岐阜県羽島郡/名鉄岐南駅

マンマミーア!岐南店

▲主幹“シネマジャングル”はつぶれてしまったが、当時テナントの食べ放題が大繁盛。改装して施設丸ごと本店ビルにしたというパワフルな会社だ ▲こちらでは5種類のパスタ+冷やしうどん1品がラインナップ。イカスミパスタやペンネパスタなど、一筋縄でいかない個性派の品揃え
▲もはや2,000円程度のホテルデザートブッフのような品揃え。よくイオンにあるような千円台後半のブッフェレストランなんかじゃあ、こんな逸品にはありつけない ▲ドリンクバーはファミレスライクで冒険は無し。但し、対角側にバリスタカウンターがあって、そこでシェイクやカフェラテアートの実演が堪能できる
▲広い!席数たっぷり。ショッピングモールのフードコート並み。これなら土日のお昼時でも比較的大丈夫そう ▲6種の焼き立てパンもジャンルの一角として不満はない。かけ放題コンフィチュールコーナーも隣接。アイスやシェイクとセットで食べるのもよし

― DATA ―
企画名イタリアン&スイーツビュッフェ
メインメニューイタリアン/ケーキ
ケーキのサイズ【小】
お値段♀1,499円/♂1,599円
制限時間90分
実施タイム営業時間内(平日ティータイムクローズ有り)※2017年5月23日閉店
ドリンク飲み放題!
その他ルール全席禁煙/フリマガ咲楽に割引クーポン常時出稿
※同店2011年版リポート
※各項目のポイントは10点満点で審査。総合★取りは5つが満点。
― JUDGE & COMMENTS ―

(ずばり、おいしいかどうか)
[8] ●同店舗には以前、味気ない業務用中心の編成だったデザートバーのアイドルタイム解放を格安で利用したことがあったのだが、その時のリポート内容は、どうか皆様も一旦リセット。

 《マンマミーア!岐南店》は食べ放題好きなら是非とも虚心坦懐で訪れて頂きたい、演出も創作も気鋭溢れる、不世出の一件。
 北上店、最近できた美濃加茂店をも今すぐにでも制覇してしまいたい思いに駆られる程の、食べ放題イタリアンの良店だ。


 場所をおさらいすると、岐阜は羽島の名鉄岐南駅から東へ徒歩10分、シネマジャングル跡地。
 但し踏切やバイパス歩道橋などにより、体感的にはもっと遠く感じるので、駅から歩く場合はご承知おきを。

 かつては映画館“シネマジャングル”としてそのビルは開館、同施設に飲食店やブックオフなどが賑やかにテナントしていたが、切ないことに2007年には業績不振のため、根幹のシネコンは閉館へ追い込まれることに。
 屋台骨を失った同館からはテナント店舗が次々と撤退。しかしこのマンマミーアだけは益々気を吐く繁盛っぷり。畳むどころか空きテナント旧とり鍋の壁をぶち抜き、席数を倍増させて改装再オープンするという壮健さ。
 さらにマンマミーアホールディングス社は同施設を本社地に据え、フォーカスポーカス社が放棄した旧シネマスクリーンを貸切カフェ付随のイベントホールとして順調に運営する商才を発揮。
 メニュー群は更なる邁進を見せ、2014年秋には追加料金式の“スイーツビュッフェ”が登場。その目を疑うような豪奢なスイーツラインナップに、地元主婦層が行列を呈す毎日。今後の更なる発展も大いに期待できそう!


 さあ料金及びシステムをチェック。バイキング基本料金は♀1,199円、♂1,399円制限時間90分。昼も夕も、土日祝も変動なし。
 スイーツビュッフェ利用の場合は課金♀+300円、♂+200円。なるほど、甘いものだとオンナの方が高いのね。

 食べ放題ラインナップの梗概をさらうと、パスタ・麺類が6種。チョコバナナやハチミツなどのデザート系も含めたピザが6種。更にサラダバーは生野菜中心の8種。意外やアンティパストは無し。
 ドリンクバーはコーヒーマシン機能付きホットドリンクサーバー1機、炭酸ディスペンサー1機、サーバータンク3種、ウォーマー寸胴スープ3種。
 そして白眉のスイーツビュッフェは大皿モノやホールもの、プチアントルメなど、計23種。これにアイスクリーム6種、焼き立てパン6種が付随。

 さらにマンマミーア独自の演目である実演ラテアートバーカウンターも店内に設えられている。常駐する係員さんにお願いすれば、いつでも愛らしいラテアートドリンクを淹れてもらえるというご趣向。
 稚気なラテアートなんてあんまり興味がないという方も、一度はバーカウンターに立ち寄ってアイスカフェモカにキャラメルマキアート、苺シェイクにチョコシェイク、抹茶ミルクにキャラメルミルク……等々。よそ様バイキングチェーンでは先ず楽しめないような、練達されたバリスタドリンクを、好みのあれこれ忌憚なく頼んでみるといいだろう。勿論何度でも!


 何より当方が舌を巻いたのが、絢爛豪華なスイーツビュッフェコーナー

 名古屋で言うと、《名古屋東急ホテル/グリンデルワルド》と比べて品数もクオリティも遜色が無い。約1,500円で入れるイタリアンバイキングの一角に、ホテルのデザートブッフェレベルのスイーツ食べ放題空間が爛々とまみえているのだ。

 [苺のショートケーキ]は新鮮なスポンジがふわふわ、ナッペを施したばかりのような生クリームもフレッシュ。表面にも中層にも生苺が振る舞われ、採算度外視としか思えない贅沢な逸品。
 激しい勢いで手に取られて払底してゆくものの、品切れた途端サッと補充が出るのが嬉しい超人気品[季節のフルーツタルト]にも舌鼓。ナパージュをかぶった生フルーツ群の豊麗さ、しっとりタルト生地のお味の濃密さには酩酊を禁じ得ない。カスタードは100点満点ではないが、かなり健闘している。

 ショートとタルトも上質だったが、小ぶりながら完成度の高いプチフールシリーズも、どれひとつとして期待を外さない。
 [苺のムース][カシスショコラ][ココナツマンゴー]のムース類は各々果汁の鮮烈さが凛と際立っており、色合いやシェイプもたおやかで、可愛らしい。
 そんな中で[レアチーズ]は正統なクリームチーズの深みが楽しめるのはもちろん、半切りとは言え苺粒トッピングが贅沢。本体中層にも苺ゼリーが潜伏。時間切れでリピートできなくて悔しい。

 一方各ミール品についてなのだが、モッツァレラチーズたっぷりのナストマトピザとか、たらこの塩味にイカの食感が効いた和風シーフードピザとか、貝類の出汁とうまみが滲み出た冷やしうどんとか。
 どれもこれも創作性瑞々しい絶品ばかりなのだが、残念ながら午後の遅い時間柄もあり、冷めていたりのびていたり、状態がよろしくなかった。パスタなんかトングでつかむと固まった形のままたごまって持ち上がるという有様。
 しかしそれでも十分美味しい方であり、これは次回絶対回転のいい正午のお昼時に行かなくては!とリベンジを決めたくなるくらい、具もたっぷり・チーズもずっしり。出来立てのアツアツホットなジューシーさが想像できる、いい仕事の品ばかりだった。
 これは午後2時とかに入った私の方が悪い。

 6種あるベーカリーパンは[クロワッサン][クリームデニッシュ]の2品を拝受。どちらもザクザク鳴り響く焼き立てで美味しかったが、デザートビュッフェに圧倒されてそれ以上深入りしてる余裕がない。アイスクリームバーも同様。

 唯一肩すかしは生野菜をカットしただけのサラダバーで、例えばマリネやカルパッチョ等アンティパストや冷製ミールなどは、ひとつも用意されていなかった。
 そう言われてみれば、イタリアンの食べ放題で見かけるラザニアやリゾットなどのサイドディッシュも無い。
 甘党の筆者はデザートビュッフェとバリスタに浮かれて我を忘れたけど、スイーツに興味のない酒飲み系の方は、ちょっと気になるかも知れない。


 いやいやしかし、制限時間90分は短い!

 例えるなら《サルヴァトーレクオモ》と《バケット》と《グリンデルワルド》いっぺんに食べに行ってるようなもんだから、時間配分がかつかつなのなんのって。各コーナー全種一巡もまわれなかった。
 タルト美味しい!ムース美味しい!ってデザートビュッフェで悶えてるだけであっという間に一時間経過。
 慌ててお皿に盛ってきたパスタとピザもどれもキチっと仕込んである良品だし、カウンターのバリスタさんにいかがですか〜とニッコリ微笑まれてついついアイスカフェモカ頼んで飲み干していたら、もう終了時刻。

 もはや満足を通り越して、何だかひとつ目のアトラクションが面白すぎて全部乗れずにしぶしぶ帰るテーマパークのような。そんな後ろ髪ひかれる印象すら残った。

 因みに同チェーンでスイーツビュッフェは岐南店だけでの催しだったが、2015年6月下旬の改装休業を経て7月から北方店でも導入するとのこと。
 再オープン後にはこちらにも伺ってみたい。
雰囲気
(入りやすい店か、落ち着いて食せるか)
[9]
リベラル感
(実施時間が不自由でないか、ルールがやかましくないか)
[8]
接客
(説明など不親切でないか、感じは悪くないか)
[7]
立地
(場所は便利かどうか)
[6]
お得感
(質量共に料金以上の満足が得られるかどうか)
[9]
総合【★★★★−】サラダに面白みがなかったこと以外、他は全て高得点。

当日の収穫!

▲苺のショートケーキ,シェフの気まぐれホールケーキ(モンブラン),ヨーグルトムース(こってりブラマンジェという感じ) ▲カフェ,豆乳のケーキ,カシスショコラ(3品とも味も創作も面白かった) ▲レアチーズ,クールフランボワ,抹茶わらびもち,エキゾチック,杏仁豆腐
▲みるくアイス,抹茶ムース,季節のフルーツタルト,抹茶アイス,クラシックショコラ ▲ココナッツマンゴー,チョコレートケーキ,コーヒーゼリー,キャラメルケーキ,苺ムース ▲ミネストローネスープ,クロワッサン,クリームデニッシュ,サラダ各種(サラダだけが本当にシンプル)
▲ナスとモッツァレラトマトパスタ,じゃがいもコーンピザ,あさりキノコバタークリームパスタ,ほうれん草ベーコンピザ ▲アイスカフェモカ。実演カウンターサーヴ! ▲ペンネパスタ,冷やしうどん,たらこピザ,マルゲリータピザ

― みちあんない ―

名鉄[岐南]駅より徒歩20分。駅の東側出口(名古屋方面)から出て、そのままひたすら東へ直進。JR東海道線路の踏切を渡った後は、岐大バイパス沿いに進むと良い(渡らねばならぬ歩道橋が2基あり)。
 小規模の複合モール“ホーカスポーカス”の施設西側、閉館した映画館シネマジャングル1F。

【所在地】〒501-6001
岐阜県羽島郡岐南町上印食9-50-1
岐南シネマジャングル1F マンマミーア!岐南店
【営業時間】午前11時〜午後10時/平日ティータイムクローズ有り
【tel】058-248-0079
【関連サイト】公式サイト  食べログ
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▲ピザは具がユニーク且つ多めなのが嬉しかった。デザートピザも有り ▲ヘヴィーなケーキやタルトが苦手な方は、食後にあっさりわらびもちや杏仁豆腐でも。缶詰ポンチの援用はあるが生果物も入ってて楽しめる味
▲最初てっきり正木牧場かどこかの仕入品かと早合点したが、どれも鮮度の良い上質スイーツばかりなので驚嘆しきり。お味もすべて似通わず個性的 ▲アイスクリームは水準的なお味だが、パンと付け合せたり、はちぴつピザに乗せたり、色々遊べそう。まぁケーキが美味しいから結局そっちばっか食べちゃうんだけど
▲こちらサラダバー。シンプルな生野菜が中心。マリネとかカルパッチョとかそういうの期待した人はハズすかも ▲コレは何かと言うと、料理の持ち帰り・紅茶パックのガメ・トイレットペーパーかっぱらいなどの不貞を働くごく一部の客人への諌めを、真摯な毛筆の手書で示したもの……

(取材日:2015年6月5日)