引プラン利用者は会計時には必ず申し出ないと通常価格を請求されるのでご注意/リザーヴ優先なので予約推奨
※ヒルトン名古屋ザギャラリー2014年版るぽ
※ようつべに動画あるよ!⇒
GO!
※各項目のポイントは10点満点で審査。総合★取りは5つが満点。
― JUDGE & COMMENTS ―

(ずばり、おいしいかどうか)
[10] ●渾身のコンセプトデザートブッフェ“アリスからの招待状”が非常に好評だった《ヒルトン名古屋/ザ・ギャラリー》では現在、新たなモチーフ“プリンセスのお気に入り”デザートブッフェを開催中。

 期間は2017年9月2日〜12月中旬 土・日・祝日限定、2時半〜/4時半〜の2部入替90分制

 公式サイトの表記では相変わらずお値段がはっきりしないが、消費税・サービス料の凡てを総じて、支払う料金は4,100円
 気軽に立ち入れない価格であることは否定できないが、いざ入場して華やかなセッティングに囲まれる中実食してみれば、この価格にもウーンと唸りながら首肯できるはず。

 特筆すべきは一休予約のタイムセール。同ブッフェ予約が大幅値下げの2,900円プランとして出稿されていることがある。
 更にヒルトンの商品券が金券ショップ各所で90%や95%価格で販売されており、こちらも利用すれば更に利用しやすいお値段にこそぎ落とせるはずだ。

 尚、同ホテル同デザートブッフェは元々予約制ではないが人気は高く、飛び込みではなかなか入場出来ない集客ぶり。前もって予約を入れておくことを推奨。


― 食べ放題商品 Line Up ―

【シンデレラパート】
 銀のアラザンとティアラのあしらえも美しい[魔法のドレスのムースケーキ],お味にも魔法がかけられたような[かぼちゃの馬車のモンブラン],素材も大胆なモンブランシュー[カシスと栗のモンブラン],そして意表を突いた創作品[栗の冷製スープ]。

【竹取物語パート】
 抹茶ホールムース[西尾産抹茶と黒豆のケーキ],5人の貴公子を表現した[トライフル],満月を彷彿する[スフレチョコレートと栗]。
 他実演カウンターにもかぐや姫にまつわるデセールが一品あり。

【美女と野獣パート】
 甘美さと聡明さに満ちたベルを思わせるチーズケーキに薄プレートチョコで出来た野獣の牙が乗る[ラ・ベルのチーズケーキ野獣の牙と共に],緊密で安定したトユ型がフィリップの馬車を彷彿する[栗のバターケーキ],極上の葡萄酒を使ったワイン[貴腐ワインのフルーツタルト],そして[南瓜と栗のスコーン]。

【実演カウンター】
 常駐パティシエさんにより、出来立てが実演で供されるコーナー。
 お馴染みのチョコレートドリンク各種の他、竹取物語をなぞった[和栗のモンブラン],[栗とミルクのチョコレートクリーム],他マカロン各種。

【チョコレートファウンテン】
 かつて主役級だったストロベリーファウンテンも、妍を競う3人のプリンセス達を前に恐れをなしたのか遠慮気味に脇役へと回っている。
 具材はマシュマロ、カットパイナップル、パウンドやスポンジのクラム。
 アイスクリームが無いのが惜しい。

【ドリンクバー】
 コーヒー紅茶Hot/Ice。Hotはピッチャーが保温器にかかり、Iceは蛇口式ガラス製ピッチャーがご用意。
 渋い誂えで雰囲気はあるが、あるお客さんのピッチャー蛇口の締めが甘く、テーブルが延々紅茶びたしという惨状も。注いだ後はきっちり締めましょう。

【お口直しスナック】
 簡易だが鹹味の効いたおつまみ有り。コーンチップス,ポップコーン,セロファンチーズ,チリソース。

― 今回はコレが美味しかった! ―

 ヒルトンのタルトには毎回瞠目するが、今回の[貴腐ワインのフルーツタルト]にも頤が落ちた。
 表面の果物だけを頬張っても驚きはないが、上層カスタード・中層タルト生地・土台のビスキュイをざくっと掬っていっぺんにお口へ運ぶと、途端に魔法がかかったような感動に。季節の果実であるイチジクも瑞々しい。

 ベルの溌剌とした聡明さと優しさが表現された[ラ・ベルのチーズケーキ]も美味しい。
 中層にアプリコットソースが潜んでいて、ココアのマカロンと“野獣の牙”薄プレートチョコと一緒に頬張るとまた違った世界へと昇華。

 竹取物語パート随一の傑出品が[スフレチョコレートと栗]
 日本では普及しにくいスポイトスイーツで、チョコ夜空に浮かぶ生クリーム満月に抹茶ソースを後掛けして頂くのだが、チョコレートスフレの味の広がりが本当に月夜の如く遠大で誠に驚いた。食べやすさ・後味の軽やかさにも思わず括目。

 [和栗のモンブラン]は実演カウンター品だが一見してかぐや姫に纏わる品と分かるデセール。
 可愛らしく竹藪が描かれたマシュマロに目を引くが、波打つ和栗モンブランクリームにフォークを入れると、中にはさくさくロッシェと抹茶アイス。丁度いい頃合いの作り立てをどうぞご堪能あれ。

 天面の艶やかな抹茶グラサージュが目を引く[西尾産抹茶と黒豆のムース“みやび”]だが、いざ頂いてみるとわらび餅の食感と黒豆の風味が大胆に潜伏している和装スイーツ。
 脇を固める水色マカロンは口内で一瞬でほどける極上品。是非ムース本体とご一緒に召したい逸品。

 竹取物語ではみじめな役回りとなる5大貴公子の雑駁さを表現したような[トライフル]だが、ヴェリーヌグラス内には良質生クリーム・良質スポンジに大粒マロングラッセがぼとり。脇役スイーツも油断ならぬようだ。

 シンデレラパートではかぼちゃモンブランと栗モンブランが並んで供されていて甲乙付け難いが、[カシスと栗のモンブラン]の方がインパクトに長じる。
 風趣な栗モンブランとシュー皮に和んでいると、中層に潜む鮮烈なカシスソースの酸味に目が覚めるよう。ヒルトン名古屋がよく使う独特の配剤である。

 他、見かけは地味だが焼き立てほかほかでいい香りの[栗のバターケーキ][かぼちゃと栗のスコーン]も食べであり。
 全体の品数は意外と少ないが、お味のクオリティは至高を誇っているのでむしろ2巡目が楽しみになるくらいだった。



 今回のおとぎ話コンセプトブッフェ概要の感想なのだが、苺テーマや抹茶テーマと違って素材と品々がバランス良くばらけていることに注目。

 和装・抹茶、旬のフルーツ、ラズベリーが隠し味のムース、リキュールタルト、チーズショコラ……等々。
 メニューが偏らずにうまく点綴し、尚且つプリンセスのテーマ性へ巧みに整合。

 むしろ、冬は苺ばっかり・2月はチョコばっかり・夏はトロピカルばっかり……と、フェアスイーツブッフェに飽き飽きしている貴兄貴女の皆様程、今回のコンセプトブッフェのラインナップと完成度には膝を打つはずだ。


 スイーツが浮かび上がるような間接照明を用いた特注ブッフェ台、各童話の愛らしいオーナメント、フォトスポットの大型ボードなどなど。
 プランニングの段階から細部に至るまでよくよく練られた演出のアミューズメント性は高く、これならお値段四千円越えも納得。

 もし割引タイムセール2,900円の出稿に出くわしたなら即決で買って良い。逃す手はない。

雰囲気
(入りやすい店か、落ち着いて食せるか)
[7]
リベラル感
(実施時間が不自由でないか、ルールがやかましくないか)
[7]
接客
(説明など不親切でないか、感じは悪くないか)
[8]
立地
(場所は便利かどうか)
[8]
お得感
(質量共に料金以上の満足が得られるかどうか)
[7]
総合【★★★★−】お値段は張るが、“紳士淑女のお気に入り”になる事請け合い。

当日の収穫!

▲ラ・ベル・チーズケーキ,フルーツタルト ▲和栗のモンブラン ▲トライフル,抹茶プリン(抹茶が清々しく黒豆も良い)
▲スフレチョコレートと栗,栗のバターケーキ(いい香り。食べでもみっしり) ▲かぼちゃと栗のスコーン,栗の冷製スープ(ココナツミルクがベース) ▲かぼちゃのカシスモンブラン,かぼちゃの馬車のモンブラン
▲西尾抹茶と黒豆のムース,栗とミルクのチョコレートクリーム(ミルクチョコXキャラメルXさくさくクランチ食感) ▲貴腐ワインのフルーツタルト,魔法のムースケーキ(中層にラズベリームース) ▲チリソースにチップスとポップコーンとチーズを乗せて

― みちあんない ―

■市営地下鉄伏見駅F番出口より直進徒歩3分。ヒルトン名古屋の1Fの多くのフロアを占めたカフェレストラン《ザ・ギャラリー》の中央で実施。

【所在地】〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄1−3−3
ヒルトン名古屋内 ザ・ギャラリー
【営業時間】午前10時〜午後11時
【tel】052-212-1270
【関連サイト】公式サイト 一休 ホットペッパー 食べログ
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▲開始時には撮影タイムの設けは無し。それでも多くのツイタ&インスタユーザーが一斉にスマホ撮影を始めるので、誰もが空気を読んですぐには品々に手を付けなかった ▲こちらも特注と思われる円筒ディスプレイ・ブッフェボード。マカロンやヴェリーヌが出品
▲こちらロビーでのショット。八事のサーウィンストンに負けじとヒルトンもテーマに沿ったフォトスポットを設けるように。八事サーウィンストンはヒルトンにとって強敵ですよ ▲それでは引き続き光彩陸離なブッフェのショットをお楽しみ下さい
▲前回究極的に満艦飾だった“アリスからの招待状”と比べて少しだけ華美な演出を抑えた感は有り。しかしこれぐらいでも十分である ▲こちらはカフェチーノの対面ショーケースショット。同じ品がブッフェに出ることはなかったが、同工異曲的な要素を感じる

(取材日:2017年9月18日)