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10月へ
09/30 <忘れた頃にやって来る>

夜、本屋に寄って立ち読み。2冊の新書を購入。

寺田寅彦は忘れた頃にやっ て来る』(松本哉著、集英社新書
オートバイ・ライ フ』(斎藤純著、文春新書

寺田寅彦は「天災は忘れた頃にやって来る」の人です。
物理学者にして随筆の名手。着想の妙味。

「詩人をいじめると詩が生まれるように、科学者をいじめると、いろいろな発明や発見が生まれるのである。」


随筆を携えて、オートバイで旅に出よう。

忘れた頃に、ね。

寺田寅彦随筆集』(岩波文庫)  『柿の種』(岩波文庫)←オススメ

09/29 <聖地巡礼>

録りためてあったいくつかのビデオを見た。

曽野綾子が語る 『聖地巡礼』」。
クリスチャンである曽野さんは身体の不自由な方々を聖地巡礼の旅に連れて行く。

以下、番組から曽野さんの言葉。

* どれほど苦しむことが出来るか、それが人間の品位を決定する。(ニーチェの引用)

* 愛は互いに見つめ合うことではなく、一緒に同じ方向を見つめること。(サン・テグジュペリの引用)

* 旅には、美味しいものを食べた喜びと、美味しいものを食べられなかった恨みと両方あって良いのです。

* 人生、マイナス込み。です。

* 奇跡は怪我や病気が急に治ることなんかじゃなく、苦しみによって自己を発見する、それこそ奇跡です。

* 苦しみや不運は避けるものではなく、それらには意味がある。解決し、プラスの意味合いに使うのです。

* 苦しみを知ると、やわらかい端正な人間になる。

* 「歯を磨かず顔も洗わず着替えもせず、寝るんです。」私はそういう体験をさせたかった。
(砂漠のテントで、身体の不自由な人たちに「着替えはどうするんですか」と聞かれて)

* 今の日本はおせっかい。

* 手抜きは大事です。出来るだけ手抜きして楽して、続くようにするんです。いい加減の方が続くのです。

* 手と口があれば自分で食べられる。

* 言葉遣いが差別に当るとひりひりするのは尽くしていない人です。本当に尽くしてる人はそんなことは気にしません。

* 人生は計画通りにはなりません。

* ダシに使われる事は光栄です。色んな使われ方があって良い。

* 愛には二つあって、フィリア(好き)とアガペー(理性と意思の愛)と。理性の愛こそが本当の愛なのです。

* 本当の愛とはどんなに憎んでいてもその人にこうすべきであるということをする。理性の愛です。

* 好きである愛、なんてのは一旦何かつまづくと物別れに終わる。嫌いになったらそれまで。

* 安心して暮らせる世の中なんてありません。

* 幾分かは、自分で納得した危険を冒さないことには本当の人生はわかりません。その危険というのは自分で負担しなければならない。そして、それを納得したのならば誰かのせいだと言わない、大人の決意がいる。そのとき初めて私たちは生き生きとした人生を送ることが出来るのです。

* 死んでも良い、という選択も尊重しなければならない。

* 病人も高齢者の方々も、皆が今日一日が“生きるに値するもの”でなければならない。“ただ呼吸しているだけ”ではいけない。そのためにはいささかの危険も冒険もいるのです。

* 冒険は若者だけのものではない、すべて生きる人間のためにあるのです。


「曽野綾子が語る『聖地巡礼』」 http://www.nhk.or.jp/etv21c/week/2002/02_3/week.html
「見詰め続ける『聖と俗』」 http://www.kyodo.co.jp/17kyodo/backnumber/backnumber2001/job/job09.html

09/28 <雨の中で>

サッカー練習試合。南幌町へ遠征。

途中で雨が降って来て、ずぶ濡れ。
ほとんど豪雨。

雨の中でサッカーをしようとは思わないけれど、途中での雨は誰も止めようとは言わない。
最初は濡れるのが嫌だけど、濡れてしまえばもう吹っ切れてしまう。

吹雪の中、眼を細めて歩くのが好き。
雨の中、カッパを着ての山仕事にはある種の充実感を感じる。
汗まみれの草刈。油まみれの機械いじりも同じ。
雨のツーリングも然り。

嫌だと思っていても、嫌なものでも、一歩踏みだして当事者になってしまうと意外と楽しかったりする。


「自分から進んでその中に這入っていくことによって、私は傷つかないことを覚えた。」
宇野千代『行動することが生きることである』

09/27 <SFより時代劇>

金曜英会話の後、友達から電話。お呼びがかかる。

友達の家でスタートレック好きなMN君の洗脳を受ける。。
スタートレック布教活動。
が、スターウォーズもまともに見たことのない私には難しいです。
ひねくれ者の僕には話がきれい過ぎます。
それならチャンバラの方が良いや。

で、朝帰り.....。

只今6時10分。眠む...。
しかもサッカー遠征だ。

09/26 <秋です。>

夜、気分転換に散歩。徘徊.....?

川を越え、ポプラ並木を越えて、本屋に寄ったり音楽を聴きながら2時間くらい歩いてた。 

春はあけぼの。秋は.....、澄んだ高い空。
高い青空も、天高い月も、秋の悦びです。

北海道は紅葉が始まりました。初冠雪の声も聞こえています。

やっぱり四季のある日本が好き。


「 こよひあなたは ときいろの

 むかしのきもの つけなさる

 かしはばやしの このよひは

 なつのおどりの だいさんや

 やがてあなたは みづいろの

 けふのきものを つけなさる

 かしはばやしの よろこびは

 あなたのそらに かかるまま。」

『かしはばやしの夜』より


柏の木大王を探しに行こう。
賢治つながり、秋のオススメ。→ 『賢治の幻燈』

09/25 <美しさと恐ろしさと>

「眼にて云う」(宮沢賢治『疾中』より)

だめでせう
とまりませんな
がぶがぶ湧いてゐるですからな
ゆふべからねむらず血も出つづけなもんですから
そこらは青くしんしんとして
どうも間もなく死にさうです

けれどもなんといゝ風でせう
もう清明が近いので
あんなに青ぞらからもりあがって湧くやうに
きれいな風が来るですな

もみぢの嫩芽(わかめ)と毛のやうな花に
秋草のやうな波をたて
焼痕(やけあと)のある藺草(ゐぐさ)のむしろも青いです

あなたは医学会のお帰りか何かは知りませんが
黒いフロックコートを召して
こんなに本気にいろいろ手あてもしていたゞけば
これで死んでもまづは文句もありません

血がでてゐるにかゝはらず
こんなにのんきで苦しくないのは
魂魄(こんぱく)なかばからだをはなれたのですかな
たゞどうも血のために
それを云へないがひどいです

あなたの方からみたらずゐぶんさんたんたるけしきでせうが
わたくしから見えるのは
やっぱりきれいな青ぞらと
すきとほった風ばかりです。

09/24 <笑いと涙>

ETV2002を見た。
「親の死と向き合って 〜『自死遺児』たちの夏〜」
http://www.nhk.or.jp/etv21c/week/2002/09_4/week.html#2

自死遺児(自殺者の子供)たちの悩み、葛藤、そして苦しみ。
5泊6日の集団生活を通して、同じ境遇の子供たちが互いの心境を語り合う。泣きながら。
泣きながら語り、泣きながら聞く。

救いには二つあると思う。
笑うことと、泣くことと。

一遍は踊り、笑う。良寛は共に泣く。

我々は、笑いと涙と間に生きている。


「人間よ、汝、微笑みと涙の間の振り子よ。」(バイロン)

09/23 <彼岸>

午後から歩いて街へ、本屋巡り。

本日は秋分の日。お彼岸です。
「お彼岸ですよ」 http://www.nipponkodo.co.jp/special/ohigan/

BSデジタルで正岡子規の番組を見た。
「日本人の『食は』どこへ行く〜喰う 造る 味わう〜」 http://www.bs-i.co.jp/main/documentary/j_food/

ちなみに明治34年9月23日の日記。(『仰臥漫録』岩波文庫

未明ニ家人ヲ起シテ便通アリ

朝 ヌク飯を三ワン 佃煮 ナラ漬 胡桃飴煮

便通及包帯トリカヘ 腹猶(なお)張ル心持アリ

牛乳五合ココア入 小菓数個

午 硬魚(かつお)ノサシミ ミソ汁実ハ玉葱ト芋 粥三ワン ナラ漬 佃煮 梨一ツ 葡萄四房

間食 牛乳五合ココア入 ココア湯 菓子パン小十数個 塩センベイ一、ニ枚

夕 焼鰮(いわし)四尾 粥三ワン フジ豆 佃煮 ナラ漬 飴二切

「うまさうに見れば彼岸の焼茄子」(子規)


ヒガンつながり。

「彼岸花」 http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/higanbana.html
「大悲願寺」 http://www.ne.jp/asahi/hon/bando-1000/tama/aki/a005/a005t.htm

「愛よりなされたことは、常に善悪の彼岸に起こる。」(ニーチェ『悪の彼岸』岩波文庫

09/22 <有朋自東方來、不亦樂乎>

夕方までサッカー練習。

東方よりお客さまあり。
バイク屋巡りの後、レストランで晩御飯を食べながらおしゃべり。
映画の趣味が似ていてびっくり。普段の友達とは話すことのない映画の話が出来ました。
ベッソン、べネックス、カラックス。リラックスはくつろぐことです。
ちなみにインデックスは見出しでフォックスはキツネ。ボックスは・・・。しつこい。

その他諸々いつもの限られた友達とは違う会話が出来て楽しゅうございました。
またお相手して下さいませ。(^^;;

「朋あり東方より来たる、また楽しからずや。」(学而第一)


本来は遠方よ。念の為。
「ハイパーテキスト論語」 http://hp.vector.co.jp/authors/VA013051/lunyu/lunyuFrame.html

09/21 <中秋の名月>

『投石事件』

「今夜もぶら下がっていやがる」
 石を投げつけるとカチン!
「あ痛た 待て!ー」
 お月様は地に飛び下りて追っかけてきた ぼくは逃げた 垣を越え 花畠を横切り 小川をとび 一生懸命に逃げた 踏切をいま抜けようとする前をヒューと急行列車がうなりを立てて通った まごまごしているうちに うしろからグッとつかまえられた お月様はぼくの頭を電信柱の根元でガンといわした 気がつくと 畑の上に白い靄(もや)がうろついていた 遠くではシグナルの赤い目が泣いていた ぼくは立ち上がるなり頭の上を見て げんこを示したが お月様は知らんかおをしていた 家へ帰るとからじゅうが痛み出して 熱が出た
 朝になって街が桃色になった時 いい空気を吸おうと思って外へ出ると 四辻のむこうから見覚えのある人が歩いてきた
「ごきぶんはどうですか 昨夜は失敬いたしました」
 とかれが云った
 たれかしらと考えながら家へ帰ってくると テーブルの上に薄荷(はっか)水が一びんのっていた

タルホ『一千一秒物語』(新潮文庫)

09/20 <尊厳>

先日の新聞に曽野綾子さんのコラムがあった。

『障害者の偉業−陰の支援者の大きな功績』
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/moyo/2002330/20023301.html

ある盲目の登山家が七大陸の最高峰登頂に成功したそうだ。
それはそれですばらしいことだが、曽野さんは彼を支えたボランティアについて言及する。

「視力障害者より疲れるのは彼らボランティアの方だが、称賛はいつも視力障害者だけに送られる。」

盲目の登山者の偉業の陰にはそれを支える多くの人たちの存在がある。
彼らを評価しなくて何の偉業であろうか。
何の平等であろうか。
平等とは、対等ということである。

要は尊厳の問題だ。
人間としての尊厳。プライドだ。

「私達は、好敵手からは手加減されたくない。また自分が心底から愛している人達からも、そのように扱われたくない。」(ニーチェツァラトゥストラはかく語りき


明日は十五夜さん。中秋の名月です。

09/19 <大喰い>

木曜サッカー練習の日。

“気圧の谷間”、とかで、生暖かい晩。
動けなくなるまで走り回る。
普段の生活の中で動けなくなるまで何かをすることはなかなかないと思った。

練習後には皆で食事へ。日付が変わるまでお喋り。


1902年の9月19日、正岡子規が亡くなりました。
没後100年。何か行事とか、ないのか知らん。

子規は大喰いです。病人なのに。
(亡くなる1年前、明治34年9月19日の日記。『仰臥漫録』岩波文庫

便通

朝飯  粥三椀 佃煮 奈良漬

午飯  冷飯三椀 堅魚(かつお)ノサシミ 味噌汁サツマイモ 佃煮 奈良漬 梨一ツ 葡萄一房

間食  牛乳五杓ココア入 菓子パン 塩煎餅 飴一ツ 渋茶

便通及包帯取換

晩飯  粥三椀 泥鰌鍋(どじょうなべ) キャベツ ポテトー 奈良漬 梅干 梨一ツ

09/18 <正、大、精、深>

学ぶための四つの標的。

幸田露伴は修学には四つの的が必要であると言う。
「正」、「大」、「精」、「深」。


露伴の『努力論』 。(其の九)

- 修学の四標的 -

「射を学ぶには的がなくてはならぬ、舟を行(や)るにも的がなくてはならぬ、路を取るにも的がなくてはならぬ。人の学を修め身を治むるにもまた的がなくてはならぬ。」

「如何なるかこれ四箇の標的。一に曰く、正なり。二に曰く、大なり。三に曰く、精なり。四に曰く、深なり。」

「この四はこれ学を修め、身を立て、功を成し、徳に進まんとするものの、眼必ずこれに注ぎ、心必ずこれを念い、身必ずこれに殉(したが)わねばならぬところのものである。」


「正とは中である。」

「学をなすに当たって人に勝らんことを欲するの情の強きは、悪きことではない。しかし人に勝らんことを欲するの情強きものは、ややもすれば中正を失うの傾きがある。人の知らざるを知り得、人の思わざるに思い至り、人の為さざるを為し了せんとする傾が生じて、知らず識らず中正公明のところを逸し、小径邪路に落在せんとするの状をなすに至るものである。」

「くれぐれも正を失わざらんとし、自ら正しくせんとするの念を抱いて学に従わなければならぬ。」


「大は人皆これ好む。」

「学に従って居る中は、力(つと)めて限界を拡大し、心境を開拓し、智を広くし識を多くし、自ら自己を大になさんこと欲せなければならぬ。」

「人学べば則ち漸く大、学ばざれば則ち永く小なのであるから、換言すれば学問は人をして大ならしむる所以だといってもよい位である。決して自ら限って小にしてはならぬ、自ら自己をば真に大ならしめんと力めねばならぬ。」

「眼も大ならねばならぬ、肝も大ならねばならぬ。馬を万仭の峰頭に立てて、眼に八荒を見渡すの気概がなくてはならぬ。大千世界を見る掌中の菴羅果(あんらか)の如くすというほどの意気がなくてはならぬ。」


「精の一語はこれに反対する粗の一語に対照して明らかに解し知るべきである。卑俗の語のゾンザイというは精ならざるを指して言うので、精は即ちゾンザイならざるものをいうのである。」


「深は大とはそのおもむきが異なって居るが、これもまた修学の標的とせねばならぬものである。」

「ただ大なるを勉めて深きを勉めなければ、浅薄となる嫌いがある。ただ精なるを勉めて深きを勉めなければ、渋滞拘泥のおそれがある。ただ正なるを勉めて深なるを勉めなければ、迂闊にして奇奥なるところなきに至る。」

「しかし人力はもとより限りあるものであり、学海は渺茫(びょうぼう)として広濶無涯のものであるから、百般の学科ことごとく能く深きに達するという訳に行かぬのは無論である。故に、深を標的とする場合は自ら限られたる場合でなければならぬ。」

「これ故に深の一標に対しては、人々個々によりて予め考ねばならぬ。が、要するに修学の道、そのやや普通学を了せんとするに際しては、深の一標に看至って、そして予め自ら選択するところがなければならぬ。」


「以上述べたところは何の奇もないことであるが、眼に正、大、精、深、この四標的を見て学に従わば、その人けだし大過なきを得んとは、予の確信して疑わぬところである。」

09/17 <日朝首脳会談>

日本のマスコミは悪口しか言わない。

まるで反権力が正義であるかのような報道姿勢。
世論の顔色をうかがいながら、人気がある時は煽り、人気が落ちれば批判者へと変わる。

二十数年もの間、拉致問題を無視し続けたマスコミの責任はどうであろう。

誠に残念な結果ではあるが、成果は成果として正当に評価すべきである。
韓国や米国、世界がこの会談の成果に驚嘆しているのは事実である。


「ひとを罰しようという衝動の強い人間たちには、なべて信頼を置くな!」(ツァラトゥストラはかく語りき

09/16 <スポーツの秋>

今日は早起きをして、午前中にいくつかの仕事をこなして、昼からサッカー練習へ。

秋晴れ。涼しくて、快適な季節。
スポーツの秋です。

夕暮れまで走り回る。赤い夕焼けがきれいでした。

体が少し重たかったかな。
でもまぁ、リフレッシュ出来ました。

09/15 <ならぬことはならぬものです。>

不審船。拉致疑惑。
不審な船。拉致の疑惑。

不審と疑惑で濁すのはやめにして、そろそろはっきり言うできではなかろうか。
誰が悪いのか、どこの国が悪いのか。本当は皆、わかってるくせに...。

ダメなものはダメ。悪いものは悪い。

ならぬことはならぬものです。

09/14 <問>

「眼は、いつでも思った時にすぐ閉じることができるようにできている。しかし、耳のほうは、自分で閉じることができないようにできている。なぜだろう。」(『柿の種』


「寺田寅彦記念室(高知県立文学館内)」 http://www2.net-kochi.gr.jp/~kenbunka/bungaku/t.terada.htm

09/13 <努力の堆積>

幸田露伴、『努力論』 を読む。(其の八)

- 努力の堆積 -

「文明の恩人の伝記を繙き見るに、誰か努力の痕を留めない者があろう。殊に各種の発明者、もしくは新設の唱道者、真理の発見者らは、皆この努力によってその一代の事業を築き上げて居るといわねばならぬ。」

「また、よしんば英才の人が容易にある事を為し得ないとするも、その英才はいずこから来たか。これはその人の系統上の前代の人々の『努力の堆積』がその人の血液の中に宿って、而してその人が英才たるを得たのである。」

「天才という言葉は、ややもすると努力によらずして得たる知識才能を指すが如く解釈されているのが、世俗の常になって居る。が、それは皮相の見たるを免れない。いわゆる天才なるものは、その系統上における先人の努力の堆積が然らしめた結果と見るのが至当である。」

「盲人の指の感覚はその文字を読み得ざる紙幣に対しても、なお真贋を弁別し得るほどに鋭敏になって居る。しかしその感覚力は偶然に得たものではなく、その盲人の不便より生ずる欠陥を補わんとする努力の結果としてその指頭の神経細胞の配布を緻密ならしめたので、換言すれば単にその感覚が鋭敏なのではなく、解剖上における神経分布の細密を来し、而して後に鋭敏なる感覚を有するに至ったのである。」

「吾人はややもすると努力せずしてある事を成さんとするが如き考えを持つが、それは間違いきった話で、努力よりほかに吾人の未来を善くするものはなく、努力より他に吾人の過去を美しくしたものはない。」

「努力は即ち各人自己の発展である。努力は即ち生の意義である。」

09/12 <君子欲訥於言、而敏於行>

ちょいと多忙。
頭の中が多忙。心が多忙。


僕の机の横の壁には、会津で買った會津藩校日新館の日めくり論語が掛けてある。

本日のお言葉。

「君子は言(ことば)に訥(とつ)にして行(おこない)に敏(びん)ならんと欲す」(里仁第四)

「君子たる者は、口を重くして訥弁でもいいが、実践においては敏速でありたいと思う。言葉の軽い者は訥を志して慎しみ、実践の遅い者は、敏をもって励ますことを心掛ける。」

私は、敏をもって励ますことを心掛けなければなりませぬ。


「会津武家屋敷・會津藩校日新館 公式ホームページ」 http://www.bukeyashiki.com/
「ハイパーテキスト論語」 http://hp.vector.co.jp/authors/VA013051/lunyu/lunyuFrame.html

09/11 <Heroes>

 

「いのちを人にささげる者を詩人という。」(安吾)

 

「Flight 93 Memorial」 http://flight93.org/
「レッツロール!」 http://www.wlpm.or.jp/forest/lets_roll/lets_roll.htm
「A Tribute To Heroes」 http://www.atributetoheroes.com/
『AMERICA A TRIBUTE TO HEROES』cover NEIL YOUNG 『ARE YOU PASSIONATE?』cover

09/10 <笑いと救い(2)>

安吾センセの場合。『続堕落論』から。

「 人間の一生ははかないものだが、又、然し、人間というものはベラボーなオプチミストでトンチンカンなわけの分らぬオッチョコチョイの存在で、あの戦争の最中、東京の人達の大半は家を焼かれ、壕に住み、雨にぬれ、行きたくても行き場がないとこぼしていたが、そういう人もいたかも知れぬが、然し、あの生活に妙な落ち着きと訣別しがたい愛情を感じだしていた人間も少なくなかった筈で、雨にはぬれ、爆撃にはビクビクしながら、その生活を結構楽しみはじめていたオプチミストが少なくなかった。私の近所のオカミサンは爆撃のない日は退屈ねと井戸端会議でふともらして皆に笑われてごまかしたが、笑った方も案外本音はそうなのだと私は思った。」
坂口安吾『堕落論』新潮文庫収録)

09/09 <笑いと救い>

寺田寅彦『柿の種』から 。

「 安政時代の土佐の高知での話である。
 刃傷事件に座して、親族立ち会いの上で詰め腹を切らされた十九歳の少年の祖母になる人が、愁傷の余りに失心しようとした。
 居合わせた人が、あわててその場にあった鉄瓶の湯をその老媼(ろうおう)の口に注ぎ込んだ。
 老媼は、その鉄瓶の底をなで回した掌で、自分の顔をやたらとなで回したために、顔じゅう一面にまっ黒い斑点ができた。
 居合わせた人々は、そういう極端な凄惨な事情のもとにも、やはりそれを見て笑ったそうである。」

09/08 <諦観>

災難に逢う時節には、災難に逢うがよく候

死ぬる時節には、死ぬるがよく候

これはこれ災難をのがるるの妙法にて候

(大愚良寛禅師)


9月11日、これをニューヨークで言えるだろうか。

諦観。
諦めるとは明らかにすることである。
この感覚は日本人にしか理解出来ないのではないだろうか。
維新後の急速な文明開化、戦後の奇跡的な復興も、この感覚が関係しているのではなかろうか。

坂の上に雲を見、焼け野原の中に青空を見て、それで、生きて行く。

良寛さんにはこんなのもある。

「うらを見せ おもてを見せて 散るもみぢ」


「全国良寛会 公式ホームページ」 http://www2.neweb.ne.jp/wc/kokodo/ryokankai/

09/07 <南幌遠征>

午前中からサッカー練習試合で南幌へ遠征。
免許証を忘れて取りに戻ったりして、我々は主催者ながら大遅刻。(^^;;

ウォーミングアップもそこそこに試合開始。
3チームで20分を3セット。1勝1敗1分。

我々はいつもの寄せ集めチーム。ユニフォームも揃っていない烏合の衆としては中々の健闘。
いつも日暮れまで走り回っている我々はこれくらいじゃ物足りない感じ。

皆を見送った後は夕陽が心地好くて仲間3人でだらだら。
空缶を的に石を投げたりしながら。学生の頃は空缶一つで楽しかった。
そんなのを思い出しながら。笑いながら。

09/06 <北の国で「北の国から」>

金曜英会話。
アイダホから来てる先生は日本語が話せない。
雪の話をしていたら、生徒の一人が札幌には黄色い雪が降る、と発言。
稀に雪に黄砂が混じって黄色く見えるのだけれど、それを先生に説明せねばならない。

中国には砂漠があって、その砂が風に乗ってやって来る。
風に乗ってやって来る。
ディランの「風に吹かれて」、サビの一文を借用。
"The answer is blowin' in the wind."(こたえは風に舞っている。)
黄砂は風に舞っている。雪と一緒に。

そんな感じで雪や北国の話をしてたら、今日は「北の国から」だそうで、あちこちからビデオ録画を頼まれた。
録画屋じゃない.....。
北海道の人はやっぱり気になるらしい。
愛国心というと煙たがられるけれど、愛郷心ってのはやっぱり残ってると思う。
自分の故郷をいとおしむ心。
九州に住んでいた僕には九州にも愛郷心がある。モントリオールにもニュージーランドにもイタリアにもある。
これが広がれば愛地球心?
地球村というと胡散臭いけれど、故郷をいとおしむ心は誰にでもあるはず。

閑話休題、「北の国から」。
ここだけの話、幼い頃、僕は「北の国から」が怖かった。(--;
心理描写が生々しくて、見ていられなかった。「銀河鉄道999」も。(--;;
「あなたの知らない世界」とか、怪奇物なんかはへっちゃらだったのに。
もちろん今は大丈夫よ。(^^;;

さて、見てみましょうかね。
明日はサッカーの南幌遠征。ビデオ見ながら早寝。


「フジTV『北の国から』」 http://www.fujitv.co.jp/furano/
「『北の国から』ツーリングレポート」 http://www.sh.rim.or.jp/~sam/kita.html

ボブ・ディラン「Greatest Hits Vol.1」cover

09/05 <秋の夜長>

北海道はすっかり秋。ナナカマドも赤くなりました。

本日、木曜サッカーの日。
集まりが悪くて3人しか来なかった。
けど、それなりに動き回って良い汗をかきました。

練習後は3人で女の子の友達らにお呼ばれで居酒屋へ。
正直なところ、酒もタバコもやらない僕はお酒の席はちょっと苦手。
サッカーより疲れたかも。(--;;

騒ぎの後は家で独りコーヒーを飲むのが好き。
秋の夜長、です。

09/04 <続きの続き>

運転免許証の更新へ。

札幌の運転免許試験場は西の外れにあります。小樽まで数十分の場所です。
病が.....。小樽方面へ行ってしまいました。


「旅の続き、の続き」(後志地方一周の巻)

札幌市手稲区(試験場) → 小樽市 → 余市町 → 積丹町 → 積丹岬 → 神威岬 → 神恵内村 → 泊村 → 岩内町 → 共和町 → 倶知安町 → 京極町 → 喜茂別町 → 中山峠 → 札幌市到着

計316キロ。周辺地図はこちらから探してくだされ。→ 「Map Fan Web

秋の天高い空と、濃い海の色が印象的でした。積丹岬、島武意海岸の海は瑠璃色です。
海に沈む夕日も見ちゃった。

8月から走り続けてるぞ。誰か止めてくれぃ.....。


「積丹観光協会」 http://www.town.shakotan.hokkaido.jp/
「後志支庁ホームページ」 http://www.shiribeshi.pref.hokkaido.jp/

おまけ
漢字 読み アイヌ語の語源(複数説あり)
積丹 しゃこたん シャック(夏)・コタン(村)
神威 かむい カムイ(神)
神恵内 かもえない カムイ・ナイ(神の沢)
倶知安 くっちゃん クッ・シャン・イ(管を流れる所)
喜茂別 きもべつ キム・ヲ・ベツ(山の奥の川)

09/03 <見てきたようなことを云う人>

「きみはあの月も 星も あんなものが本当にあると思っているのかい」

とある人が云った

「うん そうだよ」

自分がうなずくと

「ところが騙されているんだ あの天は実は黒いボール紙で そこに月や星形のブリキが貼ってあるだけさ」

「じゃ月や星はどういうわけで動くんかい」

自分が問いかえすと

「そこがきみ からくりさ」

その人はこう云ってカラカラと笑った 気がつくとたれもいなかったので オヤと思って上を仰ぐと 縄梯子の端がスルスルと星空へ消えて行った

『一千一秒物語』稲垣足穂(新潮文庫)

 オススメ→ 「月世界への招待」 http://mo.atz.jp/

09/02 <9月2日の物語>

1596年(永禄12)の9月2日、初代酒井田柿右衛門が生れた日 、だそうです。
ご存知の通り有田焼を代表する陶工であり、“柿の赤”の柿右衛門です。

日本の陶磁器はヨーロッパへ大きな影響を与えました。
ドイツの誇る名窯、マイセン柿右衛門を模していることでもその影響をうかがい知ることが出来ます。

先日も書いたけれど、ゴッホを始めとするヨーロッパの芸術家は浮世絵の影響を強く受け ました。
また、“夜警”のレンブラントは、銅版画には丈夫で美しく発色の良い日本の和紙を好んで使いました。
フランス革命で断頭台の露と消えたマリー・アントワネットは日本の漆器の蒐集家でもありました。

ちなみに和紙(を加工したもの)は、現在でもコンピュータの電解コンデンサや乾電池の絶縁紙、クルマではオートマチック・トランスミッションの摩擦材として国産、ドイツ高級車などにも使用されています。
(しかもその原紙のほとんどが日本、とりわけ四国で生産されています。)

日本の美術、芸術は世界に大きな影響を与えているのです。
ゴッホやマイセンも良いけれど、浮世絵や日本の陶磁器、漆器への評価が低過ぎるのではないだろうか。
西欧崇拝の表れなのか.....。

こういった状況に危機感を抱き、日本美術の価値を世界に向けて発信し続けたのが岡倉天心です。
彼は1913年の今日、9月2日に亡くなりました。

そして、大正浪漫、竹久夢二の命日でもあるそうな。

1596年9月2日 初代酒井田柿右衛門生れる。
1913年9月2日 岡倉天心没する。
1934年9月2日 竹久夢二没。

9月2日にまつわる日本美術の物語。

まぁ、世界が日本文化をどう評価しようと知ったこっちゃない。
と喝破したのは安吾の『日本文化私観』だったりする訳ですが。


「ヨーロッパの柿右衛門」 http://www.table-talk.net/feature/kakiemon/kakiemon1.html
「マイセン窯・造形の系譜」 http://www.table-talk.net/feature/meissen-zokei/zokei-1.html

「有田 On Line」 http://www.arita.or.jp/
「札幌マイセン美術館」 http://www.aaapc.co.jp/meissen/
「やきものネット」 http://www.yakimono.net/

「和紙のある暮らし」 http://www.kansai.gr.jp/culture/washi/

09/01 <十勝まで>

ちょいと十勝まで。
「十勝インターナショナルスピードウェイ」 http://www.tokachi.org/speedway/
「MapFan Web」 http://www2.mapfan.com/mfwtop.html

更新時 総距離 現在地 コメント
22:10 647km. 札幌 到着。おしまい。
21:08 609km. 長沼町 道の駅「マオイの丘公園」。
なぜマオイなのか疑問が残るところだけれど、コーヒータイム。
20:32 573km. 夕張市 坦々と通過。
19:33 527km. 日高町 道の駅「樹海ロード日高」で休憩。
18:16 484km. 日勝峠 国道274号、濃霧の日勝峠を通過。
16:18 409km. 幸福町 ジョン・レノンのアートギャラリーがあると教えて頂いたので寄ってみる。
http://www.gluck-oukoku.co.jp/page/art_gallery.html
入口にオノ・ヨーコさん直筆の案内。ジョンの言葉としてこうあった。

「どんなに困った時でもそれをあいてにみせちゃいけないよ」
「上を向いて笑っていればいいのさ」

「ひとつ無理してでも、笑いながら、面白おかしく生きてみましょうか」

笑いながら、面白おかしく生きてみましょうか。

14:39 392km. 更別村 「十勝インターナショナルスピードウェイ」でレース観戦&情報収集。
何人かのドライバーの方と知り合うことが出来て有意義な時間だった。
お昼のお弁当までご馳走になってしまいました。収穫大!
09:30 382km. 更別村 「十勝インターナショナルスピードウェイ」到着。
09:00 345km. 忠類村 少しうたた寝の後、出発。
07:02 345km. 忠類村 道の駅「忠類」。もはや隣村まで来てしまった。よって休憩。
目の前にナウマン像の親子がいます.....。
05:41 266km. 襟裳岬 風が強くてなんだか落ち着かないから出よ。
04:45 266km. 襟裳岬 えりも岬到着。しばし休息。
03:34 198km. 三石町 道の駅「みついし」。休憩して襟裳岬まで行ってしまえ。
03:05 168km. 静内町 国道235号。いつの間にやら海岸線。
01:54 111km. 厚真町 なんだか山の中。太平洋を目指す。
01:27 80km. 新千歳空港 国道36号線、新千歳空港通過。
00:47 42km. 支笏湖畔 走り屋さんに紛れて支笏湖。お化けはいないようです。
23:54 0km. 駐車場 本当に出発!
22:45 0km. 自宅 出発!と思ったけど風呂に入ってから出よう。(^.^)
8月へ

 


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