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「人はなんでも平和を愛すればいいと思うなら大間違い、平和、平静、平安、私は然し、そんなものは好きではない。不安、苦しみ、悲しみ、そういうものの方が私は好きだ。」 『悪妻論』
「悲しみ、苦しみは人生の花だ。」 『悪妻論』
「夫婦は、苦しめ合い、苦しみ合うのが当然だ。慰め、いたわるよりも、むしろ苦しめ合うのがよい。」 『悪妻論』
「人の心には翼があるのだ。」 『悪妻論』
「苦しめ、そして苦しむのだ。それが人間の当然の生活なのだから。」 『悪妻論』
「今、私にとって、死は我々の生活に最大のからくりを生む曲者に見えている。」 『新しき性格感情』
「もしそれ電車の中で老幼婦女子に席をゆずる如きが道義の復興であるというなら、電車の座席はゆずり得ても、人生の座席をゆずり得ぬ自分を省みること。」 『エゴイズム小論』
「道義退廃などと嘆くよりも先ず汝らの心に就いて省みよ。人のオセッカイは後にして、自分のことを考えることだ。」 『エゴイズム小論』
「日本に必要なのは制度や政治の確立よりもまず自我の確立だ。」 咢堂小論』
「人間の尊さは、自分を苦しめるところにあるのさ。満足はだれでも好むよ。けだものでもね。」 『風と二十の私と』
「人生を面白がろうとしないのだ。面白くないことを百も承知で平気で生きている奴の自信に圧倒されたのである。」 『神サマを生んだ人々』
「私は善人は嫌いだ。なぜなら善人は人を許し我を許し、なれあいで世を渡り、真実自我を見つめるという苦悩も孤独もないからである。」 『蟹の泡』
「言いたい者には、言わしめよ。人に対して怒ってはならない。ただ、汝の信ずるとろころを正しく行えば足りるものである。」 『肝臓先生』
「人生はつくるものだ。必然の姿などというものはない。」 『教祖の文学』
「人間だけが地獄を見る。しかし地獄なんか見やしない。花を見るだけだ。」 『教祖の文学』
「人々の休養娯楽に奉仕することが尊い仕事だと知らない人々は貧しい人々だ。」 『娯楽奉仕の心構え』
「人情や愛情は小出しにすべきものじゃない。全我的なもので、そのモノと共に全我を賭けるものでなければならぬ。」 『詐欺の性格』
「桜の花の下から人間を取り去ると恐ろしい景色になります。」 『桜の森の満開の下』
「『必ず死ぬ』ときまった時に進みうる人は常人ではない。まして、それが、一貫した信念によって為されるときには異常と共に、偉大なる人といわねばならぬ。」 『死と鼻歌』
「盲目的な信念というものは、それが如何ほど激しく生と死を一貫し貫いても、さまで立派だとは言えないし、却って、そのヒステリィ的な過剰な情熱に濁りを感じ、不快を覚えるものである 。」 『青春論』
「いのちにだって取引というものがある筈だ。」 『青春論』
「持って生まれた力量というものは、今更悔いても及ぶ筈のものではないから、僕には許された道というのは、とにかく前進するだけだ。」 『青春論』
「要するに、生きることが全部だというより外に仕方がない。」 『青春論』
「時代や流行や社会によって裁かれることは私の意とするところではない。私は『人間』によって裁かれることを畏れるのみ。即ち、私自身によって裁かれることを 。」 『世評と自分』
「私は戦争がきらいだから、ストライキも、きらいだ。子供のケンカじゃありまいし、かりにも、文化国をもって任ずる以上、もっと合理的な手段がなければならぬ 。」 『戦争論』
「各人の自由と責任が確立すれば、戦争などは、この世から当然なくなる性質のものである。」 『戦争論』
「ボタン一つ押し、ハンドルを廻すだけですむことを、一日中エイエイ苦労して、汗の結晶だの勤労のよろこびなどと、馬鹿げた話である。」 『続堕落論』
「モトデをかけずにホンモノをつかみだすことはできない。表面の綺麗ごとで真実の代償を求めることは無理であり、血を賭け、肉を賭け、真実の悲鳴を賭けねばならぬ 。」 『続堕落論』
「善人は気楽なもので、父母兄弟、人間共の虚しい義理や約束の上に安眠し、社会制度というものに全身を投げかけて平然と死んでゆく。」 『続堕落論』
「たとえば戦争中は勇躍護国の花と散った特攻隊員が、敗戦後は専ら『死にたくない』特攻隊員で、近頃では殉国の特攻隊員など一向にはやらなくなってしまったが、こう一方的にかたよるのは、いつの世にも排すべきで、自己自らを愚弄することにほかならない。」 『特攻隊に捧ぐ』
「もとより死にたくないのは人の本能で、自殺ですら多くは生きるためのあがきの変形であり、死にたい兵隊のあろう筈はないけれども、若者の胸に殉国の情熱というものが存在し、死にたくない本能と格闘しつつ、至情に散った尊厳を敬い愛す心を忘れてはならないだろう。」 『特攻隊に捧ぐ』
「我々はこの戦争の中から積悪の泥沼をあばき天日にさらし干し乾して正体を見破り自省と又明日の建設の足場とすることが必要であるが、同時に、戦争の中から真実の花をさがして、ひそかに我が部屋をかざり、明日の日により美しい花をもとめ花咲かせる努力と希望を失ってはならないだろう。」 『特攻隊に捧ぐ』
「彼等は自ら爆弾となって敵艦にぶつかった。否、その大部分が途中に射ち落とされてしまったであろうけれども、敵艦に突入したその何機かを彼等全部の名誉ある姿と見てやりたい。」 『特攻隊に捧ぐ』
「いのちを人にささげる者を詩人という。」 『特攻隊に捧ぐ』
「我々愚かな人間も、時にはかかる至高の姿に達し得るということ、それを必死に愛し、まもろうではないか。軍部の欺瞞とカラクリにあやつられた人形の姿であったとしても、死と必死に戦い、国にいのちをささげた苦悩と完結はなんで人形であるものか。」 『特攻隊に捧ぐ』
「青年諸君よ、この戦争は馬鹿げた茶番にすぎず、そして戦争は永遠に呪うべきものであるが、かつて諸氏の胸に宿った『愛国殉国の情熱』が決して間違ったものではないことに最大の自信を持って欲しい。」 『特攻隊に捧ぐ』
「義理人情がないということは、実にアッパレ、スガスガしいものだ。」 『退歩主義者』
「人は正しく堕ちる道を堕ちきることが必要なのだ。堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し救わなければならぬ。」 『堕落論』
「人はあらゆる自由を許されたとき、自らの不可解な限定とその不自由さに気づくであろう。」 『堕落論』
「常識は決して深い洞察から生まれたものではなく、長い歴史的な思考の基盤であったとういうばかりで、その思考の根底が深く正しいものであることを意味していない 。」 『地方文化の確立について』
「正しい道化とは人間の存在自体が孕んでいる不条理や矛盾の肯定からはじまる。」 『茶番によせて』
「道化とは戦い敗れた合理精神が、完全に不合理を肯定したときである。」 『茶番によせて』
「めいめいが各自の独自なそして誠実な生活をもとめることが人生の目的でなくて、他の何物が人生の目的だろうか。」 『デカダン文学論』
「俗なる人は俗に、小なる人は小に、俗なるまま小なるままの各々の悲願を、まっとうに生きる姿がなつかしい。」 『日本文化私観』
「寺があって、後に、坊主があるのではなく、坊主があって、寺があるのだ。寺がなくても良寛は存在する。」 『日本文化私観』
「京都や奈良の古い寺が焼けても、日本の伝統は微動もしない。日本の建築すら、微動もしない。必要ならば、新たに造ればいいのである。バラックで結構だ。」 『日本文化私観』
「人間は、ただ、人間のみを恋す。人間のない芸術など、有る筈がない。」 『日本文化私観』
「古いもの、退屈なものは、亡びるか、生まれ変わるのが当然だ。」 『日本文化私観』
「叱る母もなく、怒る女房もいないけれども、家へ帰ると、叱られてしまう。人間は孤独で、誰に気がねのいらない生活の中でも、決して自由ではないのである。」 『日本文化私観』
「人は必ず死ぬ。死があるがために、喜怒哀楽もあるのだろうが、いつまでたっても死なないと極まったら、退屈千万な話である。」 『日本文化私観』
「美は、特に美を意識して成された所からは生まれてこない。どうしても書かねばならぬこと、書く必要のあること、ただ、そのやむべからざる必要にのみ応じて、書きつくさなければならぬ。ただ『必要』であり、一も二も百も、終始一貫ただ、『必要』のみ。そうして、この『やむべからざる実質』がもとめた所の独自の形態が、美を生むのだ 。」 『日本文化私観』
「見給え、空には飛行機が飛び、海には鉄鋼が走り、高架線を電車が轟々と駆けて行く。我々の生活が健康である限り、西洋風の安直なバラックを模倣して得々としても、我々の文化は健康だ。我々の伝統も健康だ 。」 『日本文化私観』
「真に生活する限り、猿真似を羞じることはないのである。それが真実の生活である限り、猿真似にも、独創と同一の優越があるのである。」 『日本文化私観』
「すべて『一途』がほとばしるとき、人間は『歌う』ものである。」 『ピエロ伝道者』
「君の噴飯すべき行動の中に、泪や感情の裏打ちを暗示してはならない。」 『ピエロ伝道者』
「忘れな草の花を御存知?あれは心を持たない。しかし或日、恋に悩む一人の麗人を慰めたことを御存知?」 『ピエロ伝道者』
「飛行機があれば勝つ、そう決まったら、盲滅法、みんなで飛行機をつくろうじゃないか。そんなとき、ぼくは筆を執るよりもハンマーをふる方がいいと思う。」 『筆頭随筆』
「職域の責任をつくさなければクビになるのは当然で、それに対してストライキをやる資格はない。」 『風俗時評』
「人間をわりきろうなんて、ムリだ。」 『不良少年とキリスト』
「親がなくとも、子は育つ。ウソです。親があっても、子が育つんだ。」 『不良少年とキリスト』
「負けぬとは、戦う、ということです。それ以外に、勝負など、ありゃせぬ。戦っていれば、負けないのです。」 『不良少年とキリスト』
「ほんとに惚れて、死ぬなんて、ナンセンスさ。惚れたら、生きることです。」 『不良少年とキリスト』
「死ぬ、とか、自殺、とか、くだらぬことだ。負けたから、死ぬのである。勝てば、死にはせぬ。死の勝利、そんなバカな論理を信じるのは、オタスケおじさんの虫きりを信じるよりも阿呆らしい。」 『不良少年とキリスト』
「人間は生きることが、全部である。死ねば、なくなる。名声だの、芸術は長し、バカバカしい。私はユーレイはキライだよ。死んでも、生きているなんて、そんなユーレイはキライだよ。」 『不良少年とキリスト』
「生きることだけが、大事である、ということ。たったこれだけのことが、わかっていない。本当は、分るとか、分らんという問題じゃない。生きるか、死ぬか、二つしか、ありゃせぬ。おまけに、死ぬ方は、ただなくなるだけで、何もないだけのことじゃないか。生きてみせ、やりぬいてみせ、戦いぬいてみなければならぬ。いつでも、死ねる。そんな、つまらんことをやるな。いつでも出来ることなんか、やるもんじゃないよ。」 『不良少年とキリスト』
「死ぬ時は、ただ無に帰するのみであるという、このツツマシイ人間のまことの義務に忠実でなければならぬ。私は、これを人間の義務とみるのである。生きているだけが、人間で、あとは、ただ白骨、否、無である。そして、ただ、生きることのみを知ることによって、正義、真実が、生れる。生と死を論ずる宗教だの哲学などに、正義も、真理もありはせぬ。あれは、オモチャだ。」 『不良少年とキリスト』
「若い見そらで、悟りをひらこうなどとは、どう考えても思慮ある人間の思想じゃない。」 『勉強記』
「日頃自分の好き嫌いを主張することもできず、訓練された犬みたいに人の言う通りハイハイ言ってほめられて喜んでいるような模範少年という連中は、人間として最も軽蔑すべき厭らしい存在だと痛感したのである。」 『模範少年に疑義あり』
「文学は、未来の為にのみ、あるものだ。より良く生きることの為にのみ、あるものだ。」 『未来のために』
「要するに今あるよりも『よりよいもの』を探すことができるだけだ。絶対だの永遠の幸福などというものがある筈はない。」 『欲望について』
「無為の平穏幸福に比べれば、欲望をみたすことには幸福よりもむしろ多くの苦悩の方をもたらすだろう。」 『欲望について』
「変に処世の術なぞを身につけ、当たりさわりのないような言動をするようになると、立派な才能も死んでしまう。」 『世に出るまで』
「すべて人間世界に於ては、物は在るのではなく、つくるものだ。私はそう信じています。だから私は現実に絶望しても、生きて行くことに絶望しない。本能は悲しいものですよ。どうすることも出来ない物、不変なもの、絶対のもの、身に負うたこの重さ、こんなイヤなものはないよ。だが、モラルも、感情も、これは人工的なものですよ。つくりうるものです。だから、人間の生活は、本能もひっくるめて、つくることが出来ます。」 『余はベンメイす』
「人は永遠に真理を探すが、真理は永遠に実在しない。探されることによって存在するけれども、実在することによって実在することのない代物です。」 『余はベンメイす』
「真理が地上に実在し、真理が地上に行われる時には、人間はすでに人間ではないですよ。人間は人間の形をした豚ですよ。真理が人間にエサをやり、人間はそれを食べる単なる豚です。」 『余はベンメイす』
「偉くなるということは、人間になるということだ。人形や豚ではないということです。」 『余はベンメイす』
「小説はもともと毒のあるものです。苦悩と悲哀を母胎にしているのだからね。」 『余はベンメイす』
「ほんとうのことというものは、ほんとうすぎるから、私はきらいだ。」 『恋愛論』
「私は弱者よりも、強者を選ぶ。積極的な生き方を選ぶ。この道が実は苦難の道なのである。」 『恋愛論』
「教訓には二つあって、先人がそのために失敗したから後人はそれをしてはならぬ、という意味のものと、先人はそのために失敗し後人も失敗するに決まっているが、さればといって、だからするなとはいえない性質のものと、二つである 。」 『恋愛論』
「人生において、最も人を慰めるものは何か。苦しみ、悲しみ、せつなさ。さすれば、バカを恐れたもうな。」 『恋愛論』
「孤独は、人のふるさとだ。恋愛は、人生の花であります。いかに退屈であろうとも、この外に花はない。」 『恋愛論』
「自由は地獄の門をくぐる。不安、懊悩、悲痛、慟哭に立たされているものである。」 『私の小説』
「真実の自由、自由人は常に反逆人たらざるを得ないものである。」 『私の小説』
「私は悪人です、と言うのは私は善人ですというよりもずるい。」 『私は海を抱きしめていたい』

 


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