マルサ・マトルーフ→サルーム(皆既日食)
04/05/06 17:28
3月29日(水)
●マルサ・マトルーフ
さて、この日は本番です。
天気は暗くてよくわかりませんが、雲は多そうです。イヤーな感じ。
この日も早い。6時前には出発です。
そうしないと、現地には8000人の人が国内外から集まってくるので、現地は大変なことになりそうです。
移動にはやはりセキュリテリが乗り込み、全員に許可証のようなカードを配り、首から書けるように言われました。
後で聞きましたが、今日はVIPが現地に来るとか。
ムバラク大統領と。チャールズ皇太子も来るのでは、という噂が。
本当なら、偉いこっちゃ。リビアとそんなに仲も良くないだろうに、そりゃ警備も厳重になるはず。
●サルーム
7時過ぎに現地到着。
辺りはまだ暗く、ここでまた衝撃。あたりは霧。
くどいようですが、ここはエジプト。年間の降水量は数十mm程度のはずが、この霧。
この太陽。まあ雲ではないので、気温が上がれば晴れるだろうと言ってましたが、この状態が9時頃まで続きました。
多少晴れてきても、先々日の水たまりはまだ残っていました。
10時も過ぎると、さすがに綺麗に晴れ上がりさあ、本番です。
協栄産業の蔦谷さんの計算によると
・第一接触 11:20:09
・第二接触 12:38:07
・最大食 12:40:05
・第三接触 12:42:03
・第四接触 13:59:58
皆既継続時間は3分56秒程度。しかし時間はあるようでないのがいつものこと。
11時20分
食の始まりです。少し欠け始めたのがわかるでしょうか?
こうなると、後は時間が絶つのを待つばかりです。
私の記憶が正しければ、12時前くらいに、空にバリバリと音を立ててヘリが2機やってきました。
「おい、おい」と思いましたが.あとで聞くと、それがどうもムバラク大統領だったそうです。
そして帰国後聞いた話ですが.リビアのサハラ砂漠の観測地には、カダフィ大佐が来ていたそうです。
確かに、どんなに偉くなってもこればかりは滅多に見れない物ですから、ベストポジションで見たいのでしょうね。
さて、食は進み、
いよいよ、皆既の瞬間でした。
どうもビデオが・・・フィルターを外したとたん画像がおかしいのです。
お、おかしい。こんなはずでは・・・
焦ります、そりゃ焦ります。え、え、え、どうしよう。今までこんなことなかったのに・・・
いろいろ操作してみますが、原因が分かりません。
えーい、思い切ってビデオを止めて原因を調べようと思って、皆既中なのに一度停止してしまいました。
すると、ピントが合っていないのに、気がつきました。ガーン!
仕方ない、まだ映る、ということでビデオ再開。
ギリギリで第三接触を映すことができました。
イヤー参った、困ったもんです。ビデオのテレコンバーターを初めて使ったのが裏目に出ました。
とほほです。
といっても、私のような者ばかりでなく、見事なショットを捉えた方もいました。
これはすばらしい、うらやましい。
こうでなくてはいけないですね。
特に最後の一枚は、あらん限りの手法で画像処理されたそうです。
1. 合成前のトーンカーブ調整
2. 1/1000〜2秒までの12枚の画像のコンポジット合成
3. 地球照の強調
4. 擬似ニューカークフィルターによるコントラスト強調
5. R-USM法によるコントラスト強調
地球照まで入れ込む熱の入れようは、すばらしいの一言に着きます。
(地球照分かります?)
これが、デジカメ(確かペンタックス)撮られたというのが、衝撃的です。
ダイナミックレンジが狭い、というのが通説でしたが、何の、十分じゃないですか。
しかもこのプロミネンス。
新しい時代の始まりですね。
では、私の数少ないショットを。
いちおう、周辺はこんな感じでした、ということで。
私のハイビジョンカメラから貴重なショットをもう一枚。
デカくてすいません。
ハイビジョン使い方まだ良く分からなくて。
やっぱり、4分はあっという間でした。
なんか心残り・・・
こうして最大のイベントは終わりました。
終わると、撤退も早い。
各国のバスはドドーッと一斉に引き上げていきました。
また第4接触残っているんですけど、これじゃ観測になりません。
我々も、昼食のパンとデザートを食べて、そうそうにマトルーフへ引き上げました。
もうここには来ないでしょうね。
ちなみに、グーグルアースによれば、このあたりです。
くるっとカーブしている岬のあたりが、サルームの港になっていて、そこから西はテーブル状の丘になっていて、茶色い部分のあたりが、この写真の観測地です。
まあ、確かに国境ですね。何にもない砂漠地帯かと思いましたが、この辺りから急に丘になっており、それなりに地形上の理由から国境になっているのが分かりました。
それにしても、すごいな、グーグルアース。。。