マグネチックループアンテナの製作

バタフライ型と改造型スプリットステーターバリコンでの製作を紹介いたします。
14mhzから28mhz帯に同調する。SWRは低い。インターフェアーに強い。
打ち上げ角が低いのでDXに良く飛ぶ。小型である。受信時にノイズ少ない。
バタフライ型バリコンのステーターに同軸ケーブル(10D2V等)をコンデンサーとして
取り付ければ7MHZ,10MHZにも同調させることが出来る。
小さいアンテナであるが
7MHZでも充分に楽しむことが出来ます。同軸コンデンサーをはずせば
14MHZから28MHZまでとなり7バンドで楽しめるアンテナです。

120cmMLA

アパマンハムにとってHF帯の運用はアンテナの問題で頭を悩まします。
 特にインターフェアーの問題を解決しないとHF帯にはON AIRできません。
 その点マグネチックループアンテナはアパマンハムには理想的です。
  今までは釣り竿に仕込んだホイップアンテナなどを使い回り込みに苦労したりして
いたが問題は解決しました。それにインターフェアーは今のところ無しと言う状況です。。


構造
  エレメントは2mm*50mmのアルマイトフラットバーを使いました。直径は
 120cmにしています。初めは90cmで実験しましたが、このバタフライ型バリコン
 は最小容量が小さいので直径120cmでも28mhz帯で同調が取れます。
 それに、左右対称の構造が実現出来ますので良い性能が得られます。
 本来は銅パイプを使うべきですが(能率が良くなる)フラットバーですと工作が
 格段に楽になります。
  マグネチックループアンテナは使用周波数の波長0.25λ以下で磁界型として動作する
 との事なので28mhzは0.25λ以上になってしまうので電界型?として動作している
 と思われますが、大きいことは良い事だと勝手に思い作りましたが、飛び、
  受信などでも 良い感じで働いています。
ブームは38mmのFRPパイプを使用しベランダから約1メートルつき出してある。
 これだけで随分と飛びも耳も良くなった感じがする。 あまり交信したことのない
 USAのSSTV局とQSOが出来たり、JAのDXerがカリブの局とQSOしている相手の局が
 聞こえたりしてほくそ笑んでいます。少し建物からつき出しただけで良い結果が
 えられるとはループアンテナも良いもんだと実感しています。これがコンディションの
 せいだとなると ちょっとがっかりですが、、、自己満足しています。
駆動部
  各バンドに同調をとるのにはボールカップリング(1対3)を入れジャンクの
 ギアモーターを使いました。駆動は単三電池で4本でDR8832を使った
 秋月電子通商から販売されているDCモーターコントロールキットを使用に変更
 低速でもトルクが取れるようになったので同調は取りやすくなった。
    

性能
  SSTVでおもに運用していますが、良く飛びます。SSTV Contestでは1ヶ月で
   32カントリーもQSO出来ています。レポートに当局の画像を張り付けて
   送り返してくれますが以外に綺麗に受信してくれているので嬉しくなります。
  ホイップアンテナ(5meter−Long)にオートアンテナチューナーで運用して
  いた時には回り込み、インターフェアーがあり苦労しましたが現在はTVI等
  まったく出ず安心して運用しています。
   それにノイズも少なく、良いとこずくめです。

難点
   QSYが大変時間が掛かります。(一々モーターで同調を取るため)
  アンテナのQが大変に高いため14mhzなどではプラスマイナス10khz位
  しか幅が無い為、ちょくちょく同調を取り直す必要があります。
   バリコンが入手しにくい、これが一番の難点です。
注意しなければならない点
    送信中はバリコンには大変な高電圧が発生します。感電には十分に
   注意が必要です。14MHZで200ワットですと約6000ボルトぐらいの
   電圧がバリコンにかかります。

バリコンは丸いアクリル板に組まれています。丸ですと薄いエンビ板を巻き
  つけるだけで防水が簡単に出来ます。アクリル板の直径は15cmです 。
  薄い板ですと濃い色のものを使った方が耐候性は良くなります。
  雨樋に使うパイプでSU管がありますので、それに合ったようにバリコンの
  太さを考えた方が良かったと思っています。今の薄い板では2年も
  すると紫外線でもろくなってしまいます。ベランダに設置してあるので交換は
  簡単ですがタワー等にあげる場合は考えないとなりません。

給電ループは5DSFAでエレメント長に対して5分の1で、長さを1cm位違うものを
    数本用意してSWRを見ながら交換して最良点を見つけます。

給電ループの調整
   給電ループはエレメントの長さの5分の1ていどから1cm位ちがいの
   ものを数本用意して交換しながらSWRの変化をつかみ、給電ループを
   バリコンのある方向にひっぱて楕円形にしてみてSRWが良くなる方向なら
   ループを小さくし、つぶしてSWRが良くなるのならループを大きくします。
   根気良く調整すれば必ず良い結果がえられます。
ファラデーシールド型は調整が面倒なので同軸ケーブルを一本の導線として
   給電ループにすれば調整は簡単になります。
バランを入れれば
     対称カップリングになるので良いと思います。

最後にアンテナを塗装して完成。塗装するとベランダから突き出しても割りに
   目立たなくなる。アルマイトフラットバーなので円くすると表面のアルマイトに
   ひび割れが出るので保護のため塗装してあります。
アンテナはベランダの手摺りに取り付け使わないときは取り込める様に手動で
 回転させる様にしています。落下の危険を少しでも防ぐ意味もあります。

      

使用しないときはベランダの中にとりこんである。   風で回らないように
家族には大きすぎるしかっこ悪いと不評ですが,,,  8mmのボルトを差し込んである。
  

給電ループの様子 (5DSFAなど同軸ケーブルを使用)。ファラデーシールド型マッチングループ                                   

バタフライ型

120cm直径の14〜28mhz帯のマグネチックループアンテナを作り楽しんで
きたが気にくわない部分があるので少し改良することにしました。
 バリコンとボールジョイント、モーターの取り付けで、芯が出ていなかった様で
高速回転では問題がなかったが、低速にすると動きが悪くチューニングがやりにくかった
ので、構造を少し簡素化してみた。と言うより芯を出すように改良。



駆動部分



現用の120cm直径のバタフライ型とモーター部   120cmバタフライバリコン使用型
 200wの出力で使用問題なし                 14mhz-28mhz帯用

コントローラー

 コントロールーボックス、ノイズブリッジ、通過型電力計      バタフライバリコンと
                                防水カバーを付ける前の状態

コントローラーの回路図
製作当初のモーターコントロール回路
SW-1,SW-2は周波数のUP/Downで2回路2接点。
プッシュでON、はなしてOFFのスイッチを使用。
SW-3は電池の電圧を切り替えて
モーターの回転数を切り替える。
私の場合は9volt−006pと単三2本(3Volt)で使用。
非常に同調帯域が狭いためモーターの回転は 
1回転以下にしないと寸動しても行き過ぎて
しまい同調がとりにくい。

マッチングはファラデーシールド型を
採用して、チューニングには送信しないでも
良いようにノイズブリッジを入れて使っています。
しかし下に強い信号が出ているとチューニングがとりにくい所があります。

★ モーターコントロールの改良



電圧の上下でだけでチューニングをとっていたが寸動してもモーターの回転が速すぎて
使いにくかったのだが秋月電子通商で販売しているDR8832を使ったDCモーターコントローラキットを
使ってみたらかなり楽にチューニングがとれるようになった。



このマグネチックループアンテナの製作にあたってバタフライ型バリコンを
       製作して頂いたJA1CVF岡田さんに感謝いたします       

                          JA1CXB  大泉 次郎 
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